今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 131)自家製・鶏の唐揚げ

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唐揚げ、ザンギ、竜田揚げ。大同小異、みんな違ってみんないい。いわば世界にひとつだけの花、それぞれの花を咲かせましょう、ってね。


幼いころ、昭和末期。わが家では唐揚げは非日常の食べ物だった。遠足、運動会などのお弁当の花形となる、茶色のニクいヤツ。


醤油、料理酒、ニンニク、しょうがなどをもみ込んで下味をつけ、小麦粉か片栗粉をはたいて揚げる。これがシンプルながらも奥深いんですナ。


しかし、唐揚げ粉の性能は高い。何十年と主婦をしている母も、ふと試した唐揚げ粉には勝てないと呟いたほど。大企業の叡智は侮れない。


何というか、人生は一行のボオドレエルにも若かない、といった儚い告白でした。まあ、いわゆるオフクロの味に不満はなかったですけどね。


さて、鶏もも肉と唐揚げ粉をビニールに入れ、シャカシャカ振ってムラなく粉をなじませる。待つこと3分、しっとりと下準備は完了です。


それを少量のサラダ油でひたすら揚げ焼き。滅多に揚げ物をしないので、オイルポットなぞございません。油の節約でクルクルひっくり返す。


そろそろいい加減かな〜とひとつ取り上げ、ふうふうと味見。アヂヂッ、おお、断面をみても程よく揚がっておりますナ。ここでビールをゴクリ。


いやー、できたての唐揚げで呑むシアワセたるや! ここでゴマ油とポン酢を混ぜて、刻みネギを加えたタレを作成。よし、上出来だ。


炊きたてごはん、唐揚げ、ビール。三位一体の夕食にうっとりしていたら、育ちざかりたちに、あっという間に食べられました。これが、若さか。


とはいえ、揚げながらつまみ食いしていたので、さほど問題なし。余り気味のビールをポン酢タレのきいたサラダでやっつける。それもまた旨し。


ごちそうさまでした。