今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 95)豚ロース味噌焼き定食

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野菜が食べたい、時おりそんな欲求に支配される。


歳をとったからだと言われればその通りだけど、カラダの欲求には従ったほうがいいだろう。


しかし、野菜はお高い。天候不順や輸送コストの上昇もあり、じわじわと価格が上がっている。


個人的には、農家に還元されるなら数パーセントの値上げはやむなしと思うけど、定食屋さんはそうもいかない。


少し仕入れが高くなったからといって、ちょこちょこ値段を変えるわけにもいかない。


といって量を減らすカントリーマアム作戦も、オジサンたちの目はごまかせない。


そもそも、野菜たっぷりのランチというのはオジサン一人では、はばかられるような女子向けの店に多い。我々にはせいぜい肉野菜炒めくらいか。


ともあれ、中華か、サラダか、脳内地図を展開の結果、洋食屋さんを選択。そこそこサラダがついてきた記憶がある。


普段はメインの肉も今日は付け合わせ、メニューを一瞥して豚ロースの味噌焼きを選択。家ではつくらなさそうなメニューだし。


フリードリンクのコーヒー、ブレンドモカがあるけど、なんとなくモカを淹れてしばし待つ。違いがわからないオトコです、はい。


やってきたランチは程よいサラダ量。そうそう、これくらいは食べたいよね。


うっすらとドレッシングのかかったサラダをひと口、ふむ、清涼感。


いくらか食べたのち、豚にかかってるみそダレをまぶしてみると、なるほどおいしい。豚ロースも楽しみだな。


サラダは冷たさってのもごちそうのうちで、トマトが歯にしみる。これこれ。


あとはサラダを豚肉で巻いてパクリ、うん、期待通りのおいしさ。ご飯に豚肉をワンバウンドさせてパクリ、タレのついたご飯をかきこむ。


ご飯は甘みが出るまでよ〜く噛んで、みそ汁でサラサラと流しこむ。ご飯、オカズ、みそ汁の三位一体、ジェットストリームアタックに大満足。


ところで、この味噌タレ。甘くて、ピリ辛で、もつ煮込みにと通ずる味で、たまらんです。結局は肉か、と言われればその通りですけど、野菜不足を気にするお年頃でもあるんですな。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 94)朝まぜごはん牛小鉢定食

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今朝は卵かけご飯が食べたい。そうすると、松屋なか卯あたりが候補にあがる。


いずれも捨てがたいけど、目の前の信号が青なので、スタスタ渡ってなか卯を選択。

なんというか、甲乙つけがたい選択をするときに、信号とか、次通る人が男性とか、そんな偶然に委ねるのも気が楽でいい。ない知恵は勿体ぶるのだ。


まあ、たかが朝ごはんだしね。

いや、されど朝ごはんですけど。


ともあれ、なか卯の券売機を前に、一刹那考えて朝まぜごはんを選択。卵とオクラとおかかをかき混ぜてご飯にオン、というお作法かな。


さらに牛小鉢もつくんだから、二段階で楽しめそうだとほくそ笑む、ニヤリ。


ところで、オクラっていつのまに人口に膾炙したんだろうか。


断面が星形でキャッチーなのをウリにして、七夕ソーメンのお供に、なんてチラシをここ数年見かける。


でも、私は大人、それも30 絡みになるまでになるまで知らなかったナ。親の影響もあるんだろうけど、生活半径になかった気がする。


ともあれ、おかかの小袋を開け、所在なげなオクラに振りかける。


これだけだと、正直食指が動かないけど、卵と醤油とともにかき混ぜると途端に活気づく。


よっしゃ、食べたろかい。なぜだか勢いづいて、混ぜ混ぜを丼めしにのせて、やおら食べ始める。


うん、オクラの青臭さとおかかの香ばしさが合うのね。卵はすっかり他人行儀で丼ぶりの底に沈んでいき、風味だけ、おかかオクラに残る感じ。


タネをすりつぶすがごとくよ〜く噛んで、安定のダシのきいたみそ汁で流しこむ。おっ、ナメコだね。とろみが心地いいナ。


すっかりハゲ山になったご飯には、牛小鉢をのせて、紅ショウガを添える。なか卯は長ネギやシラタキが入っていて、すき焼きっぽいのがいいね。


牛小鉢がオクラのあとの主役をバリバリにこなしてくれます。


何というか、ガンダムマークIIのあとのΖガンダムのように、むしろオレがメインだろ?  といった風格に満ち満ちている。


底にたまった卵とあわせ、つまるところはミニ牛丼ツユだく。モリモリとかきこんでは、具なしのみそ汁でサラサラといただく。


気づけば丼ぶりは空っぽ。脇にあるおかかの空き袋が、おかかオクラを忘れないでね、と主張している。


忘れないよマークII。お前もアーガマに帰りたいんだよね?  って何の話だ。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 93)シャキシャキレタスサンド&グリーンスムージー

