今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 174)自家製・ハンバーグ

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ウチの親は古い人間なので、肉類にそれはそれはしっかりと火を通した。トンカツは小さく、ステーキはウェルダン、ハンバーグならば煮込む。


戦中生まれの感覚では正しい。コールドチェーンなんて考えもない頃、魚は港から直送できても、肉はそうもいかない。地獄の業火で焼き尽くす。


で、大いにその影響を受けて育ったのがワタクシ。店ならまだしも、自分で焼いたハンバーグなぞ信じない。レア感なぞ微塵も残さないのダ。


まずは合挽き肉に、軽く塩コショウ。パン粉をまぶしたら、軽くこねる。全体がまとまったら、生玉子を加えて、滑らかになるまでこねていく。


なんというか、チベタイ。早めに冷蔵庫から出しておいたのに、まだまだチベタイ。堪え難きを堪え、小判型に整えて、真ん中をくぼませる。


片面に軽く焼き色をつけたら、ひっくり返して蓋をして蒸し焼きにする。本格派は店で食べれば十分で、わが家では、よく焼き蒸し焼きが安心さ。


あとでソースにするから、肉汁はこぼしても構わない。とにかく火を通したいので、爪楊枝で刺しては、出てくる肉汁が透明になるのを待つ。


およそ焼けたところで、ハンバーグを取り出してケチャップとソースを大量、しょう油少々、タバスコ 2滴、おろしニンニクを入れる。


あとは強めの中火で煮詰めていけば、肉汁の旨みを吸いつくしたソースができあがる。皿に盛りつけたハンバーグにスプーンで回しかければ完成。


箸で割れないくらいカッチカッチだけど、肉質はギッシリ。炊き込みご飯、赤だしとともにガツガツ食べていくのが、自宅洋食の醍醐味ですナ。


娘には好評で、ご飯をおかわりして、どう食べていくかのロードマップを嬉々として説明してくれる。うんうん、喜んでくれれば、父も本望だ。


何というか、何十年後に「わが家のハンバーグは火が通っていてカッチカチだったなぁ」と思い出すときがくるのさ。そう、今日の父のようにね。


ごちそうさまでした。