今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 248)自家製・上海焼きそば

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以前、上海焼きそばを食べたとき、シーフードがないことに驚いた。誤解だったのだが、やはり、「海」を冠にいただくからには期待してしまう。


それは単なる地名からの連想で、言いがかりに近い。富山ブラックラーメンに山の幸はないし、山梨ではアワビの煮貝が名物だったりする。


ようは「上海あたりでよく食べられている」焼きそばであり、豚肉や青菜がメイン具材。それはそれでおいしいけど、私の期待は宙ぶらりん。


ならば、自分でつくればいい。暗いと不平を言うよりも、すすんで灯りをつけましょう、の精神。スーパーで上海焼きそばの袋入りを買ってくる。


まずは、冷凍のシーフードミックスとニラ、もやしをフライパンで蒸し焼きに。水分が出たところで焼きそばをほぐしいれて、炒めていく。


火が通ったところで、秘伝っぽいタレをかけ、味をなじませて完成。油を使わない、自称ヘルシーな上海シーフード焼きそばとなりました。


ズルズル、うん、おいしい。中国の醤油はやはり風味が独特でビールに合うね。シーフードは冷凍だけど、イカ、エビ、アサリと旨味が出てる。


でも何というか、タレの味が強いナ。ソース焼きそばも基本は豚肉ともやしだし、シーフードと焼きそばは力関係が難しいのかもしれない。


ともあれ、ビール対応力は十二分。ズルズル、グビグビ、いい気分。家人と争うように食べ、これで上海の呪縛からは解放されました、たぶん。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 247)春菊天そば+玉子

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朝そばをたぐろうと、のれんをくぐるも、いつもの天ぷらパットがいない。カウンターの後ろをみればまさにいま、春菊天が揚がっている。


揚げたてが味わえるのは実にラッキー。どうせなら春菊天に玉子をつけて、栄養、彩りも整えてしまおう。水をグラスに注ぎつつ出来を待つ。


やってきたのは、いつもと同じに見える春菊天。ですが揚げたてなのです、コイツは。写真には写らない美しさを秘めているのですヨ。


アチチ、サクサクと食べていけば、不思議と苦味がよくわかります。香りがたっているからかな。そばも、天ぷらも、ふうふう冷まして食べる。

カウンター前に陣取る私と春菊天を見て「おっ、春菊あんじゃん」と後客二人が次々と春菊天そばを頼み、なんだか先輩ヅラしたくなる。


もちろん、実際に大きな顔は出来ないので、心のなかで、揚げたてでラッキーだな、気をつけて食べないとヤケドするゼ、とつぶやきました。


ごちそうさまでした。



麺喰らう(その 246)ビーフカレーパスタ

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タイ風、インド風、欧風のカレーが居並ぶエスニックなカレー屋さん。ライスだけではなく、パスタも選べるようで、ものの試しに頼んでみる。