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血圧が高いと、塩分を控えたほうがいいそうで。健康でも1日10グラム、高血圧なら6グラムが目安だとか。


なんでも血液中の塩分(正確にはナトリウム)濃度を一定に保つために、塩分が多いとそのぶん血液量を増やして、律儀に濃度を薄めるらしい。


血液量が多くなれば血管というホースは膨れあがるし、押し負けまいと硬くなる。動脈硬化になれば、脳や心臓へと血がうまく流れなくなる。


あな、おそろしや塩分。その辺の牛丼食べただけで6グラムとかになるのよ、これが。ラーメンとか汁まで飲んだら1日分の塩分ですよ。


しかも、よくみるナトリウム表記は、さらに2.54をかけないと塩分量に換算できないんですって。いやーねー奥さま、いや、誰に語りかけてんだ。


一方でカリウムが塩分排泄に役に立つらしい。おっ、それならカリウムサプリとか飲めばトントンじゃんと思いつく。


でも血中のカリウム濃度が高くなると不整脈を起こすし、腎臓にも負担がかかるので、そんな魔法のサプリは売ってない。


地道に、野菜や果物をコツコツ食べるしかないんだよね、コツコツ。和食は塩分多くなりがちなので、たまにはパン食なぞ試みる。


こちらのサンドのナトリウム量は600mg。すると1.5グラムなわけで、ヘルシーなようでそこそこの塩分があるんだなぁ。健康への道は険しい。


レタス。食物繊維がたっぷりのイメージだけど、実はそうでもない。レモンがビタミンCの王者のように言われるけど、そうでもないのと同じ。


せめてカリウムが多ければいいけど、そうでもない、レタス。シャクシャクした食感が楽しいから、まあいいや。


お茶のかわりに、グリーンスムージー。カロリーオフ、糖質オフを頼りに、チルチル飲む。健康を意識して、ココロがやられそうな気がするなぁ。


ともあれ、よく噛んで食べればそれなりにおいしい。ハムもボリュームあるし、チーズも十分な塩っ気だしね。


サンドイッチって昔はハム1枚、キュウリスライスでごちそうだったけど、いまや遥かに豪華だもんな。昭和の感覚でとどまったらいかんな〜。


うん。たまにはいいね、こういう朝ごはんも。健康第一、頭ではわかる。でもわかっちゃいるけど、これだけでは生きられない。


天ぷらそばや塩ジャケ、きっと。食べちゃうんだよな〜。意志の弱さというか、生活の豊かさというか。若きウェルテルならまだしも、中年のサラリーマンの悩みとしては、小さいな〜。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 92)辛揚げ定食

