今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 35)朝ベジカレーセット

f:id:socius_lover:20190424074037j:plain


イチローもすなる、朝カレーといふものを、オジサンもしてみむとてするなり。


連休ボケの心身にムチを入れるべく、かなり前に話題になった朝カレーを食べる。まあ早々にイチローはやめてたらしいけど。


胃酸過多のオジサンとしては、夜にカレーを食べて睡眠時に胃液の逆襲を喰らうよりも、朝カレーのほうがいいのカモ。


駅近くの立ち食いカレースタンドは朝早くから行列が絶えないし、なるほど需要は底固くあるのだな。


でもまあ、せっかくなので座りたくて、ココイチへ向かう。さすが眠らない街新宿、ココイチも眠らないのだ。


朝カレーセットは、ご飯が通常の半分の 150 グラム。それにミニサラダとドリンクがついて 420 円は悪くない。


待つことしばし、ミニサラダ到着。ドレッシングはランチタイムと同じく 3種から選べるのが嬉しい。当然にノンオイルを選ぶお年頃。


ウーロン茶はサントリーのペットボトルから注ぐのがみえるのもご愛嬌。ウーロン茶はサントリーのコト、アラフィフにはかえって嬉しい。


さて、やってきたカレーは小さくてもしっかりココイチ。いつも通りの我流のお作法で福神漬を添え、とび辛スパイスをふりかけ、ソースをひと回しして完成。


くるりと皿を回し、ご飯を右、ソースを左にしていただきます。


うん、期待通りの間違いのない味。ザ・日本のカレーって感じで、頼もしい。福神漬は甘く、ザラっとしたとび辛スパイスはソースで溶かし込む。作戦通りに食事を進行。


これで 400 kcal あまり、塩分 2gなら福音だな。ふだん食べてる朝そばに比べても遜色ないというか、むしろヘルシー。


ただ、朝からカレーは汗をかく。まだおネムのカラダを無理やりスパイスで叩き起こしたからかな。


水を飲んでも、舌の奥にしっかりと辛味が残る。でも、たまにはいいな、こんな朝食も。しっかりとムチ打たれました。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 70)カップ焼きそば

f:id:socius_lover:20190407120222j:plain


焼いてない、茹でてもいない、ふやかした麺。それにソースをまぶして出来上がり。なのになぜ、焼きそばを名乗るのか。


ソース焼きそばの本領は、ソースの焦げた匂いにあると思うんだけど、カップ焼きそばにはそれがない。


それでもヒトの心を鷲掴みにするのはなぜなのか。チープな味に身を任せるスリルが、その理由じゃなかろうか。


カップ焼きそばはやたらお湯をつかう。そのうえ食べる前には湯切りして捨ててしまう。


それゆえ学生の頃、皆で集まったときなどは、お湯の配給順を後回しにされたっけ。懐かしい思い出。


家族が出かけたあと、密かにお湯を沸かして待つこと3分、ベコっという流しの音こそがカップ焼きそばの醍醐味です。


いつの間にやら、湯切り装置は改良されており、麺がドバドバの悲劇はもはや起こりえない。進歩とみるか、堕落とみるか。当然前者だけどネ。


しっかり湯切りして、蒸気を飛ばしたのち、液体ソースを回しかける。ソースの匂いが鼻腔をくすぐり、思わず頬がゆるむ。


かつて粉末ソースが主流だった頃は、あえて湯切りをあまくしてソースのなじみをよくしたもんだ。


たまにある味のムラ、濃い部分が好きだったな〜などと思いつつ丁寧にかき混ぜる。


さて、部屋じゅうに広がる幸せな匂いに包まれながら、スッスッと麺をすする。あたかもソースを飲んでいるような禁断の味に、ビールも進む。


ちなみに、カップ焼きそばはネーミングの由来も個性的で面白い。


ペヤング=ヤングがペアで食べて欲しい

UFO=うまい、太い、大きいの頭文字

一平ちゃん=平成で一番になるように


なるほど、一平ちゃんは今後どうするんだろう。とか思っているうちに麺はみるみるなくなる。


具材はアクセントにはなるけど、さあ味わってやろうかと気合いを入れるほどではない。それゆえ箸のスピードをゆるめる間もなく、完食に向かう。


うん、おいしかった。これほどビール力があるとは、見直したぞ、カップ焼きそば。


ただし、部屋じゅうに広がる匂いは、換気扇では心もとなく、夕方には隠密行動が家人に知られることだろう。


でも、あえてファブらないのがカップ焼きそばとの約束だ。


ごちそうさまでした。


おさんぽ大王(砧公園〜大蔵運動公園)

