今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 635)カレーライス

 

昔ながらのラーメンというと、鶏がら醤油スープで、ナルトやほうれん草がのった正調しょうゆラーメンが浮かぶ。地域性もあろうけど、いわゆるチャルメラの味です。

 

ところが、昔ながらのカレーライスとなると、該当するものがない。野菜はじゃがいも、玉ねぎ、人参で、豚肉が入っているイメージだけど、それでいいのだろうか。

 

じゃがいもはいらない、肉は鶏に限る、など具材もさることながら、付け合わせは福神漬だ、カレーソースは全がけだ、などと派生が多くて、収拾がつかない気がする。

 

給食のカレー、実家のカレー、学食のカレー、CoCo壱のカレー、洋食屋のカレー、本格インドカレー。みんなちがって、みんないい。好みはあるけどみんなおいしい。

 

で、比較的シンプルなこちらのカレー。野菜サラダが別盛なので、具材は豚バラ肉のみで、福神漬とスープが添えられる。壁にはテレビで紹介された記事が貼ってある。

 

カレーとごはんの間にスプーンを差し込んで、味を確かめるようにひと口。見た目はマイルドっぽいけど、それなりに辛く、洋食屋らしいスープ的な味の深みもある。

 

記事によれば、なんでもご夫婦は結婚55年だそうで、なるほど、練熟のコンビネーションがこのカレーのおいしさを生み出すのかな。バラ肉の脂が何とも甘いこと!

 

サラダを喰み、スープを飲む。途中、水で舌をリセットして、再び辛みを堪能する。具材はなくとも、これは1つの完成形だなぁ。しみじみ楽しんで、スプーンを置く。

 

ごちそうさまでした。