ポテトそば。かつて、そばにフライドポテトをのせた斬新なメニューがあった。カレーかつ丼やタピオカそばなど、個性派で知られる富士そばが期間限定で出していた。
もともとは西の雄・阪急そばが始めたとされるポテトそば。完全にイロモノ扱いされていたけど、食べると意外に、油モノと立ち食いそばの相性のよさが際立っていた。
さて、ネットでみつけたのが、よもだそばの「馬鈴薯かき揚げそば」。やってることはほぼ同じなのに、ポテトを馬鈴薯と言い換え、かき揚げにすると違和感がない。
和風インドカレーがおいしいで知られるよもだそば。よもだって人名かと思ったら、伊予弁で「いいかげん」「だらしない」という意味とか。ユーモラスな店名ですね。
程なく呼び出しがかかり、馬鈴薯かき揚げとご対面。みたところポテトはマックとモスの間くらいの太さで、ロッテリアを思い出す。ツユを飲めばダシがきいている。
無化調のダシに浮かぶかき揚げの端をむしりとり、パクリ。はじめカリカリして、中はホクホク。塩っけがツユのみなので、じゃがいもの澱粉っぽい甘さがよくわかる。
ポスターによれば東北直送の完全無農薬栽培らしい。無化調や無農薬をありがたいとは思わないけど、おいしくてお値打ちならば文句なし。ありがたく、いただきます。
そばは黒っぽい田舎風で、風味があっておいしい。食事の半ば以降、ポテトの外はふにゃふにゃだけど、熱が入っているので中はホクホクのまま。ご機嫌に食べてゆく。
こんなにおいしいのに、なぜポテトそばは広まらないのか。芋の甘みが邪魔ならば、玉ねぎのかき揚げはもっと甘いし。たぶん上位互換のコロッケそばがあるからだな。
ネット情報では、西の雄・阪急そばが若菜そばと名前を変え、ポテトうどんをレギュラーとして出しているらしい。バーターなのか、コロッケの取り扱いはないけど。
などと考えつつ、ズルズル、ハフハフと食べ終える。塩分過多となるのでツユはひと口だけ。かき揚げから滲み出た油っけを堪能して、グラスの水をグビグビ飲み干す。
ごちそうさまでした。