今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 430)とんこくラーメン

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思い出の味がある。おいしい、おいしくないではなく、ひと口食べると昔が鮮やかに蘇るひと品。若いころ、丈夫な胃でやたらがっついた思い出。


お袋の味というのも、まあそうなんだろうけど、家を離れて初めて知るジャンクな味や、居酒屋メニューなんてのは、思い出補正込みで格別です。


で、原色の看板に「とんこく」「江戸だし」の文字が踊るこちら。かつて下高井戸にあった店と同じ系列だと思われ、食べるたびに昔を思い出す。


当時はたしか 500 円。四半世紀経った今も 600 円。半チャーハン、餃子など魅惑のセットは多々あるけど、思い出にひたるためラーメンのみ。


やってきたのは、とんこつ臭のパンチがきいた一杯。これこれ、これです。横浜の家系みたいにみえるけど、ライスやほうれん草はついていない。


ツルツルすすれば、鼻に抜ける香りのワイルドなこと! 浅草開化楼の中太縮れ麺が、勝手に口に入ってくる感じ。コショウや七味もドバッとね。


思い出すなぁ。夕方起き出して、いなげやで半額の惣菜買って、プロ野球みながら卒論をダラダラ書いて、夜半に外食に出てた頃。不健全の極み。


で、夜食にこちらのとんこくラーメンか、幻の牛丼チェーン・アッシュドゥの牛焼き肉定食を食べる。家に帰ればダビスタ三昧の怠惰の極み。


嗅覚や味覚には、記憶を呼び覚ます効果があるというけど、正にそれ。ブログに書くのも3度目ですが、この店に来るたびに同じ記憶が甦ります。


楽しく食べればあっという間に食べ終わる。腹八分目くらいかな。でもそれでいい。なみなみ残る塩湖のような濃ゆいスープは、ふた口でガマン。


ごちそうさまでした。