B級グルメも一周したのか、最近はざっかけない町の立ち食いそば屋までテレビで紹介されるようになった。ドランクドラゴンの塚地さんなんて、番組までもっている。
佐藤栞里さんの立ち食い好きは有名だし、バナナマンの日村さんも町散歩ロケで立ち食いを訪れている…ついに時代に追いつかれたか、と勘違いしつつノレンをくぐる。
こちら豊しま、先日飯田橋店が塚地さんに紹介されたようで、愛好家としては嬉しい限り。コロナ禍をこえても、リモートワークで立ち食いそば受難の時代ですからね。
豊しまは「是れはうまい!」のコピーでおなじみの肉そばが有名で、元祖厚肉そばは立ち食い界のラーメン二郎のような威容を放つ。おいしいけど、朝食にはチト重い。
で、食欲と胃腸の妥協点で肉玉そばなぞ。現金払い、スツールなしのストロングスタイルの立ち食いそばは、やはりたまに食べておかないと、カラダがなまる気がする。
まずは熱いツユをゴクリ。カエシが濃くて塩っぱめのツユに、肉から旨みがしみ出してデラぜっぴん。七味を多めにふって、ツユが濁る前に白身をツルリと飲み込む。
これまた熱いそばで黄身をくるんで熱を通すあいだ、ズルズルとそばをすする。時折り飛び込んでくる揚げ玉が楽しく、ひらひら豚肉をかじれば、なんと脂が甘いこと。
いつ食べてもおいしいけど、やはり冬の早朝が格別だな。などと枕草子のような感想を抱きつつ、食事も後半。少し熱が入った黄身を箸で割り、そばにからめてゆく。
濃厚な黄身とそばツユが醸し出すコクがたまりません。半分残るひらひら肉を、そばとともにすするように食べ終えるころ、お腹から体が温まって、元気が出てきます。
ごちそうさまでした。