今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 564)サバの文化干し焼定食

 

 

「文化干し」ってなんだ。そもそも、あまり干物を食べないのだけど、干物界隈では常識なのだろうか。50年生きてなお、知らないことがあふれる世の中に驚く。

 

調べると、天日干しではなく、冷温風機を用いて乾燥させる手法を文化干しというらしい。文化住宅などと同じく、文化を「ハイカラ」的な意味合いで用いているのだ。

 

まあ、布団乾燥機でも天日干しでもダニは死滅するし、機械化が悪いわけではない。むしろ温度、湿度管理が安定して、味にも好影響ではなかろうか。さて、文化干し。

 

干物は日持ちするだけでなく、栄養価が高くなり、旨みも増すとか。いいこと尽くめだけど、金沢出身の両親は新鮮な魚が獲れる環境にあったので、干物は疎遠だった。

 

ノルウェー産高級サバだけあり、半身でも立派な風体です。ザクザクと箸を入れ、香ばしい皮を食べる。これだけでごはんが食べられますね。ここで味噌汁をひと口。

 

さて、あとはひたすら身をむしり、旨みをほおばっては、ごはんをかき込む。干し椎茸や干し鮑は旨みが増すというし、魚もそうなのだろう。シンプルながらも奥深い。

 

乾燥してなおしっかりした脂は、ともするとしつこくなりがちだけど、大根おろしがサッパリとさせてくれる。要はサンマの塩焼きと同レベルで脂がのっているわけだ。

 

正直いって、港町のお土産、民宿の朝食、スーパーの脇役などと侮っていたけど、長く愛される干物の実力を思い知りました。こんど、アジのひらきでも買ってみよう。

 

ごちそうさまでした。