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唐揚げ食べたい。

たまに湧いてくるこころ。誰に求められるでもなく、自分の心の底から滲み出てくる熱情。


いつか、歳をとると、こんな気持ちもなくなるんだろうか。


信じられないけど、思春期の恋がそうだったように、大人になると鈍感になっていくのだろう。


なーんて抑制的に努めても、ようは油物が食べたいっつうこと。


そのうち胸焼けが怖くて食べられなくなるんだろうけど、そのときまでは欲に忠実に生きよう。


で、本日は鶏の唐揚げなぞ。こちらは以前の店も唐揚げ屋さんだったけど、居抜きで入ったのかな。昼は定食、夜は居酒屋といったつくり。


さてさて、揚げたての鶏からはおいしい。たとえ自宅で揚げようとおいしい。ヤケド覚悟のハフハフを楽しむのが醍醐味なのだよ。


まして定食屋さんですから、自ずから高まる期待、はずむ胸。ワクワクがとまりませんな。


いそいそとメニューをみれば、名物を謳う「辛」揚げ定食が目につく。


辛いやつねえ、はじめての店だから予想できないだけど、ちょっと男心がくすぐられたので、チャレンジ。


程なくやってくる定食。まずはみそ汁、うん、おいしい。期待が上がってくるナ。


お次はベジファーストでキャベツをシャクシャク、唐揚げ後のお口直し用にいくらか残しておこう。


満を持しての唐揚げ。ずいぶん大ぶりで、最低でもふた口は必要そうだな。目測をつけてガブリ、まずは肉汁があふれ、熱さにたじろぐ。


たしかに辛いけど、ご飯が進むお味。衣サクサクで、きっとビールに合うなあと、しみじみお天道様が高いことをうらむ。


ご飯、唐揚げ、ご飯、唐揚げと食べ進めるうちに、舌よりもおデコが反応、汗がジワーッとにじみでる。なるほど、胃がからみシグナルを送ったな。


食後の胃腸薬を覚悟しつつ、モリモリ食べてゆく。途中、残しておいたキャベツで脂をさっぱりさせつつも完食。


しまった、オナカが予想以上にいっぱいだ。やはり、遠い日の花火のように、そのうち油物は食べられなくなる気がするな。


いつまで若いのか知らないけど、居酒屋で揚げ物を頼まなくなった日を初老記念日としておこうかね。


幸いに、布団につくのははるかにあとなので、胃酸逆流の恐怖は回避できそうです。アレ、きついから。


ともあれ、よく食べたなーと思うランチタイムでした。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 91)餃子定食

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餃子というのは本来、炭水化物=皮、肉・野菜=餡であり、主食足りうるものだという。


さらに言えば本場中国では水餃子が基本で、焼き餃子は残り物の再加熱に過ぎないらしい。


若い頃、美味しんぼでそのことを知り、軽く驚いたものの、とくに感化されずに、焼き餃子のオカズ扱いを続けている。


調べれば、そもそも焼き餃子は満州からの引き揚げ者が〜とかあるらしいけど、餃子は郷に入りて郷に従ったわけです。


ならば、その餃子に対する敬意として、焼き餃子を食べるべきである。


うん、論理的なようで要は焼き餃子が好きなだけですね。


無理なこじつけはやめとこう、サクサクの皮とジューシーな肉汁、それをオカズに食べるご飯が至福なだけです、ハイ。


さて、やってきました餃子定食。


ほらほら、本格中華屋さんでも、日本で商売するからには焼き餃子+白ご飯を提供するわけですよ、などとひとりごちる。


まずは、ザーサイをタクワンがわりにひと口。これも美味しんぼで得た知識だけど、ザーサイを漬け物のように食べるのは日本独特で、本場中国では刻みこんで食材の1つとして扱うとか。おそるべし、雁屋哲


閑話休題。綺麗に2列縦隊を組んだ餃子から、まずは1つつまんで、何もつけずにパクリ。皮の甘みと肉汁の旨みがよくわかっておいしい。


さて、タレを自作しようかナ。この感じなら、酢3にしょう油1、ラー油ひと垂らしくらいかな、などといそいそ小皿を満たす。


あとは無心。


※餃子にタレ、ご飯にワンバウンド、半分かじる、餃子の断面にタレを染み込ませておく、ご飯を食べる、もう半分の餃子をパクリ、ご飯を食べる(※に戻る)


単純作業のごとく食べ進めれば、みるみるスタミナがチャージされてくる。幸いにニンニクは入っていないようで、ランチどきには嬉しい。


1列片づけたところで、水をひと口ゴクリ。スープを半分ほどいただいて後半戦。餃子とご飯をひたすらに往復、よく噛んで、飲み込む。


ふう、おいしい。

中国の人からすれば、なんで焼くかね?  なのかもしれないな〜。餃子の王将が苦戦したとも聞くし、土地に合った進化を遂げたんだな、餃子は。


中国に居場所がないなら、ずっといていいんだぞ、と優しい声を心中でかけつつ2列目もやっつける。


グイッとスープの残りを飲み干すと、すっかり腹くちくなりました。


何というか、はじめてカリフォルニアロールを見たときは、何考えてるんだアメリカ人は?  と思ったけど、食べてみたらありだな、大ありと思ったのを思い出します。


焼き餃子も大ありなんだよ、ほんと。いつか日中餃子友好条約が結ばれますように、と妄想しつつ箸を置く。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 161)カップヌードル味噌

