ここ最近、日帰り旅行続きで浮かれ、明らかに食生活が乱れている。昼酒こそ自重したものの、旅のカロリーはかき捨てとばかりに、栄養バランスを顧みず食べてきた。
生活の乱れは、体型の乱れに直結する。今さらスリムになっても仕方ないのだが、スーツが着られなくなると懐具合に響くので、標準以上小太り未満はキープしたい。
で、日替わりの魅力ある揚げ物を避けてカツオ丼を選ぶ。しかも山かけとは珍しい。マグロ同様、カツオもしっかりした肉質なので、とろろと相性がよいかもしれない。
先日、東海林さだお氏がカツオ丼のことを「鉄よりうまい」から銀火丼と名づけたことを書いたけど、さっぱりした初鰹、脂ののった戻り鰹、ともにごはんに合うのだ。
やってきたのは、そう来たか!と膝を打ちたくなるようなビジュアル。雪のように広がる山かけと鮮やかな緑の大葉は、真冬のゲレンデのようで、見た目にも涼しい。
わずかに覗く赤いカツオが差し色となっており、真ん中に鎮座するたっぷりのおろし生姜も嬉しい。醤油を回しかけ、軽く撹拌したのち、縦に箸をさしこんでガブリと。
ほかほかごはんと冷たい山かけの対比が実に愉快。ツルツルと喉越しがよいので、よく噛まないと消化によくないな。漬けのカツオはしっかり味が濃く、ごはんが進む。
アチアチの味噌汁、酸っぱい茄子の揚げ浸しなど回りを固める脇役もいい働きで、ついつい早食いになりそうなところを自制心で食い止め、お茶を飲んでスローダウン。
それにしてもカツオの山かけとは、ありそうで思いつかない。この世はすべて自分の空想であるという哲学命題があるけど、とてもではないけど自分では思いつかない。
ともあれ、丼ものを食べておいてなんですが、ここ最近の食生活の乱れが少しはリカバリーできたのではないか。蛋白、ビタミン、鉄分、DHAよ、頼むぞ俺のカラダを。
ごちそうさまでした。