f:id:socius_lover:20190505122349j:plain


お散歩日和の朝、ふらりと用賀駅に降り立つ。馬事公苑や砧公園、どこへ行こうかな〜と地図も見ずに歩いているうちに、環八へとたどり着く。


f:id:socius_lover:20190505122414j:plain


馬事公苑は方向違いになったので、砧公園を目指す。もともと米軍のゴルフ場だったという敷地は広大で、新緑が気持ちいい。


f:id:socius_lover:20190505122511j:plain


少し歩くと盛り土がある。古墳ではなく、中世の祈祷に使われたものだとか。娘たちが小さい頃、ここを登っては駆け下りて遊んだっけ。そういえば、ここでカブトムシも捕まえたな。


f:id:socius_lover:20190505122548j:plain


売店では「きぬた焼」を発見。砧の地名はタヌキからきたなんて俗説もあったっけ。


f:id:socius_lover:20190505122614j:plain


ともあれ、以前はなかったよな、きぬた焼。ちょうど店があいたのでおひとつ試す。いわゆる大判焼きだね。あんこがさっぱりしておいしいけど喉がかわきそうだ。


f:id:socius_lover:20190505122809j:plain


世田谷美術館はあまりそそられる展示ではなかったのでスルー。中央のファミリー広場を見渡せば、おじいさんの甲羅干しが目につく。朝からご精勤ですな。


f:id:socius_lover:20190505122839j:plain


芝生広場を横断すると吊り橋が見えてくる。世田谷とは思えぬレジャー感にウキウキしながら渡る。グラグラ揺れるのが楽しいなあ。


f:id:socius_lover:20190505122904j:plain


春は花見客であふれる広場も、この季節は人もまばら。枝を南に伸ばしたうえで、さらに垂直に枝を伸ばす木を発見。植物の生きる意志の強さに感心する。


f:id:socius_lover:20190505153555j:plain


砧公園を抜けると大蔵運動公園に着く。東京五輪で米国のキャンプ地になるとかで、陸上競技場は工事中。来年だもんな、早いもんだ。


f:id:socius_lover:20190505153626j:plain


遊具に並んで蒸気機関車が並ぶ。「これは動かないんだよ」と子どもを諭すお父さんが微笑ましい。この C57 の走行距離は地球と月を4往復半だとか。この大きな鉄分が動いていたと思うだけで楽しい。


