今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 945)冷やし中華

 

天ぷらにソースをかけますか? ええっと思う人もいれば、当たり前じゃんと思う人もいる。関西ではわりにある食べ方のようで、食文化の多様性はげに興味深い。

 

冷やし中華にマヨネーズをかけますか? こちらも意見が分かれるところで、東海地方や東北地方にみられる習慣である。酸っぱいツユとこってりマヨの競演ですね。

 

個人的には「あればかける派」で、ゴマダレのときは使わない。さて、こちらの街中華では、夏季限定の凉麺として、冷やし中華、冷叉焼麺、冷海月麺の3種類がある。

 

壁の貼り紙には「マヨネーズ無料」の文字が踊る。それならノーマルをマヨネーズともにいただこう、と冷やし中華を注文。ウキウキと待つこと5分後、ご対面です。

 

みたところ具材は、かまぼこ、叉焼、クラゲ、錦糸卵、きゅうり。赤の彩りはトマトではなく紅生姜ですね。マヨネーズのボトルから大さじ1つぶんほど器に入れる。

 

こちらからみて、奥側にはカラシを溶き、手前のマヨネーズは自然に撹拌されるに任せる。少しずつ、味がなじんで、食べ終わる頃には中央部が潮目となるわけです。

 

かまぼこをよけてを麺をすすれば、冷たくしめられた細麺は酸味のきいたツユとよく似合います。あとは気の赴くまま箸を入れると、あっという間に器は混沌とします。

 

マヨは思惑通り徐々にツユに溶け出し、味変をもたらします。とにかく、おいしい。ツルツル、おいしい。モグモグ、おいしい。思考停止に近い感覚で食べてゆく。

 

マヨで多少しつこくなった口腔を、グラスの水で洗って、ひたすら箸を動かす。細かな叉焼のカケラを丹念につつき、マヨで白濁したツユを、最後にひと口だけごくり。

 

ごちそうさまでした。