今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 920)天津麺

 

 

天津飯はいわゆる和式中華料理であり、天津に天津飯はない。天津でよく獲れたワタリガニカニ玉でをつくり、丼ぶり飯にのせたから天津飯となったとか。へええ。

 

40代のオジサンならば、天津飯といえばドラゴンボールの登場人物。天さんと呼ばれることから、津飯が名前なのか!と思うけど、チャオズと仲良く暮らしてほしい。

 

天津麺について調べて一番驚いたのが、「天津甘栗」は天津港から輸入される甘栗であり、天津は特に甘栗の産地ではないということ。なんでも調べてみるもんだ。

 

本日はかに玉のせの天津麺。高校のころ餃子の王将で食べて以来の大ファンで、さっぱりしたスープ、滋味あふれるカニ玉、ツルツルの麺。控えめにいっても最高です。

 

和式中華ながら、どこの町中華で食べてもおいしいのが不思議。シンプルなだけに、店の技量がわかるこの味は、寿司屋でいうところの玉子のような存在かもしれない。

 

洗面器のような大きな器になみなみとスープが満たされ、そこには細ストレート麺が泳ぎ、まあるいカニ玉が浮かぶ。何も足す必要のないシンプルで美しいビジュアル。

 

スープはいかにも町中華、鶏がら醤油はいくらでも飲めそう。麺を啜れば博多ラーメンのような細麺で、噛めばプツプツとした食感に歯が喜ぶ。では、いざ、カニ玉。

 

やや焼き目のついた、しっかりしたカニ玉をむしるように食べる。玉子の甘みとスープの塩味のハーモニーがたまらない。具材は筍、椎茸、ネギ、そしてもちろんカニ

 

舌の記憶は確かなもので、天津麺を食べるたび、高校の土曜日の部活前、はしゃいで皆でお昼を食べに出た昼下がりが思い出される。そう、味のタイムカプセルです。

 

ごちそうさまでした。