初めて北海道の地を踏んだのが30年前。今はなき晴海ターミナルからフェリーで1日半揺られて苫小牧に上陸した。電車で札幌に移動すると、雪深さが際立っていた。
金沢も雪国だけど雪の質が違うし、札幌という都市部にこんなに雪が積もるのかと感心した記憶がある。ともあれ、名物の札幌味噌ラーメンが食べられない旅程だった。
旅行を仕切る先輩にごねると早朝から食べられるミスドに連れていかれ、ラーメンをすすった。あと札幌ではテレビ塔の前で冷たいメッツのガラナ味を飲んだくらい。
そんな悲しい思い出しかない札幌で、待望の味噌ラーメン。ラーメン博物館で食べたすみれもおいしかったけど、やはり本場で食べてみたい。そそくさとスマホで検索。
胃袋が小さくなっているお年頃、なるべく失敗はしたくない。地元なら鼻と野生の勘で探すけど、味噌ラーメン+駅名で検索したほうが、悔しいけれど、間違いがない。
で、ヒットしたなかから、駅近で評価の高い店をチョイス。すれ違うカップルが「おいしかったね〜」と言っていたので期待は高まる。碁盤の目の路地はわかりやすい。
つけ麺もあるけど、ここは王道の味噌ラーメンを。麺は細麺、中太、太麺から太麺を選ぶ。昼ビールも飲みたかったけど、熱中症も怖いし、缶ビールだったので見送り。
程なく厨房からバーナーの音が聴こえる。チャーシューを炙っているのかな、期待が高まります。マスクを外して水を飲むと、店に充満する味噌の香りがもうご馳走です。
やってきたのは、キレイな盛りつけで、キクラゲが意外な感じ。スープを飲めば、少しざらついて、味噌の旨みとダシの深みがクセになり、二口、三口と飲んでしまう。
太麺というと、稲庭うどん的な太さをイメージしますが、ちぢれた冷麦といったところ。スルスルすすると、ばっちりとスープをからめとり、ぷりぷりと喉越しがよい。
めんまのクニクニ、キクラゲのコリコリ、彩りながら存在感のあるネギなど、暑いなか食べてもサイコーです。むしろ汗ダラダラかきながら食べるのが楽しくすらある。
きっと札幌で食べているという空気感が、そう感じさせるんだろうな。大判のチャーシューを食べればバーナーの跡はなく、すると味噌を炙っていたのかもしれないな。
生姜の香りもバランスよく、スープを飲み干したい衝動に駆られるもこれからいろいろ飲み食いするので自重する。札幌の思い出を上書きしたところで、お出かけです。
本場のヒグマを見物
ごちそうさまでした。