田舎モンだったので、スパゲティといえばナポリタンかミートソースだった。母親がどこで覚えたものか、その2種類だけがスパゲティだった。
アルデンテなんて知りません。クッタクタに煮込んだ麺に、どことなく和風なソースをかけて、土曜日のお昼に食べる。粉チーズなんて、ない。
上京して、先輩に連れていかれた茶店で驚いた。バジリコ、カルボナーラ、コンビーフ。こんなにも種類があるのか。今思えば邪道もあるけどサ。
イタ飯ブームもあったし、タラコなどの和風スパが落ち着くなぁなんて思ったりもした。いずれにせよ、パスタというとまだお尻がむずかゆい。
さて、そんなパスタ。マカロニ、ラザニア、ラビオリなど、イタリアの粉もんはみんなパスタ。そのひとつ、平べったいフィットチーネが好き。
パスタ界のきしめんといった位置づけ。濃いめのソースと和えると、ムニムニと食感が楽しい。本日は、市販のソースと絡めてみました。
ソースだけでは愛想がないので、ゴヅゴツとしたベーコンを別焼きしてオン。胡椒をかければ、なかなかの見栄えです。ビバ、カルボナーラ。
濃厚なチーズの香りと、塩っからいベーコンのハーモニー。平ったい、表面積の多い麺がよく絡んで、濃厚さが口内で広がるのがおいしい。
ご飯とオカズの組み合わせが無限なように、パスタもまた然り。まさか、はるか東洋の島国で納豆まみれになるなんて、パスタも驚いただろうね。
おいしさと、切なさと、心強さと。上京した頃のような純な思いではないけれど、やはりパスタはおいしい。シアワセの味を噛みしめて、眠ろう。
ごちそうさまでした。