カレーラーメンがイマイチ流行らないように、カレーパスタもあまり見ませんね。飛び跳ね問題があろうけど、それならカレー南蛮も同じだし。


みれば、マッサマン(0)、ビーフ、レッド、グリーン、ポーク、チキン(5)の順に辛さレベルが上がるようす。無難にビーフにしておく。


店内はいかにもエスニックな香り。なんだろう、何者かわからない香辛料の空気感。外国人も、日本料理店にきたら醤油の香りを感じるのかもネ。


程なくやってきたパスタは細めの平打ち麺で、カレーソースがよく絡みそう。玉子が彩りを添えるのが好ましいナ。謎の香草の緑も鮮やかだね。


まずは香草をパクリ、ドクダミかな。食事の途中で、意識せず口にすると驚くから最初に食べとくのヨ。うーん、苦い。食べるべきなのか、コレ。


ともあれ、残るは勝手知ったるメンツ。ビーフはゴロゴロ、たくさん入っていて嬉しいナ。ソースとからめて食べれば、ランク1でも意外と辛い。


ジャガイモはねっとりホクホク。カレーソースとちょうどいいバランス。主役のパスタはひらひら部分がよ〜くカレーソースを巻き込んでくれる。


とはいえ跳ねるのが怖いので、クルクル、もぐもぐ食べていく。はっきり言ってかなりカライ。でも、辛さの逃げ道が玉子だけしかないのヨ。


パスタにはカレーソースが絡んでいない部分がなく、小休止できない。大阪にあるライスと混ぜちゃったカレーを思い出します。自由軒だっけか。


カレーを食べている途中で水を飲むと、なんか負けた気がするんだけど、さすがに背に腹は変えられない。ゴクリと飲めば、ああ甘露、甘露。


さて、あとは一気呵成にパスタを食べていく。すすれば跳ねるので、勢いはさておき、残りがちなカレーソースをたっぷりまぶしつつ完食。


おいしかった! でもレベル1でよかった!


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 245)たぬきそば

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たぬきそばの存在を知ったのは、美味しんぼだった。美味しんぼの功罪はさておき、そこでのたぬきそばは清貧の象徴として礼賛されていた。


うちの実家は外食をする習慣がなかったので、たぬき云々より、揚げ玉の存在すら知らなかった。親が好きでなければ、食卓にのぼるわけがない。


関西ならハイカラ。えっ、揚げ玉ってなんですのん? あぁ、天かすですか。あんなのサービスですやん。そんな扱いのたぬき。でも、好き。


こちらの店はツユが濃い。ミリンの甘さが際立っているのが実に好み。その濃ゆいツユをぐんぐん吸い込んでおいしくなる揚げ玉がうれしい。


揚げ玉と書いたけど、天ぷらを揚げたときのオマケでつくられたものだから、むしろ正調天かす。お昼どきなので、出来立てに与れるのがグー。


水菜はサクサク、ネギはシャキシャキ。お麩にしみこんだツユを吸うようにかじる。そして主役のそばは、強いツユや薬味に負けない風味を誇る。


途中で七味をかませば心も体も燃えてくる。これぞ、そば好きの本懐ですわ。しょっぱいんだけど、ついつい飲んじゃうツユ、誰か止めてくれ〜


老舗街そば店の本気をみる、渾身のたぬきそばでした。今度は小ライスをつけようかな、と思うほどの絶妙なオカズっぷりに感服です。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 244)もりそば

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老舗のそば店、たぬきでもたぐろうと入るも、ない。何年も通っていたけど、はじめて気づいた、たぬきがない。よくみれば、きつねもいない。


ニシン、山菜、カレー、などのタネものは揃っているし、季節の牡蠣そばや合鴨も控えている。なんなら鍋焼きは各種天ぷら入りまで種類も豊富。


何か獣類に禁忌でもあるのかネ。頼めばある裏メニューなのかな。どこかの時点で取り扱いやめたかな。そういえば高齢化で定休日増やしたしな。


で、シンプルにもりそばをたぐる。ワサビはそばにのせて食べるのが常識なんて言ってる店主を見かけたことあるけど、私は断然ツユに溶く派。


甘めのツユにつけて、スルスルたぐる。ふとみれば、常連風の紳士が会計するときに飴ちゃんを貰ってる。なんだか、のどかな、昼下がり。


食べ終える頃合いを見計らいやってくるそば湯。はじめは濃いめをコクコク飲んで、お次は薄めをサラサラ飲む、信長にお茶を淹れた秀吉作戦。


私も会計をすると、飴ちゃんを勧められる。お昼のぶんだけでなくて、夜のぶんも持っていきな、だって。大阪のオカンか、でも、ありがたい。


そういえば先日廃業した洋食屋も、おばあちゃんが飴ちゃんくれたっけな。東西関係ないのかもネ。心も満タンになる、いいお昼どきでした。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 243)モッツァレラそば

