今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 806)冷し山形肉そば

 

 

かつてヒートテックのない冬があったとは信じがたい。バスケ部だった中学の頃、金沢市はかなり冷え込んでいたけど、どうやって過ごしていたものか。

 

ひと部屋ごとに灯油ストーブを置いたっけな。朝布団から出るのが本当につらかったはずだけど、あまり覚えていない。ヒートテック以前の冬の記憶が薄い。

 

今はヒートテック様のおかげで、冬の通勤のつらさが和らぎました。かえって電車の暖房で汗をかくようになり、札幌地下鉄の暖房なし方針が正しい気もする。

 

そんな通勤で汗ばんだ朝。券売機の前で、冬場はあまり食指が動かない冷やしコーナーを見つめる。たぬきも捨てがたいけど、冷し山形肉そばで涼をとろう。

 

ところで、山形は知る人ぞ知る麺どころである。米沢ラーメンや冷たいラーメンなどのラーメン勢のほか、そばツユに中華麺が泳ぐ鳥中華なんてのもある。

 

https://socius-lover.hatenablog.com/entry/2021/10/10/070100

 

鳥中華は明大前の高幡そばで食べたことがあるけど、甘みが強くて、非常においしかった。あと、山形麺で忘れてはならないのが、冷たい肉そばである。

 

「冷(つ)ったい肉そば」は、小川町にある河北やで食べたことがある。今でこそ暑いといえば熊谷だけど、かつては山形が日本一の記録をもっていた。

 

ゆえに、冷たい麺の取り扱いがうまく、涼をとるための工夫がバッチリです。朝は茹でたてを提供してくれるので、店内に流れるラジオを聞きつつ23分待つ。

 

やってきたのは、思ったより肉沢山で、海苔やネギとあわせてそばがみえないほどの充実した丼ぶりです。ワサビを溶いて、ネギをよけてそばをすする。

 

うん、よく冷えてる。やはり夏より冬のほうが水道水も冷たくて、キリリと締まってる気がするな。濃いめのツユに肉をつけこんで、しばらくそばをすする。

 

頃合いを見計らい、肉を口に放り込む。キシキシとした歯ごたえで脂は甘く、濃いめのツユをまとって予想どおりおいしい。七味をかませば心も体も燃える。

 

ほうれん草が彩り以上に嬉しい。朝イチだから茹でたてなのだろう、青くささも残っており、刻み海苔とともに香りをプラスしてくれる。しみじみシアワセ。

 

若いころ山形に行ったときは、お金もないし、何を食べたのか覚えていない。スマホでもあれば記録しただろうけど、記録も記憶もないのが我ながら情けない。

 

ともあれ、狙いどおり汗はひいたし、予想以上においしかったし、今朝の自分に悔いはなし。最新の自分が、最高の自分であるように、丁寧に生きていこう。

 

ごちそうさまでした。