今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 634)マグロ・カンパチ丼

 

 

人間不思議なもので落ち込むことがあると食欲がなくなる。医食同源、当たり前かもしれないけど、食べても食べなくてもいいや、なんて心もちでは食材に失礼である。

 

お酒は比較的スウっと入るけど、栄養にならないし、肝臓によろしくない。インゼリーや一日満足バーに頼ってもいいけど、ちゃんと胃袋に負荷をかけたい気がする。

 

で、ガブガブ食べようと丼ものを選ぶ。さっぱりマグロと脂ののったカンパチの丼ぶりがおいしくないわけがない。食べる元気があれば、人間それなりに「もつ」のだ。

 

小皿でワサビ醤油をこしらえて、くるりと回しかける。マグロをよけごはんだけ食べてみると、思ったより深さがあって、8切れの刺し身でたたかえる気がしない。

 

ともあれ、マグロは予想通りさっぱりしながら鉄の味がしっかりするし、カンパチは醤油を弾くほど脂がすごい。味噌汁を挟みつつ、重たい胃をこじ開けて食べてゆく。

 

やはり最後にネタ切れは嫌なので、途中、醤油をひと回しして、醤油ごはんをしばらく食べる。湿ったのりにまとわりつく尖った醤油の塩味も、また一興ではないか。

 

ふと、小さい頃のりに醤油をつけて、ごはんを巻いて食べていた食卓を思い出す。母親はいい顔をしないながら、食の細い私にはふりかけやのりを出してくれたっけ。

 

そう、生きる限り食べねばならんのだね。成長期は血となり肉となったけど、今は体力の維持のため、精神力の源のため、食べてナンボです。少し、元気がでたような。

 

ごちそうさまでした。