f:id:socius_lover:20190505153658j:plain


今日はこどもの日なんだね、鯉のぼりが大空に舞っている。自分の子どもが大きくなると、こういうイベント勘がなくなるな、注意しないと。


f:id:socius_lover:20190505153724j:plain


さらに歩くとアスレチック広場。昭和、平成を生き抜いたであろうリスがお出迎え。レトロな味わいに涙する。


f:id:socius_lover:20190505165102j:plain


そのあと、ちょっとかわいそうなフグの蛇口を発見。なぜ、フグの意匠なのか?  ともあれ、ひねってみると水が出てきて、コイツ動くぞ、とニヤリ。


f:id:socius_lover:20190505165143j:plain


切り立った国分寺崖線を降りれば、七人の侍の撮影の舞台ともなった仙川に着く。遠くには知る人ぞ知る「回る大仏」ことおおくら大仏がみえる。


f:id:socius_lover:20190505165248j:plain


以前も近くまではきたけど、せっかくなので立ち寄ってみる。ちょうどお参り中にすこーしだけゴゴゴと回りました、なんの微調整なんだろうか。

ともあれ、車通りの多い道路を見守ってくれています。


f:id:socius_lover:20190505165858j:plain


世田谷通りを渡ると東宝スタジオ前では相変わらずゴジラの壁画が周囲を見下ろしています。奥のほうには七人の侍の壁画もありました。


かつての映画人たちを思いつつ、散歩終了。急坂を登り、成城学園前駅へとたどり着く。


午前中とはいえ、日差しが強かったので、ノドがカラカラ。熱中症防止に水分とって、柏餅買って帰りましょ。


いい散歩でした。

麺喰らう(その 69)肉そば

f:id:socius_lover:20190430100316j:plain


散歩というのは目的をもたないのがいいのであって、ゆえにコースは不定、着の身着のまま、気の赴くままに歩くそれが醍醐味。


朝ごはんがトースト半分だったこともあり、少々物足りず、駅前でウロウロと店を見繕う。牛丼や喫茶店のチェーンが目につくねえ。


そんななか、老舗のそば屋さんをチョイス。立ち食いライクなつくりだけど、イスが置いてある独立系そば屋さん。


入り口に貼られた雑誌の切り抜きに従い、名物らしい肉そばを注文。

水を飲みつつ待っているとカウンター越しに「揚げ玉いれますか」との声がかかり、お願いしますともちろん即答。


朝はやいからか客足はまばら。先客も帰ったので私ひとり。ゆるやかな時間を過ごしていると、できました肉そば。そそくさとカウンターに受け取りにいく。


日本そばにチャーシューがのったビジュアルには意外と違和感なく、むしろナルトが欲しいな、などとラーメンに寄せたくなる。


さて、能書きはともあれいただきます。うん、カイワレ、ネギはシャキッとしておいしいね。揚げ玉もしっとりとしてうっとり、これを入れない選択肢が考えられない。


さて、メインにいく前に七味をひとふり。味に深みと規律を加える。チャーシューは正調の肉巻き。日本そばとの違和感はなく、ツユに豚肉の旨みをもたらしてくれる。


店内は相変わらず私だけなんだけど、食べている間もひっきりなしにお持ち帰りコーナーで稲荷ずしやオニギリが売れている。地元に愛されるいい店だねえ、こっちまで嬉しくなる。


あっという間に食べ終えてグラスの水を飲み干し、丼ぶりをカウンターに戻す。テーブルをひと拭きして、レジにてお支払い。


実においしかった、この味と量なら毎食間にはさめるネ、などと漢方薬のようなことを思う。さて、散歩の仕上げにもう少し歩いて帰ろう。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 68)肉じゃがそば

f:id:socius_lover:20190429090858j:plain


箱根そばは、たまに攻めてくる。

夏場の豆腐一丁そばは有名だし、季節ごとのキャンペーンでスレスレを突いてくる。


そんな箱根そばを通りがかりに、肉じゃがそばのポスターをみかけ、吸い寄せられるように入店。お好み焼き風カツ丼にもひかれたけど、散歩のオヤツにはちと重い。


みれば男爵いもがゴロリのビジュアルはかなりのインパクト。そばに肉じゃがをのせただけですが、何か?  という潔さ。名は体を表すメニューだな。


勝手知ったる箱そばのツユも、肉じゃがのツユできもち甘みが強く、七味を多めに散らす。


肉じゃがをいきなり食べるのはなんか意地汚い気がして、まずはワカメをつつき、そばをすする。


さて、勢いづいたところで、ジャガ芋にとりかかる。えいっと箸で割り、ガブリとやればホクホク、アツアツ。味はそれほど染みておらず、断面にそばツユを吸わせておく。


丼ぶりにはそのほか、グリンピース、にんじん、ぶた肉などが陣取るも、不思議と違和感はない。


和食どうしの親和性なのかね、いやむしろカレー南蛮のカレー抜きに近いのかもしれない。


スルスルと食べ進め、最後のお楽しみにそばツユがしみたジャガ芋にパクリとかぶりつく。おいしさ、倍増してるネ。


肉じゃがそば。ありだけど、日常的には食べないかなぁ。それこそキャンペーンで見かけたから、食べておくか〜的な。マックの月見バーガーのような巡り合わせのひと品だネ。


思ったより腹くちくなりました。散歩ももう少し頑張らないと、カロリーオーバー不可避なり。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 67)ラーメン

