今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 969)醤油うどん(おんしょう)

 

 

大して長い名称でなくとも、それを何度も繰り返して呼称するのであれば、自然と省略形が生まれてくる。たとえば、環状8号線ならば、8号ではなく「環八」となる。

 

日本語は母音が少ないこともあり、同音異義語が多いので、略語が既存の単語と被るのは避けられない。世間一般では、環八は「カンパチ」であり、おいしい魚なのだ。

 

こちらは、かい醤油うどんのだから温小、食券では「おんしょう」である。同音異義語としては温床、恩賞、あるいはどこかの音大附属小学校のような響きもある。

 

ともあれ、胃腸が荒れているので、サービスのおろし生姜は辞退、天かすのみ貰う。卓上の醤油をひと回しかけて、ザッとうどんとかき混ぜると、醤油の香りがたつ。

 

アツアツ、もちもちのうどんをすすり、サクサクの天かすを頬張ると、焼き餅のような香ばしさ。うどん1玉370円は決してお安くないけど、そのぶん心が満たされる。

 

そういえば、わたしの母校は「かす高」と省略されていた。「かす高生としての自覚をもって行動しなさい」とかいわれても、「俺たち、カスなのか」とか思ったっけ。

 

最後に丼ぶりに残った天かすを箸でかき集めて口に流し込む。しっとりした食感を楽しみ、かす高生だった昔を思い出す。あの頃は、胃もたれなんて知らなかったな。

 

ごちそうさまでした。