今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 933)琴海ラーメン

 

琴海。綺麗な字面だけど、きんかいと読むらしい。長崎の大村湾の別名が琴湖(ことのうみ)だったことから、大村湾琴海町があったけど、平成の大合併で消滅した。

 

そんな古の地名を冠に戴くラーメンは、当然に長崎ラーメンである。いかにも九州らしくあごだし、すなわち飛び魚でだしをとったスープがウリだとか。あごだしねえ。

 

言葉の響きだけだと、アントニオ猪木のモノマネを思い出す。アゴをしゃくれるように突き出して、なんだこのヤローなんて息巻く。昭和ボーイの懐かしい思い出です。

 

長崎の麺というとちゃんぽん、皿うどんを思い出すけど、海岸線の長い県だけに、そりゃラーメンだっておいしいだろう。こちらで食べるのは久しぶりなので楽しみだ。

 

https://socius-lover.hatenablog.com/entry/2019/09/19/071600

 

メニューも少し変わっているようす。ともあれ店名を冠に戴くラーメンは、自信作に違いない。しばらくしてやってきたのは、だしの香り高く、綺麗な盛りつけの一杯。

 

スープを飲めば素直においしい。店内の説明書によれば、飛び魚は味が淡麗なので海藻、キノコ、節系、肉でだしをサポートしているとか。なるほど、複雑な味わいだ。

 

具材は、チャーシュー、海藻、玉子、玉ネギ、アサツキなど。添えられた高菜がいかにも九州っぽいね。黄色い細麺をすすればスープと相性よく、嬉しくなっちゃう。

 

卓上の壺にはノンカット紅生姜が入っており、いくつかのせると色合いはもちろん、口がさっぱりする。その横にドレッシング的なボトルがあり緑の液体が入っている。

 

謎めいたボトルを何振りかしてレンゲでスープを飲んでみれば、かなり辛酸っぱい。なんだろう、これ。長崎の名物なのだろうか。ともあれ、かけ過ぎなくてよかった。

 

市町村合併自治体としては消滅した土地の名を、東京で受け継いでいくというのはキュンとしますね。保谷と田無の骨肉の争いはなおも続くのだろうか、などと思う。

 

ごちそうさまでした。