今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 917)かけうどん(ひやなみ)

 

日本酒の温度管理は難しい。お燗をつけてこそ華やぐ香りを楽しめる銘柄もあれば、常温でゆっくりと味わうもの、冷やして料理と楽しむものなど、千差万別である。

 

温度が上がると、分子の動きが活発になって味が前に出てくるのだろうか。しかし、キリリと冷やされたものも、口の中でほどけるように味が広がり、実に味わい深い。

 

うどんのダシもまた然り。温かいダシは配膳前から香り豊かで、店じゅうを幸せな空気で満たす。一方で、冷たいダシを冷ますことなく、ゴクゴクと飲みたい日もある。

 

かけうどんと言いつつも、サービスの生姜と天かすを貰えば、実質ハイカラうどん。まずは生姜をとかす前にダシをしっかりと味わう。喉越し爽やかなダシは格別だな。

 

生姜を箸で撹拌して、うどんをツルツルとすする。ダシが冷たいからコシが強靭なままで、プチっと弾ける食感は讃岐うどんならでは。天かすもサクサク心地よい。

 

すると後客2人が無料トッピングを問われ「生姜だけで」と答えており、軽く驚く。タダだからというより、純粋においしいのだから、断る選択肢なんて信じられない。

 

天かすに親でも殺されたのだろうか、などと邪推するも、単に油っこいものが苦手なのかもしれないな。ともあれこちらは、終盤でもなおサクサクの天かすを楽しむ。

 

このダシは、ぬるくなってもおいしいだろうし、ペットボトルで売ってくれないかなあ。500mL200円くらいでどうでしょう。どこか商品化してくれないものか。

 

ごちそうさまでした。