今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 255)あつかけうどん+かしわ天

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讃岐うどんをあまり食べない。苦手というわけでなく、通勤動線にないから。とはいえ、麺類皆兄弟、食べられるチャンスは最大限に活かす主義。


いつも混んでる店ですが、ランチタイムでも遅めだからか比較的すいてるな。セルフ式なので、まずはベースとなるうどんを注文しなくては。


想定外にすいてるので、注文順はすぐに回ってくる。あわわ、急にボールがきたから、なんて言い訳したくなる気持ちもわかるゾ、柳沢選手。


ともあれ、困ったときはメニューの左上が基本。あつかけ、小を頼むと、丼ぶりにうどんが入れられ、勢いよくツユがかけられている。


アレ、以前は蛇口からセルフで注ぐ方式だったのに。別にいいんだけど、レジまでの天ぷら選びを迅速にしないと、うどんがのびる気がする。


ずらり並んだ天ぷらたちは絶景かな。おや、かしわ天って、立ち食いそばではみかけない、これにしようかな。とかいう間にレジの順番です。


レジ横をチラリとみれば、蛇口が壊れてるのか。てっきり誰か何杯もおかわりするような無茶をしたから、セルフ禁止になったかと思ったよ。


トッピングの青ネギ、しょうが、スリゴマをたっぷりとかけて、いざ箸を割る。まずはかしわ天。胸肉だけどパサパサではなくしっとりしている。


うどんはいかにも讃岐うどん。強靭なコシでツルツル口当たりがいい。ダシはいりこかね、旨味がよ〜く出ていて、おかわりできるならしたいネ。


ここで、しょうがを溶かせば雰囲気が変わる。何というか、滋養溢れる味。体冷やしたらいけないよ、って心のなかのおばあちゃんが呟くような。


さて、小うどんなので程なく食べ終えてしまう。パートナーを失ってしょんぼりしているかしわ天をパクリと食べて、丼ぶりはキレイにからっぽ。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 163)清流地鶏南蛮定食

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信号機の気まぐれに任せて歩みを進め、ふと気づけば人気の定食屋に行列がない。ひょっとするとと覗いてみれば、カウンターの隅があいている。


こいつはラッキーと滑り込む。ランチタイムだというのに予約客も多く、人気が窺える。さてさて、せっかくのチャンス、悔いなく食べよう。


ひとしきり悩んで、清流地鶏南蛮とやらを注文。清流ってなんだ、四万十川かな、なんて調べると岩手の地鶏のようす。高まる期待、鳴るオナカ。


料理が来るまで、カウンター越しに大将のキビキビした動きをチラ見。鳥の揚がる音と微かな油の香りは、ランチのプレリュードとして最高です。


やってきました地鶏南蛮。甘辛いタレが特長の宮崎のチキン南蛮とは違うネ。サラッとしたタルタルソースをかけて、まずはひと切れパクリ。


揚げたての皮はカリカリして、ご飯泥棒の名がふさわしい。ちょっと酸味がきいた、フレンチドレッシングのようなタルタルも味をひきたてる。


ミニサラダをパリパリ食べ、香の物をポリポリかじり、赤だしをズルズル飲む。ここにおろし明太子が加わるんだから、くっ、ご飯が足りないっ。


赤だしの響きだけで、おいしさのグレードが上がる気がするよ。ちょっと苦味を感じる赤だしを飲むと、油っこさがリセットされるのが不思議。


さて、主役はもちろん地鶏南蛮。カリカリ食べては、もぐもぐご飯を食べる。噛めば噛むほど地鶏の味がしみてきて、やめられない、とまらない。


当たり前ですが、あっという間に完食。滞在時間はともあれ、ランチとしては 120 点。胃もたれ上等、悔いのないおいしさでした。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 254)いか天そば

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朝型、時差出勤、アーリーワーク。聴こえはいいけど、ようは早出特打ち。メールも来ない、人も少ない、朝にお仕事をすればいいじゃない。