f:id:socius_lover:20190503161922j:plain


連休中は遠出するでもなく、家族で買い物したり、外食したりするのが娯楽。


お昼に入った「回っているようで回っていない、でも注文品だけ回っている寿司屋」は、おいしいけどお高い。


1皿で日常ランチタイム1日分のお値段だと、ついつい緊張する。家族にはたくさん食べな〜と微笑みつつ、胃が汗をかくような感覚。


何というか、フトコロ具合の心配ではない。たまの贅沢なんだから、まあいいのだ。むしろ、日常に戻ったときの感覚の麻痺が怖い。


で、何となく遠慮がちになり、満腹で喜ぶ家族を尻目に腹八分目で退却。つくづく自分の小市民感がイヤんなるナ。


で、帰宅後スーパーへ向かう途中、連休に頑張るそば屋に立ち寄る。個人店の応援ではなく、単に小腹がすいたのだ。なんか、本末転倒な話だね。


ともあれ、何てことのない、街のそば屋のラーメンは貴重になってきた。


どこも代がわりに失敗したのか、街のそば屋はすごい勢いで減っている。時代の流れには抗えないけど、せめて舌で記憶せねばなるまい。


さて、こちらはいかにも支那そばといった趣き。四の五の言わず「ラーメン」といったネーミングも潔い。関東在住なら、だいたい思い浮かべるのは、こんな感じといったラーメン。


鶏ガラスープのしょう油味。具はホウレンソウ、ネギ、ナルト、メンマ、チャーシュー、ノリ。


これ以上足さない、引かない、これでいい。どこかそばつゆのカエシのような味がするのが嬉しい。


そば屋のラーメンというのは、そばと共通の具材も多い。こう、そばのついででやってるからネ、凝ったもんが食べたきゃ専門店に行ってネ。といった気概がちらほら見え隠れ。それがいい。


ラーメン用にわざわざ用意したのは、メンマとチャーシューくらいかな?  メンマは水煮っぽく繊維質がホロホロ、チャーシューは脂身が甘いタイプ。こういうのでいいんだよ。


いや、ラーメン大賞とか、気鋭の新店とか、雑誌やネットでみるのは好きだし、通勤動線にあればなるべく立ち寄るんだけど、シンプルというか基本があっての応用だからね。


地味な人がいるから美人が目立つ?  いや違う。月見草とヒマワリ?  うーん、例えが難しいけど、こういうのでいいんだよ、と繰り返さざるをえないかな。そうだな、毎日のみそ汁のような感覚に近いナ。


ともあれ、これで小腹は満たされた。丼ぶり1杯でお昼の高価な1皿とほぼ同じお値段。うん、日常回帰へのリハビリとしても優秀な1杯ですね。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 34)自家製五目豆ハンバーグ

f:id:socius_lover:20190416004019j:plain


若人の食欲たるや、どこにカロリーが消えゆくのか不思議なほど。育ちざかりは食べざかり。うれしい悲鳴です。


最近では肉類が食卓にないとあからさまに不平不満をもらすわが家の姫君たち。

わが家の夕餉は肉類が必須。


とはいえ無尽蔵にひき肉を買いつけるわけにもいかず、苦肉の策で冷蔵庫に眠るフジッコのお豆さんでカサ増し。豆のダシが味のアクセントになることでしょう。


塩コショウやナツメグなどは入れず、ひき肉とお豆さんをひたすらこねて、丸める。チベタイ。


でも、なんというか、ドロ遊びにも似た楽しさ。


そして濃いめの鶏ガラスープ少々で蒸し焼きに。肉汁があふれ出ようと気にしない。フライパンの中が旨みの蒸気で満たされます。


途中で加減をみながら、水っ気が少なくなったところで、コロコロとひっくり返してまた蒸らす。平たくすると一度に並べて焼けないのだよ。


さて、すっかり焼き上がったら豆バーグを取り出す。残った肉汁に、ケチャップどばどば、ウスターソース、しょうゆ少々、タバスコ 2滴。濃いめに煮詰めたタレを豆バーグにペトペト。


店で出したら怒られそうな、中まで火のしっかり通った豆バーグ。


うちの親に限らず、昔の人は赤いところが残っているのは、ダメ!  ゼッタイ!  でしたからね。なんか、呪縛のように守ってしまう。


ほんの少しピリ辛なタレは、まぁるい肉の弾力に負けない強さでビールが進む。


お豆さんたちも、味はもちろん食感もいいアクセントです。当たり前だけど、ご飯も進むようで、豆バーグはものの数分で消えてなくなる。


12 機のリックドムが?  と動揺するコンスコンのように、ひき肉だけで 500 グラム超のハンバーグが?  と大いに慌てて、うれしい悲鳴をあげる。


育ちざかりに食べられたならあきらめもつく。私が食べても横にしか大きくならないわけで。


今度は600 グラムかな〜、これ以上豆を増やすと、うまくまとまらないしな〜。


などと幸せな悩みを抱えつつ、夜は更けていく。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 66)チャーシュー麺

