今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 582)小田原丼 in 魚力 at 小田原

 

小田原城にはゾウがいた。1950年に来日したウメ子は、2009年までの長きにわたり、小田原城址公園で飼育されていた。天守閣とアジアゾウ、シュールな光景です。

 

私が幼い頃、1980年代前半に小田原城へ行ったときも、長じて自らの子どもを連れて2000年代に小田原城へ行ったときも、ウメ子がそこにいたと思うと感慨深い。

 

本日は久しぶりの小田原攻め。海産物がおいしいだろうと調べると、いくつかの店で「小田原丼」というメニューを出している。観光誘致だろうけど、ピンとこない。

 

小田原丼の条件は3つあり、①小田原の食材を1つ以上用いること、②小田原漆器に盛りつけること、③小田原がもっと好きになるようにもてなすこと、だとか。

 

かなりゆるい。土地柄、海鮮丼を出す店が多いけど、天ぷらやフライにしたり、あるいはローストビーフなど足柄牛を出す店もある。名物が多いのはいいことですね。

 

ともあれ、駅近の海鮮系に狙いを定め、駅ビルにある魚力さんを訪ねる。買い物ついでの地元マダム風が多く、地元に愛される店はきっとおいしいだろうと安堵する。

 

お茶を汲むときに、店員さんが酢飯を盛りつけているのが垣間みえて気分が高まる。お茶を飲みつつカウンター席で待つとそれなりに時間がかかるけど、到着して納得。

 

エピ、マグロ、中落ち、ホタテ、イカ白身、カツオ、イクラ、ウニ、サーモン。煌びやかな盛り付けは正に絢爛豪華。北条五代の栄華そのままの、目にも嬉しいひと品。

 

まずはワサビ醤油をつくり、イカにつけて食べれば甘さがしっかり。きっと、どれもこれもおいしいに違いないと確信。お行儀ワルだけど、醤油を上からかけちゃえ。

 

どこに箸を入れても正解、吉川晃司のせつなさが止まらないように、私の箸も止まらない。玉子焼き、プチプチ海藻、ガリなども主役を引き立て、味噌汁まで完璧です。

 

文句なし、お値段以上、ありがたい。思わず五七五で感想を述べるほど、感動しました。小田原城までの暑い道のりも頑張れること請け合いの小田原丼に大満足です。

 

 

で、小田原城天守閣にのぼる。公園にもうゾウはいないけど、この年末までニホンザルがいるので、しっかり目に焼きつけました。今度はアジフライを食べにきます。

 

ごちそうさまでした。