早く家を出れば、そりゃ電車はすいてるけど、開店直後の朝ごはん処はかえって混み合う。ウロウロしたのち、第一陣の客のはけた小諸に入る。


何にしようかなと逡巡するも、先日他所で食べておいしかった、いか天をチョイス。チェーンならではのスケールメリットでいい夢をみせてくれ。


さて、いか天の淡白な味を楽しまなきゃネ。ネギは欲張らずに、小梅ちゃんを彩りよくのせちゃおう。ゆず七味をかければ、香りがふくらみます。


そば、ツユは安定の小諸クオリティ。ズルズルと安心して食べてゆく。いか天をパクリとかじれば衣のオモテはカリカリ、ウラはしっとり。


微かに香る磯の風味を楽しみ、サクサクと歯ざわりがステキないか天を味わう。小梅ちゃんがツユに化学反応して、トロッとするのもいいね。


朝早いからか、食べ終えると無言で立ち去る人も多いナ、寂しいナ。店員さん、食材、そしてこれから頑張る自分にありがとうを込めて言おう。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 253)コロッケそば

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通勤動線にあったゆで太郎がなくなり、コロッケそばが食べられなくなった。いや、足を伸ばせば食べられるけど、ヤツはそういうもんじゃない。


何というか、立ち食い界でも異端児なんだよナ。チェーン店でも必ずしも扱うわけでなく、本格派に近づくほど、コロッケからは遠ざかる印象。


所用で駅前に出たので、オヤツがてらそばでも食べようとのれんをくぐる。壁に居並ぶメニューの真ん中あたりにコロッケをみかけ、心を決める。


注文すれば出来は早い。そばをゆがいている間にセルフでポットからお茶を入れる。プシュプシュ押しこむ昭和なポット感がたまりません。


さて、いざコロッケそば。まずは七味をパラリ、そばをズルリ、いつもの安定の味。お待ちかねのコロッケをパクリといけば、カッチカチ。


とろけないために必要だよね、ある程度の固さ。でもコロッケの想定する範囲を超えてくる、ガリガリ君だと思ったらあずきバーなわけですよ。


お味は箱根そばと同じくカレー風味ですごくおいしい。でもツユに戻したコロッケは、歯形そのまま、全く崩れない。何でできているのか疑念が。


まあ、ねっとり歯応えが官能的といえば、そうかも。店内にはラジオが流れ、奇しくも私の愛用トランジスタラジオとシンクロしている。


スポーツ新聞が並ぶ、独立系ならではののんびりした店内。しょっぱめのツユを吸ったそばを食べ終え、ぬるくなった番茶をゴクリ飲み干す。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 252)いか天そば+玉子

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自分を変える。なんて大それた話ではなく、いつもの店で、いつもと違うそばを頼む。浮気心なのかなぁ。まあ、気まぐれにすぎないけどサ。


たぬきか春菊天が普段の選択肢だけど、ブログをみても、実感としてもあまりに頻繁に食しており、ひょっとして惰性ではないかと自分を疑う。


知らぬ間に築いてた自分らしさの檻のなかでもがく、と歌ったのはミスチルだけどまさにそんな心境。死んでるみたいに生きてはならぬ、のだ。


仰々しく御託を並べましたが、ようは食べ飽きただけかもしれません。で、いか天をチョイス。サクサクした歯ざわりが早くも思い出されます。


せっかくなので、財布にたまった小銭も一掃しようと玉子をトッピング。しめて 490 円、思惑通りに、心も、財布も、軽くなりましたヨ。


朝早いからか、天ぷらのラインナップはまだ揃っていないようす。天ぷらパットには、かき揚げ、エビ、竹輪などの一軍が並ぶのみである。


「いか、少々お待ちください」。店側もまさかこの時間帯にいか天とは奇襲だったのだろう。すなわち揚げたてがいただけるニンマリの待ち時間。


揚げたてのいか天、衣に染み入るツユ、白く煮えていく玉子。様式美のような丼ぶりの小宇宙にしばし見惚れたのち、まずはいか天をガブリ。


アッツイ。揚げたてなのでツユより熱い。普段は揚げおきの天ぷらをツユで温めて食べているわけだから、不意打ちの愉快ツーカイな熱さですね。


予想通りの淡麗ないか天を楽しむうちに、剥がれゆく衣もまたいとをかし。白身でツユが濁る前にチュルリと飲み込み、黄身は温めておく。


そば & ツユの安定感は長年連れそった夫婦のような、小津映画のワンシーンのような、絵もいわれぬおいしさです。さすがは老舗立ち食い店。


いか天の跡にはドロドロの衣が浮かぶ。たぬきそばの揚げ玉とは異なるゆるやかな食感が楽しい。半熟の黄身を破いてそばボナーラも嬉しい。


たまには、良いね、いか玉そば。下げ膳するときにチラリとパットを覗けば、春菊天、はぜ天が加わっているが、いか天はまだ準備中のようす。


いか天、お前、何番手なんだよ? 応援したいけど、本妻のたぬきがいるから、またそのうちな。などと勝手なことを思いつつ店を後にする。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 251)カレー南蛮そば+半ライス

