食欲の秋、天高く馬肥ゆる秋。さんまの塩焼き定食をみつけ、一年大過なく無事に過ごせたことに感謝する。大衆魚から高級魚になりつつあるけど、食べておかないと。
さんまを好むようになったのはいつ頃だろう。20代のとき連れて行かれたスナックで食べたさんまの骨をみたママが「あら、魚食べるの上手ね」と言われたっけか。
その頃にはさすがにいい大人だし、焼き魚をきれいに食べる程度の箸スキルは身につけていたんだな。懐かしく思い出すうち、メタリックに輝く立派な塩焼きの御成り。
味噌汁で箸を湿らせ、大根おろしに少し醤油を垂らす。まずは上側の半身を食べてゆく。ひと口大をむしり取って口に運べば締まった身と適度な塩加減に秋を実感する。
食べ進めるうちに剥がれた皮が、これまた焦げた香ばしさと強めの塩っけがあってたまりません。バカモーン、そいつがルパンだ!と言いたくなる見事なご飯泥棒です。
お次は下の半身を食べる。小骨が多いけど、ワタの苦みがたまりませんね。ご飯をかきこんだあと、大根おろしで口をさっぱりさせる。ほんとは日本酒が欲しいけど。
あとは裏の裏っ側を食べてゆく。背骨を押せば骨ぎしの身も剥がれ落ち、余すところなく食べてゆく。小骨なぞカルシウムですよ。偉い人にはそれがわからんのです!
ワカメの酢の物や味噌汁ではやる心をなだめつつ、今年初の塩焼きを堪能する。お高くなったとはいえ、秋の楽しみはやめられません。体もDHAを楽しんでますしね。
もういくつ寝ると牡蠣も出てくる季節だし健康でいないとね。年をとったからこそ楽しめる旬の素材も多く、数少ない生きるモチベーションになってます。いやマジで。
ごちそうさまでした。