今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 578)目抜け鯛の粕漬け焼き定食

 

 

フグの子粕漬け・糠漬け。猛毒をもつフグの卵巣を、粕漬け、糠漬けにすると毒が抜けるという。金沢に伝わる伝統食ですが、どうして毒が抜けるのかわからない。

 

まるで、なぜ光るのかわからないサイコフレーム状態。オーパーツのような珍味ですが酒のアテによいので、父のおこぼれに与っていた。フグの身バージョンもある。

 

幼い頃は、どこか酸っぱいような塩っぱさの糠漬け派だったけど、年をとるとまろやかな塩味の粕漬けもおいしい。鮭と大根の粕汁なんて、いくらでも食べられる。

 

さて、本日は目抜け鯛の粕漬け。メザシのように目がない鯛だろうか。調べると、深海魚なので釣り上げたとき気圧の関係で目が飛び出してしまうから、目抜けだとか。

 

アコウダイ、メヌケとも呼ばれ、メバルの一種らしい。世に多い、あやかり鯛の1つですね。鯛ではないけど、鯛を名乗っておけばなんとなく、箔がつくのは否めない。

 

やってきた目抜き鯛は頭がないので目抜けかどうかはわかりません。箸を入れると非常に身離れがよい。かなり肉厚で、酒粕の香りとほのかな甘みで、上品においしい。

 

少し醤油を垂らした大根おろしが似合います。オカズヂカラもあるけど、日本酒チビチビのほうが合うんじゃないかな。ともあれ、丁寧に三角食べをしつつ食事は進む。

 

ふと考えるのだけど、酒粕という名称は「酒を絞ったカス」感があって損をしてはいまいか。天かすを揚げ玉と言い換えたように、何か言い換えはないものだろうか。

 

まあ、おいしさに間違いはないので、その辺のプロモーションはもやしもんにでも任せておこう。粕漬けのおいしさを堪能していると、金沢がふと懐かしかなりました。

 

ごちそうさまでした。