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そばっ食いの端くれとして、カレー南蛮の評価は難しい。かなり好きな種物だけど、カレーの味が強くて、そばの風味がわかりにくいのが難だ。


いやいや、そもそも立ち食いを主戦場にしているのに、そばの風味とやらをわかっているのか? なんとなくカッコつけているだけじゃないのか?


自問自答しつつ、カレー南蛮の到着を待つ。なんだかんだいっても、定期的にカラダが欲するのよね、ダシの旨味と出会ったスパイスの魔法をね。


そう、こちらの濃厚なカレー南蛮には、半ライスが似合うのダ。レンゲがあったらすくってかけてしまいたいくらい、トロトロで、アツアツです。


まずは、カレーに塗れた豚肉をパクリ。すぐにご飯をかきこめば、合うのなんの。豚肉をご飯にワンバンさせては白飯を茶色に染めつつ食べる。


むろん、そばもしっかりいただく。飛び跳ねが怖いけど、それ以前にマグマの如く熱いから、ズルズルとはいけず、ふうふう、そっと食べていく。


豚肉を食べ終え、ネギもご飯のお供にすると、いよいよ莫大なツユが残る。ご飯を口に頬張ってから、丼ぶりからクイっとツユを飲んで口内調味。


それならカレー丼でいいじゃん、とも思うけど、ちょっと趣きが異なる。あくまで、そばツユの余芸を楽しむスタンスが、楽しいのです、たぶん。


ひと汗かいた、悔いのない食事でした。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 250)たぬきそば

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前を通り過ぎるだけで、入ったことのない立ち食いそば店がある。あまりに改札に近いので、意識もオナカも食事モードに切り替わらないのだ。


しかし、人間変化を恐れてはならない、って『チーズはどこへ消えた?』にも書いてあった気がする。万物は流転する。思い切って暖簾をくぐる。


カウンターだけの手狭な店内に券売機が2台。はじめての店だから定点観測としてのたぬきそばにしよう。カウンターの隙間から食券を提出する。


すると、「アタタカイノ?」と店員さんの確認。マスクでわかりにくいけど、外国の方ですね。温かいの、と復唱してグラスにセルフで水を注ぐ。


そばは茹で置きで丼ぶりにセットされており、ツユを回しかけ、ネギを散らし、揚げ玉をふりかける。一連の動作には無駄がなく、熟練を感じる。


ザ・立ち食いといったそばとダシ。揚げ玉がまるで背脂チャッチャのラーメンみたいだとほくそ笑む。七味をかけ、ズルズル一気に食べ終える。


余りに駅に近いので見逃していたけど、激戦区で続けていられるのには理由があるネ。利便性と無駄のない所作、無難な味つけもそうだろう。


水を飲んでいる間にも客足は途絶えず、ネギ多めで〜と常連も現れる。外国人の店員さんも手慣れたように、ネギをトングで2回入れている。


コンビニといい、飲食店といい、外国人の店員さんも多いけど、適応力には頭が下がる。日本がいい思い出であって欲しいな、と心から願う。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 162)あふれる玉子サンド

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コロナ騒ぎで人っけのない東京ドームシティ。近くのドンキホーテには、人出を見越した行楽用のおつまみ類がいっぱい並ぶけど、所在ない感じ。


そんなドンキでランチを物色、軽めがいいやと玉子サンドを手にとる。ヤマモトヤって聞いたことないけど、そう書かれればブランド感がある。


古藤の数学、マドンナ古文、ロトのつるぎ。なんでもいいけどブランディングって大事ですね。急にありがたい気がします。プラセボですけどね。


まずはひと口食べてみる。パンはフワフワ、玉子ミッチリ、はっきりわかるおいしさだけど意外としょっぱい。野菜生活を買っておいてよかった。


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2つめを食べればさほど塩っぱくない。たまたまだったかナ。基本的には、ねっとり黄身の味わいと、さっぱり白身コントラストがステキやん。


