今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 932)冷しいか天そば

 

こうも暑いと食欲が落ちてくる。本格的な夏がくる前に夏バテしてはいけないが、冷たいものがおいしいのも否めない。そんなアンビバレンツな感情のまま、冷しそば。

 

こちらはどのメニューだろうと、+50円で冷しになるというシンプルさ。冷しカレーを試したい衝動に駆られつつも、オーソドックスに天ぷら系を攻めることにする。

 

壁一面に貼られたメニューは、視認性は悪いけど、歴史と伝統を感じます。春菊、かき揚げ、えび天などに蠱惑されますが、いか天を選ぶ。主張のなさが決め手です。

 

こちらの冷しツユはゴクゴク飲める系で、冷蔵庫から2リットルタッパーで注がれる冷しツユが頼もしい。ワサビを半分ほどといて、箸先をツユで洗い、まずはひと口。

 

醤油と味醂のきいた関東風ツユながら、飲める度合いでいえばそうめんツユほどの濃度で、喉越しさわやかです。なんてことのない茹でおき麺が、ばっちり合うのよね。

 

スルスルとそばをたぐり、ワサビをやり過ごす。さて、そろそろいか天にいこうかね。下半分がツユに染まったいか天は、しっとりと衣といかが一体化しています。

 

抜群においしくはないけど、家庭の味の延長線にあるこの味は、やはり何者にも代え難い。大手チェーンは華やかな季節商品を繰り出すけど、安定も1つの武器だよね。

 

入口横には、ひっきりなしにお持ち帰りのおにぎりを求めるお客さんがくるし、常連風もカウンターで笑っている。地域に根ざしお店は、味わい以上にくつろげます。

 

ごちそうさまでした。