甘辛いというとみたらし団子を思い出す。醤油と砂糖をとろ火で煮詰めると、とろみと照りが出てきて、なんとも艶がある。ここでいう辛いは、塩っぱいの意である。
濃いめの味噌汁を飲んで、皆んな「塩っぱい」と言うのに、ひとり「辛い」と辛いと言わせて関西人を炙り出すなんて、名探偵コナンでもあったけど、それと同じだ。
しかし、グリーンカレーの甘辛いは、われわれの理解の枠をはるか超えてくる。ココナッツミルクの練乳にも似た甘さと、各種スパイスの突き刺す刺激で、甘辛いのだ。
グリーンカレーというと、なんとなくタイのカレーという印象。正確にはタイのケーンという汁物のうち、辛いものを便宜的にグリーンカレーと呼んでいるらしい。
わかりやすいネーミングは大事ですよね。「辛そうで辛くない少し辛いラー油」は、絶妙なところを突いてきて、ベストセラーになりました。まあ、実際おいしいけど。
さて、グリーンカレー。しょっちゅう食べている気がするけど、このブログには初見参。自宅で食べるいなばカレーのグリーンの印象かな。ともあれ、大いに楽しもう。
巨大なナンに気圧されつつ、まずはスプーンでひと口味見する。ココナッツミルク独特のサンオイルのような香りがして、舐めてみれば甘い。そしてすぐに辛くなる。
みたらしの甘辛さは、砂糖と塩分が打ち消しあって0カロリー!とか言えるけど、この甘辛さは低カロリーではあるけど、決して打ち消しあうことのないベクトルです。
でもタイ王国に間違いはなく、非常においしい。サラサラのスープの具材は、ナス、たけのこ、鶏肉そして謎の草。おそらくパクチーだろうけど、食べてもわからない。
ともあれ刺激の強いメニューなので、合間に飲むラッシーの、なんとまあおいしいこと! サウナ後のビールには敵わないまでも、新たなマリアージュの発見が嬉しい。
ナンを千切っては食べ、千切っては食べ。謎の草パート2を食べると、やたらと辛くてむせこんだりする。最後にグラスの水をゴクリと飲めば、心も体もさわやかだ。
ごちそうさまでした。