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モッツァレラそば。無罪モラトリアム勝訴ストリップといった椎名林檎のアルバムにありそうな意外な和語とカナのマリアージュにひかれる。


肉ラー油そばがおいしそうだと看板を覗いたときに気がつきました。one of them みたいな顔してるけど、アンタかなりのインパクトだよ。


肉そば以外は、ごく普通の立ち食い系なのに、なんで攻めるかねえ。程なくやってきたそばには、看板に偽りなく、薄めのチーズがのってます。


まずはツユをひと口。みりんの甘みが強くて、熱めなのは好みだな。そばはごくごくオーソドックスで、ともすれば印象に残らない無難さ。


そこに、モッツァレラ。たしか水牛からつくるチーズだけど、こちらがそこまで本格派かはわからない。ツンツン突くと、やわらかくなっている。


最初はカチッとした印象だったのに、すぐにフニャフニャと馴染んでくる。まるで新入生のようだね、などとどうでもいい感想が浮かぶ。


チーズは黄身のように溶け出したりせず、かたまりのまま、ふわふわ浮かぶ。ひとつつまめば、ニチニチしたチーズの食感がおもしろい。


その風味はツユに負けず、おまけに熱を帯びてピッツァばりに伸びる。なんか楽しくなってきたところで、そばもモッツァレラも食べ終える。


すると、何も具材がなかったかのような一面のツユ。奇面組が夢だったかのように、桜木花道の4か月が夢だったかのように、ただツユのみ残る。


おいしかったけど、次は肉そばにしようかナ。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 160)自家製・トンテキ

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最近、お疲れ気味である。そんなときは栄養つけて、休養をとるのがイチバン。手軽な、しかし侮れない栄養素といえば、やはりビタミン群。


効能・効果は数あれど、サプリではなく、食材でとるのが王道。そこで豚肉。ビタミンブーといわれるほど、豚肉は栄養豊富なパワーフードです。


しかし、トンカツは重い。それに家でつくると後処理が大変。各方面を勘案、検討のうえ、トンテキに決定。そうと決まればロース肉を3枚購入。


両面に軽く小麦粉をはたいて、焼き始める。焦げ目がついたらひっくり返してフタをして蒸し焼き。カリカリではなく、しっとり仕上げる。


残る油に、たこ焼きソース、ケチャップ、にんにく、オイスターソース、タバスコ、しょう油を目分量で逐次追加、特製ソースを仕上げる。


キャベツの千切り、トマト、出来合いのポテサラを盛りつけた大皿に、カットしたトンテキをドン、ソースをかければ、それなりの見栄え。


うん、おいしい。キシキシとした歯ごたえがいかにも豚肉。タレも濃厚で、肉の旨味をよく飾りつける。家人と争うようにビタミンを奪い合う。


キャベツを食べ、トマトを食み、肉を食らう。ここにビールを流し込めばけっこうシアワセ。お値段的には安い男だけど、トンテキはお値段以上。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 159)半炒飯&餃子

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遅い晩ごはんは軽くしなくちゃ、と誓いながら松屋の中華ブランド、松軒へ。おはようからおやすみまで、松屋グループにはお世話になりますな。


さて、軽く一杯ひっかけたいところなのて、餃子とビールのオトクなセットを頼む。さすがに物足りないので、半炒飯も頼んでおこうかな。


さっそくやってきたジョッキを舐めつつ食事を待つ。ビールが空きっ腹にしみるなぁ、おつまみセット頼めばよかったかもしれないな。


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餃子は酢コショウが私の定番。肉の旨み、皮の甘み、野菜の香りが楽しめます。酢コショウをつけてはかじり、断面に2度漬けしてしみこませる。