足元には鳩さんがやってくる。人を怖がらないな。まあ、こんなにガランとしては、ドームも鳩も商売あがったりだろうな、実際のところ。


コロナは大騒ぎですが、当たり前の予防をするくらしか自分にはできない。それにしてもみんなマスク持ってて備えがいい。花粉症対策なのかな。


ごちそうさまでした。



定食春秋(その 161)目玉焼きベーコン朝定食+こだわり卵

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きのう、なか卯に行こうと思っていたところ、立て続けに2人先に入店したので、気が削がれて朝食を食べ損ねる。なんだろう、この負けた感じ。


で、今朝はリベンジ。店内は混んでいるけど、券売機で目玉焼きベーコン朝定食を購入。いつの間にか券売機が変わり、やたら操作が増えてるナ。


五百円玉を入れたので、まだサイドメニューが買える。お釣りボタンを押す前に、ふと卵を重ねてみようと思いつき、にわかに楽しくなってくる。


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いつもの朝定食。まずは丼ぶりのご飯を平らに均して、目玉焼きをのせる。そこに、醤油少々を加えたこだわり玉子を、荒くかき混ぜて流しこむ。


おお、なんともいえない崇高なビジュアル。おいしいのは間違いないけど、何とはなしに背徳感。贅沢か、栄養過多か、やりすぎかもしれない。


ユダヤ教では仔ヤギを母の乳で煮てはいけないという食の禁忌がある。それを拡大解釈して、乳製品と肉を食べるチーズバーガーもタブーだとか。


するとたぶん、親子丼もダメだろうし、この目玉焼き+卵かけご飯も微妙かもしれない。まあ、一向門徒だから、とくに気にしませんケドね。


ベーコンを齧り、その塩っ気でご飯をかきこむ。

ノリをご飯に巻きつけては、磯の香りを楽しむ。

目玉焼きを突き崩し、ご飯のおともにかきこむ。


卵をかけたことで、常にご飯がおいしい。いや、オカズにあわせるなら白ご飯かもしれないけど、卵かけご飯は私にとって最高のごちそうなのダ。


思った以上の成果に浮かれ気分が止まらない。みそ汁をズズッとすすれば、これもご飯がすすむダシのきいた真っ当な味。いい意味で逃げ場なし。


あっという間に食べ終えて、我に返って冷たい緑茶を飲む。今度は、牛丼にダブル卵をつけてみようかなどと、夢がふくらむばかりの朝っぱら。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 249)黒担担麺

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悪魔のように黒く、地獄のように熱く、口づけのように甘い。良いコーヒーの条件らしいですが、黒い食事は意外と少ないのではないか。


パッと思い浮かぶのは、ワカメ、ノリの海藻関係と、イカスミのパスタくらいかな。ほかにもあるだろうけど、私の行動半径ではこんなもん。


そういえば、ゴマも。赤飯にゴマしおをかけるくらいで、ゴマそのものを食べることはあまりない。七味に入っているけど、意識して食べない。


こちらの担担麺はゴマの香り高い一杯ですが、黒ゴマを選べる。するとやはり黒ゴマならではのコクが加わり、さらに香り高くなる(気がする)。


細麺なので仕上がりは早い。「お酒です!」と書かれた謎の辛味液(沖縄のコーレーグスみたいなものかナ)を回しかけ、ラー油をひとたらし。


サービス券でもらえる実質無料の玉子をのせれば完成。まずはスープの上澄みに浮かぶ、香るゴマペーストを丁寧にすくいとっては口に運ぶ。


細麺なのでのびる前に食べてしまおう。ゴマの甘みと深いコクが縮れ麺にからんでたまらない。ほんのりとゆずの香りがするのも GOOD です。


ニラは風味が際立ち、青梗菜は歯応えを主張。程よい辛味で汗をかくので、グビッとお茶を飲んで涼を貰う。ジャスミン茶を出す店にハズレなし。


玉子は黄身がホクホクで、スープにピッタンコ。ホロホロのチャーシューも絶品で、あっという間に完食。ゴマは体にいいけど、スープは残そう。


ふう、大満足の一杯でした。


ごちそうさまでした。