今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 954)冷し越前おろしそば

 

福井名物というと、メガネが思い浮かぶ。しかし、正確には「鯖江市」名物であり、福井全体を代表するとはいえない。愛知名物をトヨタ車というくらい違和感がある。

 

福井には越前カニに代表される海鮮や、ソースカツ丼のような変化球もあるし、恐竜の化石が多く発見されることから、福井県立大学には恐竜学部が設置されるという。

 

そんな福井の人口はおよそ75万人。東京23区でいえば練馬区大田区と同じくらいである。京都に近いお土地柄とはいえ、多くの名物を求めるのは酷ではないか。

 

などと思いつつ、券売機で越前おろしそばを選ぶ。福井の県北地域でよく食べられるらしく、キリリとしめられたそば、たっぷりの大根おろしが夏によく似合いそう。

 

丼ぶりを受け取りマスクを外すと、カツオ節の香りにまずはニンマリ。ワサビをといてそばをすすれば硬めのワシワシ食感で、カエシよりもダシのきいたツユがいいね。

 

まぁるい大根おろしドラゴンボールくらいの大きさ。ひと口食べてみると、冷蔵庫に入っていたのか、かなり冷たい。辛みはさほどなく、全体にまぶして食べてゆく。

 

大根のタカヂアスターゼか、食べるごとに胃が洗われるような気がします。カツオ節や刻みのりの香りが大根の青くささを上書きして、具材の相性のよさがわかります。

 

そばを噛みつつ、福井に思いを馳せる。永平寺東尋坊などの名所やあわら温泉もあるし、鯖街道の出発地にもなっている。行きたいけど、首都圏からはあまりに遠い。

 

北陸新幹線が延伸されたら、いちど乗り潰しがてら行ってみようかな。あるいはサンダーバードがあるうちに、大阪から行くのもいいな。などというあいだに完食です。

 

ごちそうさまでした。