今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 403)セイロン風カレーライス

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カレーはインド発祥だけど、わが国にはイギリス経由で伝来している。江戸末期に伝わり、明治期には広まったのだから、よほどウマが、いや、舌が合ったのだろう。


日本式カレーが逆輸出される昨今ですが、インドから直接やってきた本格カレーも数多い。私の知識量では南〜東南アジアのカレーは皆んな一緒くたなんですが。


中華に四川、上海、北京、広東などの亜分類があるように、インドカレーにも北部や南部で特徴があり、タイ、スリランカなど周辺国にも地元カレーが百花繚乱。


大阪と広島のお好み焼き、宇都宮と浜松の餃子、各地のご当地うどん。考えれば国内ですら見事にバラバラなのだから、況や海外をや。みんなちがって、みんないい。


さて、こちらはセイロン風カレー。セイロンとはスリランカのことらしく、たしかインドの右下にある島だよね、と覚束ない知識を総動員する。


プレーンなカレーに、ドンっと肉塊とジャガイモがそびえ立つ。ひと匙カレーソースを舐めると、程よく辛く、少し酸っぱい。


スパイスの調合がスリランカ風なのかな。 こちらを食べるのは久しぶりだけど、やはりおいしい。肉はホロホロで、繊維の間にカレーがしみます。


じゃがいもはスプーンでスゥと割れ、断面が美しい。口に運べばホクホクで、辛み逃しにちょうどいい。らっきょう、福神漬もよいアクセント。


茶店のカレーというのは、どうして様式美のように落ち着くのか。クラシックも、スリランカとあまり関係なさそうなのに、ひどく合う。


スプーンを駆使してひと粒残さず食べ尽くし、水でスパイスを洗うと、コーヒーがやってくる。ブラックでズズズと楽しんで、満腹で席を立つ。


ごちそうさまでした。