今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 978)穴子天そば

 

長いこと生きていると、人間、行動パターンが似通ってくる。自分の意思なぞ存在せず、外的刺激に対する反応の積み重ねが性格、行動習慣になるという説もあるとか。

 

そう、ミスチルが歌うように、知らぬ間に築いてた自分らしさの檻で誰しもがもがくのだ。などと大層な前振りですが、なんのことはない、新メニューの開拓です。

 

こちらたまに来る街そば店ですが、揚げたてホヤホヤの揚げ玉がのってくるので、たぬきやむじなを頼みがちなのです。たまには気分を変えてみようとメニューを睨む。

 

右からみると、かけ、もりから徐々にお値段の高いゾーンに移りゆき、最後はご飯ものである。壁の一辺を占めるメニューは圧巻だけど、目を凝らしてあなご天を選ぶ。

 

注文を終えたのちブログを確認すれば、3年前に一度こちらで食べてますね。まあ、3年も経てば体細胞もすっかり入れ替わっているし、実質的には新規メニューです。

 

やってきたのは、穴子天が堂々と2本屹立した間違いないやつ。あたかも犬神家の一族の有名な絵ヅラのようだけど、食べものの例えとしてはふさわしくないな、反省。

 

まずは匙でツユをゴクリ。甘め、熱めのツユにゆずの香りがふんわりと加わって、胃が動き始めます。あなご天を取り上げて上から食べれば、カリカリ、サクサクです。

 

ふた口目はツユにドップリと漬け込んでガブリ。単独で食べるよりツユと対比したほうが、あなごの身の淡白な脂がわかります。2本あるので一気に1本食べちゃう。

 

細くて白いそばをすすり、ムチムチと艶めかしいかまぼこをかじり、ザクザクした歯ごたえのほうれん草を食む。さらにそばをすすったのち、2本目のあなご天をば。

 

あなごは、頭のほうが脂のりがよく、よく動く尻尾のほうが身が締まっていると「酒のほそ道」で学びました。なるほど、そんな気もするけど、プラシボかもしれない。

 

ごちそうさまでした。