今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 930)大ざる

 

 

「ざるそば、大盛りで」と頼むと、注文が「大ざる〜」と復唱される。まったくもって正しいけれど、大ざると聞くとサイヤ人をつい思い出す悲しきアラフィフ世代。

 

実際に「大ざる」と検索すると、普段の検索傾向のせいかベジータばかりが結果に出るのでさほど間違った連想でもないのね。ともあれ暑いので、そばをたぐるのだ。

 

子どもの頃、ざるそばなんてつまらない食事だと思っていた。夏休みの昼ご飯に、スーパーの茹でそばを、薄めた麺つゆで食べる。薬味は刻み海苔くらいだったっけ。

 

ネットもない時代、そば湯なんて知らなかったし、そばに高級店があると思いもしなかった。大学生になっても、そばを食べるのはどん兵衛富士そばくらいだった。

 

年をとったのだろう。暑さを凌げて、それなりに腹にたまる食事としてそばを選ぶようになった。立ち食いの揚げ物も大好きだけど、たまには「いいそば」も食べたい。

 

こんもりと盛られた大ざる。たしか真ん中から持ち上げていくと、絡むことなく食べられるんだよな。せっかく大盛りなので、いろいろと味変しつつ楽しむことにする

 

まずはそばをそのまま。幽玄

つゆにどっぷりつけて。淡麗

次はワサビを少しのせて。馥郁

つゆに大根おろしを入れて。清涼

つゆに薬味ネギを入れて。高潔

そばに少し七味をかけて。鮮烈

 

だんだんボギャブラリーも怪しくなってますが、子どもの頃と異なり、そばを自由に楽しめます。そしてお楽しみに濃いめのそば湯割りをこくり、こくりと飲んでゆく。

 

胃腸を冷やしっぱなしにしないのが、大人のふるまいだなあ、と自分で感心する。アラフィフだから、十分に大人のはずですけどね。腹八分目、いいお昼時間でした。

 

ごちそうさまでした。