今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 566)生マグロとイカの紅白丼

 

紅白歌合戦。物心つく前からあるので、なんの疑問ももたなかったけど、男性=白、女性=赤というパブリックイメージの強制定着に関与しているのは間違いない。

 

もともと紅白の対峙は、源平合戦にさかのぼるらしい。赤が平家で、白が源氏。赤が負けるのが前提だけど、源平交代思想とやらもあるので、物事はそう単純でもない。

 

紅白幕が縁起物として飾られるようになったのは意外と歴史が浅く、昭和初期なんだとか。まあ、儀式に用いる高貴な色は、冠位十二階の頃から、紫と決まってるしね。

 

ともあれ紅白丼。こちらでは、マグロのパートナーに白身魚イカをあわせて紅白丼を出すことが多い。紅白だけでなく、海苔の黒、山葵や大葉の緑も鮮やかなのよね。

 

まずは山葵を醤油で溶いて、丼ぶりに回しかける。醤油の小皿にいちいちつけるのが上品なのは知ってるけど、丼ぶり飯の一体感、グルーヴ感を重視しました、はい。

 

生マグロはさっぱりながらも、しっかりと独特の鉄の味がする。角のたったイカ刺しはサクサク甘く、舌の上でとろけます。新鮮な刺身と醤油がおいしくないわけがない。

 

丼ぶりを食べるときの悪い癖で、具が足りなくなるのが怖くて、前半は白米を多めに食べてしまう。流石に満腹になって具を残すことはないけど、我ながらいじましい。

 

小さい頃はふりかけを愛用したので、白米だけで食べるのが苦手なのかな。今どきの若い子は三角食べをしないので、オカズを食べ終えて白米だけを食べられるけど。

 

さて、紅白刺身合戦。マグロ頑張れ、負けるなイカ。すべて自分の裁量なのに、楽しく食べ進める。残ったほうが勝ちなのか、ルールも決めてないけど、最後はマグロ。

 

なんとなく、紅組の勝利だな、と思いながら最後のひと切れで丼ぶりにへばりついた白米をかき集めて、パクリといただく。子どもの運動会が懐かしく思い出されます。

 

ごちそうさまでした。