メンチカツは意外性のオカズである。かじりついてはじめて、メンチカツと気づくことすらある。差別化のためか、ラグビーボール形をしていることも多い。
そのままハンバーグやミートボールになれる挽き肉に、衣をつけて揚げてしまうのだから手は混んでいる。それなのにイマイチ主役を張りづらいメンチカツ。
そもそも「メンチ」って使用場面が限定されますよね。挽き肉は「ミンチ」とも言うし、メンチカツ以外に用いられない独特の単語。「どんぶらこ」みたい。
ともあれ、メンチカツが主役のこちらの定食。他にもレギュラーメニューとするレストランがあるのだから、メンチファンは一定いるのだろう。私もだ。
https://socius-lover.hatenablog.com/entry/2021/03/26/070300
揚げたてのメンチは実においしそう。家ではつくらないけど、たまに食べたくなる味わいでは上位ですね。さらに上位互換のスコッチエッグもあるな。
まずは味噌汁で箸を湿らして、メンチをザクッと箸で割る。軽くソースをかけてひと口パクリ。玉ねぎがたっぷりで、間違えようのないしっかりしたおいしさ。
ハンバーグと異なる方向性で、ジューシーさではなくみっちり感がウリ。追いウスターをだぶだぶかけると、オカズヂカラも高くなり、にんまりしちゃうな。
世界のどこにもない、日本独自の洋食。ひとつの文化だなあと思いつつ、こうした市井の食の歴史を感じられる、平凡な日常に感謝する。
ごちそうさまでした。