「文化干し」ってなんだ。そもそも、あまり干物を食べないのだけど、干物界隈では常識なのだろうか。50年生きてなお、知らないことがあふれる世の中に驚く。
調べると、天日干しではなく、冷温風機を用いて乾燥させる手法を文化干しというらしい。文化住宅などと同じく、文化を「ハイカラ」的な意味合いで用いているのだ。
まあ、布団乾燥機でも天日干しでもダニは死滅するし、機械化が悪いわけではない。むしろ温度、湿度管理が安定して、味にも好影響ではなかろうか。さて、文化干し。
干物は日持ちするだけでなく、栄養価が高くなり、旨みも増すとか。いいこと尽くめだけど、金沢出身の両親は新鮮な魚が獲れる環境にあったので、干物は疎遠だった。
ノルウェー産高級サバだけあり、半身でも立派な風体です。ザクザクと箸を入れ、香ばしい皮を食べる。これだけでごはんが食べられますね。ここで味噌汁をひと口。
さて、あとはひたすら身をむしり、旨みをほおばっては、ごはんをかき込む。干し椎茸や干し鮑は旨みが増すというし、魚もそうなのだろう。シンプルながらも奥深い。
乾燥してなおしっかりした脂は、ともするとしつこくなりがちだけど、大根おろしがサッパリとさせてくれる。要はサンマの塩焼きと同レベルで脂がのっているわけだ。
正直いって、港町のお土産、民宿の朝食、スーパーの脇役などと侮っていたけど、長く愛される干物の実力を思い知りました。こんど、アジのひらきでも買ってみよう。
ごちそうさまでした。