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カップヌードルの新作、味噌。


なんでも四天王に次ぐ第五の定番を狙うとのことで、なるほどその意欲やよし、と思う。


ところで、しょうゆ、シーフード、カレーのほかに定番ってあったっけ?  と思っていたら、いつの間にやらチリトマトがそうらしい。


へええ … 高校のころ、ジャンケンで早い者勝ちのときなんて、けんちゃんヌードルとともに売れ残ってたアイツがなぁ。ってなんの話だ。


ともあれ、外装にも「おむすびに合う1位」とかいてあるので、湿ったノリ系のおにぎりとともにいそいそ買い込む。


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待つこと3分、ついにご対面の味噌味さん。具材をみれば謎肉、ネギ、もやし、コーン、ニンジン。


なるほど、札幌味噌ラーメンを意識した、野菜多めの陣容だネ。


まずはひと口。


おっ、濃い、濃ゆい、濃厚!  これは塩むすびでもよかったな〜と思いつつ、シャケおにぎりをほおばる。


うん、絶妙のハーモニー。


例えるならば、ご飯、塩シャケ、みそ汁で朝ごはんを食べている気分。


この組み合わせこそ日本人っすわーとしみじみ思う。


あとは加速度的に食べ進め、みるみるカップの水位は下がってゆく。


いや〜炭水化物オン炭水化物の罪悪感は、ヘルシア緑茶だけではぬぐえませんな(^^)


日清は、むかしもカップヌードル味噌を出してたよな〜定着しなかったけど。


いろいろ試行錯誤あったなかではブタホタテドリが思い出深い。あとは今もあるけど、しおもなかなかメジャーにならないな。


ともあれ、こちらの味噌。何となく懐かしいな〜と思う。


新作なのに懐かしいって反則ですけど、昔から居ましたけど?  と言い張ってもわからないような存在感です。


そうね、例えるならサザンの新譜。たしかに新しいのに、どこか安心感があるというか。


もはや日本人のDNAレベルに組み込まれたような感じ。


で、思わずスープを完飲してしまう。いかん、1日の塩分量を軽くオーバーしてしまってるわ。


汗をかいてこれだけの塩をだせるわけもなく、ひたすら水分で希釈しなきゃネ。


必ずや、また食べよう。


ごちそうさまでした。

来た酒場(その 1)養老乃瀧

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陽の高いうちに飲むというのは、背徳感もあってか通常の3倍はおいしい。


ましてや、望むでもない休日出勤あがりなんだから、うれしい、楽しい、大好き!  で仕方ない。


さて、JR ならばいざ知らず、私鉄沿線のしがない駅では昼酒(といっても夕方だけど)の場も限られる。ファミレスでは味気なく、ラーメン屋では落ち着かない。


そこでめぐり逢う養老乃瀧。学生の頃に幾度か行ったけど、学生時分は贅沢だった印象が。


とは言えチェーン居酒屋の老舗ゆえ、大当たりはなくともはずれることは決してないという確信をもってのれんをくぐる。


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16 時だというのに店内には先客もチラホラ。カウンターでメニューを見ているうちにも、ぞくぞくと 60 代のおじさんたちが吸い込まれてくる。


オレに言われたかないだろうけど、昼酒はおいしいけど、カラダにゃよくないぞ。あくまでココロの栄養だぞ、皆さん。


とりあえずの生ビールとつまみを2品頼んで、ひと息つく。ふと気づけばBGM には聴いたこともない謎の演歌が流れ、雰囲気はここだけ昭和。


そもそも、演歌って日本人の心の歌みたいに言われるけど、昭和後期に流行した、いちジャンルに過ぎないよなー。フォークやら、テクノ、なんなら小室サウンドのようなもんかな〜。


などと考えているとやってきた生ビールとお通し。まずはビールをグビリ、くぅぅ、うまいっす。お通しは子持ち昆布とコンニャクかな、無料の心意気がうれしい。


ビールがおいしいんだけども、あまりペースをあげると、すぐに酔いがまわるので、あえてチビチビやりつつ、おつまみを待つ。


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やってきました、先発のマグロぶつ。歯ごたえねっとり、あと味さっぱり。しょう油をつけた大葉も実においしい。ツマの大根までキレイにいただく。


私の後ろでは、常連さん同士がテーブル越しにナスのなんとかが開店早々売り切れだと騒いでいる。


すごいな、こんなラズウェル細木の漫画に出てくるような、滲み出る常連感ってあるんだな。


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お次は中継ぎの串物、豚のカシラ。コリコリした食感が楽しいな。それに味噌タレがえらく合う。タレか塩か悩んだけど、塩にしてよかったな。


