今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 656)鮭ハラス焼定食

 

年取り魚は東日本と西日本で異なる。いわゆる糸魚川静岡構造線は地学的な境界線だけど、不思議と文化の境にもなっており、東日本がサケ、西日本がブリなのだ。

 

そもそも年取り魚ってなんだというと、大晦日に食べる縁起物である。物流が発達する前は、冬に獲れ、塩漬けして日持ちさせられるサケやブリが重宝されたのだろう。

 

私は西日本出身に分類されるけど、親が好きではなかったのか、あまりブリを食べてこなかった。むしろ、父親宛にお歳暮で送られてくる塩鮭を楽しみにしていたっけ。

 

お弁当にはサケの塩焼き。身離れがよいので食べやすく、塩っけが非常に強くてオカズヂカラが抜群だった。令和っ子はサーモンが好きだけど、昭和っ子は塩鮭ですね。

 

ハラスはサケの腹の身で、傷みやすいからか、昔は流通していなかった気がする。でも、いわばサケのトロなので非常に脂のりがよく、おいしさに間違いないのだね。

 

箸を入れると簡単にほぐしとれる。トロリとした身に、旨みたっぷりの脂がついてくるのだから、ルパン三世ばりのご飯泥棒です。いやー、日本人でよかったと思う。

 

ともするとしつこいくらい脂がのっているので、大根おろしでさっぱりさせながら食べてゆく。小鉢も、お新香も、味噌汁も味のアクセント、ハラスの引き立て役です。

 

最後に皮が残るので、ごはんをくるくる巻いて食べゆけば、パリパリ香ばしく、サイコーです。魚の皮を残す派の人も多いらしいけど、サケに関しては食べてほしいな。

 

ごちそうさまでした。