今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 955)かき玉そば

 

月見そばを食べるにあたり、「いつ玉子を食べるか」問題がつきまとう。えっ、そんなこと考えたこともない、という方もいるだろうけど、これは根が深い課題である。

 

黄身を満月、白身を白雲に見立て、最後まで月見を楽しむ人もいれば、さっさとかき混ぜて全体を薄黄色の朧月にする人もいる。どちらも、自らの風流に従っている。

 

私などは白身を先に飲んでしまい、後半になり熱の入った黄身をそばに絡める派である。みんなちがって、みんないい。思い悩むくらいならば、かき玉でいいじゃない。

 

かき玉そばは、あらかじめ丼ぶりが大きな満月状態で、どこから食べても均質な味わいとなる。やってきたのは漆黒の餡かけツユに、黄色い真ん丸な月が浮かぶひと品。

 

そばをすすれば、甘いあんかけがよくからむ。ふうふう、はふはふ、熱気を逃すのに口の中が忙しい。水菜はシャキシャキで、短冊状のかまぼこがアクセントとなる。

 

新そばの季節だけど、これだけ熱くて味が強いと、果たして新そばかどうか定かではない。もちろん、ざるそばで食べたとて、私が新そばを判定できるかは微妙ですが。

 

ごちそうさまでした。