今さらながらラーメン発見伝を読んで、ラーメンの奥深さに感心した。常に刺激を求める大衆と料理として進化を続けるラーメン、そして職人たちが織りなすドラマ。
なかでも興味深かったのは、いわゆる昔ながらの醤油ラーメンは思い出補正の味であり、今では商売として成り立たないとの話である。道理で店が見当たらないわけだ。
東京ラーメンの代表である荻窪ラーメンも進化を続けているというし、まんが道に描かれたようなオールドスタイルのラーメンは今では少し味気なく感じるのだろう。
で、本日は華僑が営む中華店。とはいっても天津麺や中華丼も出すような、郷に入りては郷に従えのメニューです。さほどお腹がすいていないので、担担麺を注文する。
あと100円出せば炒飯付きになるので「単品ですか?」と聞き直される。親切はありがたいけど、今日はそんなに食べられないのよね。麦茶を飲みつつ、しばらく待つ。
担担麺はシンプルな醤油ラーメンに、ひき肉がたっぷりかけられている。丼ぶりの端っこからスープを飲めばさっぱりした鶏がら風味古きよき醤油ラーメンを思い出す。
麺は黄色くゆるやかなウェーブで、スルスル食べるとほどよい喉ごし。ひき肉は適度にピリ辛で、強い主張はないけど、しっかりとおいしい。なるほど、これでいい。
Wスープだ自家製麺だと恐竜的進化を続ける日本のラーメンに対して、本場の味を日本向けにカスタマイズしたラーメン。方向性はともあれ、日本人の舌に合うわけだ。
担担麺専門店に比べると、あっさり&さっぱりだけど、その辺はあくまで好みの問題ですね。今日のようにあまり量や刺激を求めない日なら、かえってありがたいかも。
ごちそうさまでした。