f:id:socius_lover:20190407120458j:plain


チャーシュー麺を食べる。そう決めたとき、男はロンリーワイルドになる。


途端に眼光鋭く、カカトでアスファルトを鳴らし、肩で風を切る。肉と炭水化物、それだけで OK


野菜?  あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのです


などと、日ごろ生活習慣病に怯えるおじさんとは思えぬ断固たる決意。たまにはいいだろう、を隔週くらいで実行するコンニャクの意志。


さて、こちらはチャーシュー麺で有名な新宿の名店。食券機にアルコール類がないあたりに老舗の矜持を感じます。1550 円、桁の数字に恐れおののきつつ、カウンターにて到着を待つ。


なんでだろうか、カラダに良いわけはないのに、ときどき無性に食べたくなるチャーシュー麺


左右を見回せば、男ばかり。カウンターも、厨房も、待ち客も男ばかり。そうか、お前たちもロンリーワイルドなんだな。


などと勘違いしているあいだにやってきましたチャーシュー麺


大きな丼ぶりにナミナミと注がれたスープ、こぼれないようカウンターからそろそろと下ろす。では、悲願成就でいただきます。


こちらのチャーシューは、大ぶりなことで有名ですが、まさに肉塊と呼ぶにふさわしい。


奥にはみ出したのをうかつに動かすとスープがあふれそうなので、まずは手前から麺をつるり、スープをゴクリ。


麺はクセのない中華麺、スープは和食にも通じるようなあっさり味でゴクゴクいけそう。


でも、巨大なチャーシューのために胃をあけておかねばならず、スープはほどほどにする。


しっかし、チャーシューのぶ厚いこと。手前の2枚もサービス満点だけど、奥のは「枚」ではなく「個」と数えねばなるまいて。


チャーシューに喫水線があるのは不可思議ですが、スープの下に潜む船体もとい肉塊は3センチはあろうかという厚み。超弩級と呼ぶのがふさわしい。


いつもならタイミングを悩みつつ食べるチャーシューなのに、今日は麺、肉、麺、肉と食べ進めても全く揺らがない肉のパラダイス。


アゴが疲れるラーメンなんて、しあわせのかたちそのものですね。


激しい戦いを終え、男の腹は満たされた。鉄を食え飢えた狼よ、死んでもブタには食いつくな。なんて尾崎の叫びも届かぬ中年腹。だが、それがいい。私がスリムになったところで、誰も得しない。


ノドが渇いたものの、麺と肉で水の入る余地がない。ここまで腹くちくなると一駅歩こうなんて殊勝な心がけもなくなる。まんぷく問題は時間が解決してくれるだろう、しばし待て、ノドよ。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 33)自家製マグロのあっさり漬け

f:id:socius_lover:20190416010759j:plain


スーパーを歩くと、ついつい余計なものを買ってしまう。おトクなのだから買わねばならない、半ば強迫観念のような邂逅。


おっ、キハダマグロが半額か、これは買いだな。ホントに買いかな、とりあえず一周してみよう。


カレーも安いけど、この前ランチで食べたしな。うん、いい陽気だしさっぱりしたものがいいな。


おっ、キハダくん、待っていてくれたんだね〜。ちょっとスジっぽいし、消費期限も今日までだから、漬けにしようかな。


醤油をふた回し、みりん・お酒をひと回し半。目分量でフライパンに入れ、火を入れてフランベっぽくアルコールを飛ばす。


裸火が見えると、料理してる感があがるな。


あとはフライパンに氷を 5個放り込んでおけば適度に冷める。


f:id:socius_lover:20190416010911j:plain


熱伝導がいいので、そのままマグロのサクを入れ、ときどき裏返して30 分ほどで漬けこむ。


生醤油をちょこんとつけるのもいいけど、たまに食べたくなるんですよね、漬け。


今日はマグロだけど、サーモンやタイでもおいしい。角がとれたまろやかな味になって、オカズとしても優秀です。


サクを切って、端っこは味見がてらパクリ。うん、いい具合に軽く漬かってる。


ツマに盛り付け、仕上げに残った漬け汁をさじでまわしかけて完成。おお、テリテリで、色味もよくなった気がするな。気のせいかな、自画自賛かな。


ご飯に合い、ビールにも合います。

もし残れば、だし茶漬けにしようと目論んでいましたが、育ちざかりにかかると瞬殺。

売れたのは嬉しいけど、もう 2切れ食べたかったな〜。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 65)たぬきうどん+ミニパンチ

