今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 585)カツオの山かけ丼定食

 

ここ最近、日帰り旅行続きで浮かれ、明らかに食生活が乱れている。昼酒こそ自重したものの、旅のカロリーはかき捨てとばかりに、栄養バランスを顧みず食べてきた。

 

生活の乱れは、体型の乱れに直結する。今さらスリムになっても仕方ないのだが、スーツが着られなくなると懐具合に響くので、標準以上小太り未満はキープしたい。

 

で、日替わりの魅力ある揚げ物を避けてカツオ丼を選ぶ。しかも山かけとは珍しい。マグロ同様、カツオもしっかりした肉質なので、とろろと相性がよいかもしれない。

 

先日、東海林さだお氏がカツオ丼のことを「鉄よりうまい」から銀火丼と名づけたことを書いたけど、さっぱりした初鰹、脂ののった戻り鰹、ともにごはんに合うのだ。

 

やってきたのは、そう来たか!と膝を打ちたくなるようなビジュアル。雪のように広がる山かけと鮮やかな緑の大葉は、真冬のゲレンデのようで、見た目にも涼しい。

 

わずかに覗く赤いカツオが差し色となっており、真ん中に鎮座するたっぷりのおろし生姜も嬉しい。醤油を回しかけ、軽く撹拌したのち、縦に箸をさしこんでガブリと。

 

ほかほかごはんと冷たい山かけの対比が実に愉快。ツルツルと喉越しがよいので、よく噛まないと消化によくないな。漬けのカツオはしっかり味が濃く、ごはんが進む。

 

アチアチの味噌汁、酸っぱい茄子の揚げ浸しなど回りを固める脇役もいい働きで、ついつい早食いになりそうなところを自制心で食い止め、お茶を飲んでスローダウン。

 

それにしてもカツオの山かけとは、ありそうで思いつかない。この世はすべて自分の空想であるという哲学命題があるけど、とてもではないけど自分では思いつかない。

 

ともあれ、丼ものを食べておいてなんですが、ここ最近の食生活の乱れが少しはリカバリーできたのではないか。蛋白、ビタミン、鉄分、DHAよ、頼むぞ俺のカラダを。

 

ごちそうさまでした。