ここでチビチビビールもついに底を尽き、2杯目の飲み物を検討する。家に帰って飲み直したいし、あんまり濃いのは避けとこう。


で、見つけたのがバクハイとやら、ビールとウイスキーの割りものらしい。


かつてウイスキーのポカリ割りを飲んでいたダメな日々を思い出して注文。それと、軽いシメに養老牛丼も頼む。


さて、やってきたバクハイにレモンを絞ってゴクリ。飲んだらわかる、ダメ人間になるヤツだ。くぅぅ、ウミャイ。


酒の一滴は血の一滴、なんて言葉もラズウェル細木酒のほそ道で知りましたが、まさにそれくらい貴重なバクハイを舐めつつ、カシラの残りをいただく。


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やってきました抑えの養老牛丼、しっかりとシメてくれよな。おや、小ぶりな茶碗サイズがちょうどいい。丼ぶりサイズでは身がもたない。


まずはひと口。おっ、おいしい。私のなかでの牛丼最高峰は吉野家なんですが、少し違う、でも正統派の味。肉の脂身がちょうどいい按配ダネ。


七味をかけてモグモグしてると、熱ーいお茶がやってくる。嬉しいなー、こういう細やかなサービス。さすが老舗チェーンだな。


ほうじ茶をすすっていると、後ろの常連さんは競馬やパチンコで負けた話で盛り上がっている。そうか、勝ってれば養老には来ないよな。


さあ、ひとしきり小一時間過ごして 2000 円もしない。これを高いととるか、安いととるかは人しだいだけど、個人的にはすごいお得な時間でした。


今度は養老ビール(瓶ビール)を飲みに来よう。できれば誰かときて、いろいろつまみをシェアしよう、そうしよう。


ごちそうさまでした。










定食春秋(その 90)オムライス

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中華屋さんのメニューにオムライスをみつけて、慌てて頼む。


いや、慌てる必要なんか微塵もないんだけど、なんとなく気が急くというか。


ほら、中華屋さんに来たからには、オムライスが目的だったわけではないので、自分の気が変わらないうちに、といった感じ。


そもそも、オムライスって、自分でつくろうと思うとそれなりに大変ですよね。


ご飯を炊いて、フライパンでチキンライスに仕上げる。いったんフライパンを洗って、卵を溶いて薄焼き卵をつくる。


ご飯をフライパンでオムレツにトントン巻きたいけど、残念ながらそんな技術はない。


ゆえに、あらかじめお皿にこんもりと盛りつけたチキンライスに卵をのせて、ケチャップをかける。


ふう、書いてるだけでもひと苦労。そんなオムライスが座ってるだけで食べられるんだから、こいつぁステキで愉快だ。


頼んだあとでよくよくメニューをみれば、オムライスのほか、チキンオムライス、ポークオムライスがそれぞれ+150円で別掲されている。


なんだ、なんだ。頼んだのはすなわち素オムライスということかナ?  麦茶をおかわりしつつ、到着を待つ。


やってきたのは、薄焼き卵がのった系のオムライス。


そうそう、洋食店ではないんだから、こんな感じでいいのよ。家庭の味の延長でさ。


スプーンをスッと差し込んで断面をみれば、具が玉ねぎのみのシンプルさ。軽くひと匙ぶんすくって食べれば、べチャリ系の濃ゆい味。


薄焼き卵の甘みとケチャップの酸味が入り交じり、玉ねぎのシャキシャキとご飯のベッチャリも楽しくて、嬉しいな。


何というか、不器用なカノジョが一生懸命、見よう見まねで初めてつくったようなオムライス。


むろんそんな甘酸っぱい思い出なんて微塵もないけど、そんな妄想を抱くような昼下がり。


フワトロとかデミグラのやつもおいしいけどさ、これでいいんだよ、こういうのが食べたいのよ、オジさんは。


などといいつつ、中華スープで一息いれながらカチャカチャと食べ進め、あっという間に完食。


3杯目の麦茶ですっかりケチャップづいた口をすすぐ。


ふう、今度はポークにしようかな。


そうしたら「あなたのために一生懸命練習して、お料理うまくなったんだからネ、オムライス」が食べられますな。いや、妄想だけどサ。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 89)ランチにぎり

