今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 512)鯖味醂干し弁当

 

 

スーパーの鮮魚売り場を眺めつつ、何を食べようか考えるのは楽しい。旬の魚を確認しつつ、お刺身、煮る、焼く、蒸す、揚げる、炊き込む、〆る、など悩んじゃう。

 

そこに、干すという選択肢が加わることはない。干物は世界じゅうでつくられているけど、自ら干そうと考えたことがなく、熱海のお土産でもらうもの、といった印象。

 

まあ、自ら干さずともスーパーに干物は売っているし、最終的には焼いてしまえばいいわけで、避ける必然性もない。旅館の朝食で干物が出てきたら、頭からバリバリ食べるくらい好きだしね。

 

で、3種の日替わり弁当から鯖の味醂干し弁当を選ぶ。干物にすることで、保存もきくし、味つけにもなる。考えてみれば合理的な調理法ですな。照りの入った皮が美しく光ります。

 

まずは鯖を上下ひっくり返して、むっちりした身をほぐしとる。ひと口頬張れば、キシキシとした歯ごたえで、鯖の身の塩っけと味醂の風味で、オカズヂカラ抜群です。

 

醤油の容器もついているけど、そのまま食べたほうがおいしいや。冷えたごはんと食べていくと、おにぎりをほおばっているような錯覚に陥りますね。味噌汁をゴクリ。

 

煮物や昆布の佃煮など脇を固めるメンバーも実力者ぞろいで、最近の肉と麺に偏りがちなランチタイムを戒めてくれる。ゆっくり白米を噛むと、やはり落ち着きますね。

 

あらかた食べ終えると、鯖の皮とほぐれた身が残る。これでお茶漬けにでもしたら抜群においしいけど、今日のところは集めて食べるだけで勘弁してやろう。

 

ごちそうさまでした。