トマト鍋は一過性のブームを乗り越えたようで、食品売り場の一角を占めている。一角は言い過ぎか。でも、すっかり定着した。
コンソメベースのスープに、トマトの酸味を中心とした具材のダシ、なんならチーズのコクまで加われば、おいしくないわけがない。
〆はパスタやリゾットでどうぞ、とくれば老若男女が笑顔間違いなし。そんな嬉しいメニューを思い起こす、トマトチーズラーメン。
季節商品だろうか、この手の変わり種は気づけばなくなっていることも多く、一期一会で頼まねばなるまい。偶然の出会いにほくそ笑む。
中華は意外な野菜を炒めますよね。キュウリ、レタス、トマトあたりは生野菜サラダという先入観があるけど、熱を入れてもおいしい。
トマトはイタリアのマンマの味に欠かせないイメージだけど、そもそもアンデス原産で、食用にされたのは19世紀、意外と最近です。
何が言いたいかというと、固定観念にとらわれず、おいしいものを素直に認める心をもちたいということです。さて、やってきました。
まずはスープから。トマトの酸味は当たり前、とろけるチーズの香りも上乗せされ、笑顔がこぼれるおいしさ。ボーノ、いや好吃です。
紙エプロンを装着したので、恐るることなく麺をすすれば、鼻に抜けるのはミートソース、いやナポリタンといったイタリアンな風味。
具材は挽き肉のみと思えば、粗く切られたトマトがゴロゴロしており、思わぬリコピンの追加ににっこり。辛めの挽き肉も歯ごたえヨシ!
パスタは待つな、とのイタリアの格言どおり、伸びないうちに、ツルツいただく。中華料理店とは思えぬ味わいに、なんか得した気分。
ごちそうさまでした。