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肉か麺。基本的にランチはこの二択が多い。


体調がよくて時間があれば前者、体調が普通で時間がなければ後者、そんな感じ。


体調が悪ければ、ジョアだけでも構わないけどね。


あたかも権藤、権藤、雨、権藤のごとく、肉肉、麺麺、肉、麺麺。そんな単調なローテを繰り返す。


するとたま〜に「サカナタベタイ」という原始の感情が湧いてくる。そんな日が、魚の食べごろ。


フライ、煮魚、焼き魚。何にしようかと街をゆけば、ふと寿司屋の看板が目に入る。刺し身もいいなぁと吸い寄せられ、カウンターを陣取る。


こちらはお値打ち価格ながら、職人さんが握ってくれるのが嬉しいよな〜とほくそ笑みつつお茶をゴクリ。いかにも寿司屋っぽい粉茶が苦うま。


まずは本日のお椀、アラ汁だね。

うん、ダシがこれでもかときいてておいしい。もちろん骨に付いた身をツンツンつついて食べる。


そうこうしてる間にやってきましたランチにぎり。色とりどりでどれから食べようか迷うけど、まずはネギトロ巻きをパクリ。おっ、端っこだ、ラッキー。


あとは、どう食べ進めるかひとり作戦会議。


味の薄いものから濃いほうへ食べ進めるのがツウとかいうけど、マグロも赤身だし、なんなら白身も脂のってそうだしナ。


うーん、どれもおいしそうで迷うくらいなら、端から順番で気にせず食べよう。おっ、イカはねっとり甘い系だ、実に嬉しい。


上の列を食べたところで、ガリで口をリセット。


アラ汁をずるっとのんで下の段を食べ進める。光り物はコレなんだろうか?   わからないけど脂が濃くて、酢締めも程よく、実に幸せ。


最後に残る玉子がデザートがわり。

ひと口目をガブリ、うん、アマ〜イ。ふた口目はちょっとしょう油をつけて、より甘さを際立たせてみる。実に贅沢。


ふう、作戦は成功したナ。苦〜いお茶で余韻を楽しむ。肉もいいけど、たまには魚も食べなきゃな。日本人だもの。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 160)ラム豚骨ラーメン

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羊というのは、宗教上のタブーが少なく、外国人との共生においては、都合がいい。


とはいえ、昭和世代としては羊肉に抵抗があった。何というかクセが強い。流通が発達した昨今はそんなことないんだろうけど、パンチがきいていた。


さて、こちらはラムゲンコツと豚骨からとったスープがウリ。濃厚っぽくて思わずにっこりしつつ、食券をポチリ。


おやラム煮干しスープもありますね、これならムスリムでもオーケーなのかな。まあ、一向門徒だから関係ないけどサ。


楽しみに到着を待ちつつ、卓上の調味料をチェック。


黒胡椒、特製スパイス、ほうじ茶、七味、カルダモン甘酢、ラー油。うん、一部想像もつかないのがあるナ。


こんなにあると、一食限りでは試しきれないかナ。とはいえ、ラーメンは一期一会、薬味は使うのが主義だし、少しずつでも試してみよう。


スープは上品な豚骨といったイメージで、羊感は感じられない。


うメェ〜といったお味。ユズがきいていて、味が尖る。麺は細めでバリバリ硬く、スープによく合う印象。


角切りのがラムチャーシューかな、噛むたびに旨みぎっしり。


平たいほうが豚チャーシューだな、予想どおり安定のおいしさ。


メンマは繊維質がキシキシとおいしい。こういう長〜いのがはやりなのかな、おいしいからいいけど。


さて、薬味を試そう。チラチラかけては、レンゲですくって味を確かめてみる。


七味、黒胡椒は予想通り、ずいぶん上品だけど。

ほうじ茶は、こう来たかという香ばしさ。

スパイスは、どことなくカレーっぽくなるネ。


お酢はツンとこない。カルダモンと名乗るだけあって和モノではない感にあふれてる。ラー油をかけてみると、担々麺感が出てくる。


どれもおいしいけど、全部入れたら味がケンカするのかもね。何度か食べて自分なりの調合を身につけるのがいいのかもしれない。


さて、大人気だから、食べ終えたらさっさと出よう。グラスのお茶をゴクリと飲んで、さっそうと席を立つ。


ごちそうさまでした。