あー、しみじみおいしい。餃子の話になると、本場中国では水餃子が基本とかいう人が出てくるけど、いいんだよ、これで。ビールをグイッとね。


遅まきながらやってきた半炒飯。まずはガツガツとレンゲで食べ、半分くらいになったところで醤油とラー油をひとたらし、おつまみにする。


クォーター炒飯だな、などと心で呟きつつチビチビ食べる。おっ、大きめのチャーシューが入ってるな。こいつはうれしい、ビールをグイッとね。


ところで、この紅生姜、すごいサクサク、フレッシュだな。こうなると全炒飯にしてもよかったと後悔する。まあ、食べすぎになるけどネ。


夜の中華店は、例えるならお通しなしの居酒屋代わり。適度な競争のもと、ぜひぜひお値打ちをお願いしたいナ。最後に水をグイッとね。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 158)ランチにぎり

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サカナ食べたい。たまに湧き上がる魚への情熱。煮魚、焼き魚、刺し身。お寿司もいいねえ。ひとしきり考えて、オトクなランチにぎりを選択。


カウンターの隅に座り、しぶーいお茶を飲みつつ握りの到着を待つ。ふと大将をみれば、ビニル手袋をつけて握っている。時代だなあ、と感心。


やってきた豪華ランチを前に、食事の組み立てを考える。やはり玉子はデザートがわりに最後に食べよう。うーん、まずは光り物からいこうかな。


ほどよく〆られていて、青魚らしい身の厚みがなんともおいしい。でも寿司通は味の淡白な白身から食べるんだっけ。まあ、いいけど。


ランチくらい自由に食べよう。とかいって次は白身をパクリ。白身は鯛かな、コリコリした歯ざわりに、ワサビがツンときくのがいいですね。


穴子のタレは甘く、サーモンは脂がギッシリ。ここらで中休みに巻き物を。フワフワのネギトロ、サクサクのきゅうりは海苔の香りを運びますナ。


本日のみそ汁は、物珍しい白菜の味噌汁。シャキシャキした歯ざわりがなんともおいしい。よし、マグロをひとつ食べて、あとは怒涛の攻めだ。


コリコリのタコ、ねっとりなイカ、プリプリのエビ。明らかに魚ではないという主張をする個性派トリオを堪能。正に海物語を楽しんでおります。


ラス前にマグロの赤身をパクリ。この年になるとトロよりも赤身だな、としみじみ。最後に玉子に醤油をチョコっとつけ甘味を引き出してパクリ。


最後にガリを食べ、酢飯に染まった口中をリセット。まだ熱い粉茶をすすって、余韻を楽しむ。ふう、サカナ欲はすっかり満たされました。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 157)こだわり卵朝定食+ベーコン

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朝早い地下鉄で、カサカサ音がして目をあけると、朝マックを立ったまま食べている。目を疑ったけど、いい年をしたオジサマだ。あらあら。


新幹線で食事をするのは迷惑といった議論には賛同しかねるけど、通勤電車、さらに朝という時間帯を考えると、さすがにいかがなものか。


日課にしているわけじゃないだろうし、のっぴきならない理由かもしれない。でもこれでは、マックのにおいが、嫌なものとして記憶されるネ。


そんな朝、いつものように朝定を食べる。まずはノリとベーコン1枚目でご飯を半分食べて、残りを卵かけごはんにして、スルスルいただく。


食べつつも自分ならどんなシチュエーションで地下鉄マックをするかな、と考える。夜勤明け? 何日かぶりの食事? 取引先の急な呼び出し?


うーん、思いつかない。やはり食事は落ち着いてとりたいよね。立ち食いそばというのは、立って食べてよい舞台装置なわけだし、電車とは違う。


ともあれ、禅僧がお新香で茶碗を拭うがごとく、残るベーコンで丼ぶりをさらえる。最後にダシのきいたみそ汁をズズズと平らげ、箸を置く。


そうだな、食事は自由で豊かな時間でありたいかな。でも人さまに嫌がられるようではいけない、だから違和感を覚えたんだな、きっと。


ごちそうさまでした。