今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 202)峠の釜めし

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かつてわが国有数の人気だった「峠の釜めし」。重厚な益子焼に入った名物駅弁が都内で売られているのを、何気なくみた「じゅん散歩」で知る。


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店に入れば、カウンターの裏で次々と釜めしが仕上げられている。1つ買ってみると、陶器ではなくじょうずに整形された紙容器に入っている。


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さて自宅に居ながら、心の旅に出ようカナ。そもそも駅弁というのは移りゆく車窓の景色とともにいただくのが筋だけど、まあ、致し方なし。


蓋をあけると彩りよくオカズが並ぶ。このメンバーはオリジナル通りなのかな。鶏肉、ゴボウ、椎茸、栗、筍、うずら、緑豆、アンズ、紅生姜。


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このほか、粕漬けを含む漬物が別容器でついている。オカズヂカラはまず間違いないだろう。箸でゴボウを寄せて、炊き込みご飯を持ち上げる。


そう、まずはご飯。これがおいしくないと何も始まらない。もぐもぐ食べれば、もっちりとしておいしい。キュウリの漬物をかじって、次を窺う。


どれもおいしそうで、迷い箸の嵐が起きそうなので、手当たり次第食べることとする。うん、さすが伝統の弁当、すべての惣菜がハイレベル。


あービール飲みたいって考えるのが悪いクセ。でも、峠道を登る車窓を愛でつつ、オカズを食べ、漬物をかじり、ビールを飲めれば最高だよね。


それにしても、アンズ。崎陽軒シウマイ弁当といい、名物弁当でいいポジションを占めてるよなぁ。もちろん、デザートがわりに最後にパクリ。


新幹線による高速移動により、食堂車は消えていった。車内滞在時間が短いのでそもそも駅弁も売れず、最近では弁当のにおい問題もあるとか。


寂しいかな、個人主義の世の趨勢であろう。東京に住んでると全国の特産がやってくるけど、たまには、現地の空気とともに食べにゃいかんね。


満点、弁当、ごちそうさまでした。