今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 616)平政刺身定食

 

 

平政、ヒラマサ。字面から俳優の六平直政さんを思い浮かべるけど、あくまで私の心象風景であって、まったく関係はない。イメージとしては、何からの白身魚と思う。

 

無骨な字面にひかれて注文するも、いったい何を食べるのか気になって調べれば、アジの仲間なんだとか。スズキ目アジ科で、ブリの近縁といわれると何が何だか。

 

ややこしさでいえば、鵺(ぬえ)に似ていますね。頭が猿、体は狸、尾は蛇、足は虎の妖怪で、源頼政に退治されました。最近の研究ではレッサーパンダ説もあるとか。

 

閑話休題。なんでもヒラマサはブリ、カンパチと合わせて「ブリ御三家」などと呼ばれるらしい。お値段はヒラマサ>カンパチ>ブリの順で、徳川でいえば尾張です。

 

やってきたのは確かにブリっぽく、アジっぽい刺身で、実は赤身らしい。ワサビを少しのせ、醤油を少しつけてパクリ。おお、思ったより身が甘く、さっぱりしたお味。

 

部位なのか、季節なのか、あるいはヒラマサの性質なのか。初めて食べるのでわからないけど、ブリほど脂がなく、身もほどほどにしまっている。なるほど、上品だ。

 

確かにおいしい。おいしいけど、5切れしかないので、鶏から定食換算すると1切れが唐揚げ0.8個分の価値を有することになる。いじましい計算だが、わかりやすい。

 

まあ、オカズヂカラとしては十分なので、ごはんをもりもり食べてゆく。冷奴に梅干しのシソという意外な組み合わせに驚く。大根のツマも大葉も、貴重な野菜ですね。

 

ヒラマサをそれと意識して食べるのは初めてでしたが、おいしさはわかりました。これでカウンター寿司でいつ食べても大丈夫なんて杞憂しつつ、ペロリと完食する。

 

ごちそうさまでした。