f:id:socius_lover:20190417194310j:plain


カカシのマークでおなじみの山田うどん


いや、なじんでないという人も多いのか、多いよね。埼玉県を中心にロードサイド店でおなじみの山田うどん。こう言ったほうがいいんだろうな。


さて、わざわざやってきました、山田うどん


都内某所の最寄り駅を降りた客は私を含めて2人。我ながら奇特なことと思いますが、食後の腹ごなしにお散歩でもしようという心づもりです。


休日の朝早く、店内は客もまばらでカウンターに腰かけてメニューを開く。


まずはシンプルにたぬき、それも店名にあわせてうどんにしよう。それから名物という煮込み、その名もパンチを注文。


小さい頃、西武沿線でよくみかけたなあ、山田うどん。都下とはいえ、歩けば 10 分もなく埼玉だったもんな、あの辺り。

刷り込みでナショナルチェーンだと思っていたけど、そうでもなかったんだな。


などと考えていると、ほどなくやってくるわが朝食。働きもののお婆ちゃんが運んでくれました。


まずはうどん。なんというか、ザ・家庭の味のようなうどん。


袋うどんを家でゆがいて、ダシと醤油とみりんで味つけした、日曜日の昼下がりのような味。個性のなさがどこか懐かしい。


だが、山田うどんはそれでいい。


お楽しみ、名物パンチもいただきます。

もつは臭みも少なく、噛めば噛むほど味が出る。針生姜かと思っていたらメンマですね、こちらも味を主張して、コリコリ食感もいい。それらの味がしみてるコンニャクもいいネ。


これはうどんよりライスが合うな。なんならビールも合うけど、まだモーニングタイムだし… などと悶えるアラフィフの幸せな悩み。


うどんもパンチも七味をかませば、また味のステージが上がりました。交互に食べ進めるうちにあっという間に完食。店内には定食メニューも多く、普段使いの半径にないのが惜しまれます。


店を出たあと、お婆ちゃん店員さんに貰ったサービス券をみれば、クリームコロッケ無料券。期限内に再訪できるかな、魅力的だけど交通費のほうが高くつくな。


ごちそうさまでした。


さて、曇りがちだけど涼しいし、ひと駅くらい歩いてから帰るとしますかね〜と街道沿いを行けば程なく日野市に入る。


すると「日野市は新撰組のふるさと」的な看板が立っている。大河ドラマの頃の看板かな?  面白かったな、新撰組‼︎


この辺はたしかに土方歳三の生まれ故郷ではあるけど、新撰組自体にゆかりがあるのは京都、譲っても市ヶ谷あたりじゃないだろうか。近藤勇は調布だしね。


まあ、言ったもん勝ち、燃えよ剣を読んで以来の土方ファンとしてはオーケーです。


さて、10 数分も行けば平山城址公園入り口の看板が。


城の造りの区分としての平山城ではなく、平山季重の居城だったから平山城。源平騒乱期の人物だとか。不勉強で、よく知らなかった。


案内通り道を行けば、いきなり坂。 iTunes を操作して BGM をドラクエ III にして気分を盛り上げる。


f:id:socius_lover:20190430063748j:plain


貧困なボキャブラリーだけど、勇者ヨシヒコで山賊が出てきそうな道、というのが一番しっくりくる。私鉄を下車して5分で山道ってすごいな。


f:id:socius_lover:20190430064038j:plain


しばらく行けばいったん住宅街、なんか天空城入口みたいな階段を登ると、ようやく公園に。雰囲気に合わせ BGM をドラクエ Ⅳ に切り替える。


f:id:socius_lover:20190430064508j:plain


登ること 15 分、息が軽くはずむ運動量です。景色は最高、ただし古い城の遺構だから、戦国期のような石垣とかそういうのはなし。ただただ平山氏の栄光に思いをはせるのみ。


まあ、地名としてその名を現代にまで刻んでいるわけで、そういう意味では成功者ですよね。


トヨタなんて、早いうちに企業城下町を築いて地名となりましたが、比べるのはヤボ。あちらは世界のトヨタ、こちらは京王沿線。


さて、せっかくなので自然と景色を愛でて、下山しよう。


f:id:socius_lover:20190430064725j:plain


いい散歩でした。