空に太陽がある限り愛が続くならば、
店に流水麺がある限り夏なのだ。
とはいえ、それはあたかも秋のセミのように、いつ尽きるともわからない、儚い命。
夏の終わりを心に刻むために、やはり冷やし中華が幕切れにふさわしいのではないか。
まわしものではないけれど、シマダヤの流水麺は秀逸である。
「冷たい麺が食べたいのに、大鍋で湯を沸かす問題」を解決した功績は、相対性理論にも比肩するのではなかろうか。
さて、冷やし中華というのは、具材を選択、仕込むのに手間がかかる。
これという定番のサイドメニューもないので、腹もちのためにも単独でバランスよく仕上げたい。
そんなところで、サラダ風。
そもそも、冷やし中華の具というのはサラダとも共通しているわけで、ここぞとばかりにモリモリ盛りつける。
皿の一番下にレタスを敷きつめただけでも、グンと健康志向が出せそう。いや、滲み出てますよね、たぶん。
トマト、キュウリ、レタスの野菜チーム。エビ、カニカマ、厚焼き玉子の蛋白質チーム。そこにサラダチキンも加わって、重厚な布陣です。
ほとんどが出来合い。横着なのは承知のうえで、色どりだけは意識しました。やっぱり冷やし中華には華がないとネ。
もちろん、味は安定のシマダヤ。ツルツル、モグモグおいしくいただけました。
サラダチキンが意外と合う。これはぜひ来年まで記憶しておきたい。棒棒鶏がわりにちょうどいいのナ。
残暑がどうなろうと、これで夏は強制終了、また会う日まで、会えるときまでオサラバです。
ごちそうさまでした。