今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 871)朝のミニかき揚げ天そば in めとろ庵

 

 

ふだん特段気にならないのに、いざ失うとわかると急に惜しくなってしまう。そんな心理をひと言で表す単語はないものだろうか。正常性バイアスの一種かもしれない。

 

たとえば、閑古鳥が鳴いているから閉店する近所のラーメン屋さん。一度食べたっきりなんだけど、もう食べられないと思ったら行列に並んでまで食べてしまうような。

 

桜木町の老舗立ち食いそば屋である川村屋が、長い歴史に幕を閉じたらしい。こちらは後継者不足が理由だけど、Twitterをみると連日大賑わいだったようである。

 

私も一度食べたことがありますね。わざわざ出かけた桜木町で、あえて立ち食いそばを食べたのでよく覚えている。ふだん気にならないけど、なくなるのは惜しまれる。

 

https://socius-lover.hatenablog.com/entry/2021/12/05/070000

 

さて、長〜い前口上はともあれ、今朝はめとろ庵。4月から値上げするとともに、いか天、ちくわ天がなくなり、えのき天、わかめ天が加わったとか。意外な変更です。

 

いか、ちくわは、仕入れ価格の維持が難しいのかな。えのき天は物珍しいけど、去年のフェアが好評だったのかもしれないな。などと思いを巡らせつつ、今朝は朝そば。

 

さて、ミニかき揚げ。小ぶりな大判焼きくらいの大きさを持ち上げ、そばツユに漬け込んでガブリとかぶりつく。玉ねぎがかなり甘く、にんじんとともにサクサクである。

 

朝の立ち食い店はとても静かで、オジサンたちのズルズル音と店員さんの声だけが響いている。一人はこの春からの新人だろうか、先輩からいろいろと指導されている。

 

「温かいのか、必ず言って」「いただきましたをつけて」など。遠い昔の社会人デビューを思い出し、こちらも身が締まる。私が失ったのは、初心なのかもしれない。

 

ともあれ途中で七味をふって、そばを吸い込むように食べ、残るツユは塩分を気にしてひと口だけゴクリ。かき揚げのカケラを丹念につついては食べて、下膳する。

 

ごちそうさまでした。