キツネとタヌキ。もともと中国では狐狸といえばキツネのことで、言葉が輸入されたたとき、キツネとタヌキが1文字ずつ充てられたのだとか。
夜行性で人に懐かない動物というのは、畏怖の対象だったのだろう。キツネもタヌキも人を化かすとされ、おとぎ話にも登場するので、身近な印象がある。
とはいえ東京に暮らしていると、キツネもタヌキも動物園でしか見ない。タヌキは見かけた気がするけど、ハクビシンやアライグマだったかもしれない。
そんなキツネとタヌキがトッピングされたそばをムジナそばという。ちなみに、小諸そばには、とろろ&うずらの卵つきで「月夜のばかしそば」がある。
さて、だましあいうどん。サクサクの天かすがツユを吸う前に急ぎゴマをすり、とうがらしを振って、おろし生姜をのせる。慌てて箸を割り、ズルズルすする。
博多風の出汁がやわらかなうどんを包み込み、舌ざわりが楽しい。まだサクサクの天かすが口蓋に刺さるのもいとをかし。お揚げをかじれば、ほんのり甘い。
関東風の黒っぽいツユも好きだけど、黄金色のだしもやはりおいしい。とうがらしの刺激はもちろんのこと、生姜が溶け出すと、また風味が変わってうれしい。
階上には電車のホームがあるので、ガタンゴトンという発着音や電車の発車ベルがひっきりなしに聴こえる。急ぐ予定ではないので、しみじみ旅情を感じます。
関西では、揚げ玉はハイカラと呼ばれるとか。だからムジナ麺は存在しないし、だましあいなんて言い回しも出てこない。博多方面はどうなんだろう。
…フィールドワークに行ってみたいな。
ごちそうさまでした。