今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 692)証城寺そば

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そばの名前にはヒネリがある。天ぷらのタネ抜きで「たぬき」、稲荷の好物だから「きつね」、満月のようだから「月見」。遊び心に満ち満ちている。


で、これも何度でも書くけど、たぬきが月見をするならば「証城寺」でよいのではないだろうか。揚げ玉が玉子に絡む相性のよさかはたまらない。


で、券売機には「たぬき玉子」が用意されている。「きつね玉子」が見当たらないことからも、やはり「たぬき玉子」の愛好家は多いのだろう。


久しぶりの朝そばだな。今日は忙しそうだというか、気合いを入れたい日の朝にお腹を温めるのが安心する。もり、冷やしではなくかけなのヨ。


まずはまん丸な月を愛で、やおら丼ぶりを持ち上げ、徐々に火が入り白雲となりゆく白身をツルンと吸い込む。ツユの味がほんのりしみておいしい。


そばをいく筋か黄身にのせて、後半戦の楽しみに温めておく。ここで、そばをズズズと食べ進める。わざわざ更科に変更した甲斐はあるな。


濃いめ、塩っぱめのツユに負けないそばの香りが素敵やん。そばとともに口に飛び込む揚げ玉は、桜エビや春菊のカケラなどイロトリドリ。


サク、フニャ。歯触りもさまざまで楽しいな。半分ほど食べたところで、箸で黄身をひと突きすれば、トロリとした味わいは、まるでそばボナーラ。


ズルズル、ハフハフ。ネギのショリショリもいとをかし。たぬき玉子にハズレなし。名無しはもったいないから「証城寺そば」がふさわしいな。


ごちそうさまでした。