寒かろうと暑かろうと、味噌煮込みうどんはおいしい。
そりゃあ息も白むような冬場にハフハフと食べる味噌煮込みはサイコーだろう。
でも、夏空のもと汗に汗を重ねにいく味噌煮込みもおいしい。つまりは、八丁味噌がスキ、なのだ。
さて、こちらは本格派味噌煮込みのほか、キムチ、イタリアン、インディアンと変わり種を出してくれる嬉しいお店。
キムチもトマト味も捨てがたいけど、汗をかきにきたからにはカレー味、インディアンを選ばざるを得ない。
オジサン世代はインディアンといえばアメリカの先住民なんだけど、いまやネイティブアメリカンっていうんだよね。
しかし、こちらは本来の意味のインド=インディアンなわけだ。
カウンターに腰掛けると、すぐに汗をかく。目の前で土鍋が煮えてるんだから、まあ致し方ない。サウナだと思って、楽しい汗かき。
やがてお新香が運ばれ、高鳴る胸、踊る心、近づく土鍋。さて、ショータイムの始まりだ。
ほどなくやってきたご飯に、卵黄を半熟のまま移し替える。
ほかほかご飯の熱気であっという間にネットリ化、すかさず黄身をご開帳、濃厚な味噌スープをかけて、プチ雑炊に仕上げる。
さて、こちら土鍋班です。
そもそも名古屋の味噌煮込みの麺は固い。生煮えとも、アルデンテとも違う、弾力の鬼。ほうとうはモチモチだけど、味噌煮込みは固い。
これに伍するは、吉田のうどんかな。あれも悪意が感じられるほど固くておいしい。のどごしツルツルもいいけど、歯ごたえムチムチもいいもんだ。
さて、インディアンを名乗るだけあってカレーうどんっぽさが半端ない。しかし、それを上回る八丁味噌の自己主張。悠久のインドを凌駕するなんて、なかなかだな。
具材は卵、油揚、ネギ、鶏肉。シンプルなだけにごまかしもきかない。取り皿に分けては、ムチムチにかじりつく。濃厚な味噌で箸の進むこと、光陰の如し。
七味をふりかけ、さらに混沌をまねきつつ、熱さと辛さに、サウナ気分が増していく。
水風呂よろしくグラスの水を飲んだりして、楽しくて仕方ない。
やがて歓喜の刻は終わり、土鍋に残された味噌スープを宝探し、箸で探れば、麺が数本、うれし、恥ずかし、出てくるもんだ。
ごちそうさまでした。