今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 667)唐辛子とニンニクのスパゲティ

f:id:socius_lover:20211130123309j:plain


ペペロンチーノの本名は、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノらしい。アーリオがニンニク、オーリオがオリーブオイルをさす。


で、そこにスパゲティと唐辛子が加わってペペロンチーノとなるとか。シンプルだけに、麺の味がよくわかる、いわばイタリアのもりそば。


ランチサービスのコーヒーをすすっていると、先に紙エプロンの到着。そうか、油が跳ねるのか。とか思う間にペペロンさんのお成り。


くるくるとフォークに巻きつけてパクリ。ニンニクがそこそこきいてて、おいしい。マスク生活でないと、お昼に食べたらアカンやつだ。


唐辛子がピリリときいて、油っこさを打ち消す。茹でたてのスパゲティは、イキがいいので油がピンピン跳ねてきて、神エプロン大活躍。


イタリア人のソウルフードなのかな、と思いつつも、粉チーズをザブザブかけ、イタリアでは御禁制のタバスコもピトピト垂らす。


調味料はすべて試さねば気が済まない、貧乏性ゆえ。でも、この味こそ日本食としてのスパゲティですよ。最後はパンで油をぬぐう。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 398)ビリヤニ・ターリー

f:id:socius_lover:20211130075251j:plain


ハヌマーンガネーシャなど、異教徒の神が壁に飾られたインド料理店。先ほどまで会社にいたとは思えない異邦人、久保田早紀気分。


昼休みに外に出ると、あまりの寒さに辛いものが食べたくなり、久しぶりに訪問しました。さて、何にしようかなとメニューを開く。


先客の食べている、テニスラケットのように大きなナンは食べきれない。こんなときは、メニューの左上を選べば無難とのマイルール。


ひと口にインド料理といっても宗教、民族など多様だし、日本人向けにローカライズされてるだろう。ビリヤニ・ターリー、楽しみだ。


熱い紅茶を飲みつつ調べれば、以前はこちらでジャンタ・ターリーを食べている。そうそう、ターリーはワンプレート料理だったっけ。


どうやら、ビリヤニムスリム風の炊き込みご飯らしい。ここまで調べたところで冷たい水も到着して、さぞ辛いのがくると覚悟する。


やってきたのは、長粒米がこんもりとしたプレート。3種のカレーを舐めてみれば、白いのは酸っぱ辛く、茶色は辛く、黄色はかなり辛い。


ビリヤニをスプーンで掬っては、カレーに浸して食べてゆく。どれも単純に辛いわけではなく、スパイスの複雑な香りがたまらない。


サラダの清涼感や揚げ玉ねぎの甘さをはさみつつ、軽快に食べてゆく。かなりのボリュームだけど、カレーの汁っぽさで流し込む。


おや、ビリヤニの中にタンドリーチキンが埋まっている。鶏肉は比較的宗教タブーが少ないもんな、と納得してパクリ、おいしい。


ガンダムアムロが食べていたパイロット用のプレートも、こんな感じで仕切られてたな。むしろインド料理だから、ララァだろうか。


などと、アラフィフとは思えない幼稚な夢想をしつつおいしく完食。ひと汗かいたので、湯冷め?しないよう気をつけて師走の寒空へ戻る。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 666)コロッケそば in 箱根そば

f:id:socius_lover:20211128095327j:plain


おや、投稿の連番が 666 ですね。ヨハネの黙示録では海からの野獣を示し、映画「オーメン」で悪魔の子ダミアンを象徴する数字。


キリスト教徒を迫害したローマ皇帝ネロの暗喩とされるなど、キリスト教圏の一部では縁起が悪いと忌避されている数字なわけです。


日本人も死につながるから4の数字を避けてアパートや駐車場で欠番にしてますし、信仰心からくるとはいえ、わからなくはない。


さて、ランチのパンを買いに駅前に出て、つい箱根そばへと。このパターン、我ながら非常に多いですね。おいしさに、負け負けです。


そんなわけで、朝そばは何度も食べてますので、気分を変えてみよう。券売機とニラメッコして、定番中の定番、コロッケそばを選ぶ。


まずは、そばをズルズル。安定の味にホッとする。半身浴しているコロッケを箸で割り、ひと口パクリ。カレー風味が鼻に抜ける。


切り口からジャガイモがこぼれ、衣から滲み出る油とともにツユを彩る。コロッケは元来ツユに浮かぶものではなく、頼りなげに横たわる。


年末のいそがしいときに、のんびりそばをすすって、愚にもつかないことを書き連ねていられるんだから、健康な心と体に感謝ですね。


買い物メモを確認しつつ、お節料理なんて語呂合わせの験担ぎばかりだと思う。令和の世になっても、意外とそんなもんだと苦笑い。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 665)カレーそば in 高幡そば

f:id:socius_lover:20211127092920j:plain


♩だから嫌いだよこんな日に出かけるの、とはユニコーンの雪が降る町の歌い出しです。♩人がやたら歩いてて用もないのに、と続く。


歳末のざわついた町並みと心模様を切りとった名曲で、この季節になると繰り返し脳内再生します。何でしょうね、この気が急く感じ。


三が日はお休みするスーパーも増えてきましたが、昭和の頃のようにひたすらお節をつつかずとも、冷蔵庫は大きいし、不自由はない。


それでも、減ったとはいえ年賀状を出し、なんとなく掃除して、特番だらけのテレビを点けておく。そうするうちに、歳をとるわけです。


そんな落ち着かない朝にカレーそば。やはりこうも寒いと、スパイスを欲します。こちらは京王の営む C &C とのコラボによる一杯。


まずはそば。安定のクオリティで、熱いツユが胃に染みわたります。風味あるC&Cのカレーソースが、適度な刺激を加えてます。


細切れの豚肉、トロトロの玉ねぎも見逃せない。カレーとツユがなじんでいく味の変化を楽しみつつ、跳ねないように丁寧に啜る。


♩あと何日かで今年も終わるけど、世の中は色々あるから、どうか元気で、お気をつけて。うん、体を温めて、もうひと踏ん張りですね。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 664)半ラーメン+半チャーハンセット

f:id:socius_lover:20211126154807j:plain


「半チャンラーメン」の元祖は、神保町にある「さぶちゃん」という。惜しまれつつ閉店しましたが、その影響は、今なお大きい。


と書き始めたものの「ちょっと何言ってるかわからない」という人が多いかもしれないと気づく。ならば男塾の雷電ばりに解説しよう。


そもそも「半チャンラーメン」とは、ラーメンと半量ほどのチャーハンがセットになっており、いわゆるガッツリ系のメニューです。


神保町は東京都千代田区の、いわゆる学生街であり、オフィス街です。当然、ボリューム満点でお得なメニューが好まれる地域です。


で、神保町のラーメン店が客のリクエストに応えて定番化したのが、半チャンラーメン。さまざまな街中華に広がりをみせた発明です。


なるほど、反芻してみれば、東京に勤めるラーメン好きなオジサンしかわからない書き出しでしたね。さて、改めて券売機の前に立つ。


ラーメンでは物足りない。でも、半チャンラーメンは量的に受けつけない。そこで、半チャン、半ラーメンの、中年向けセットを選ぶ。


頑張れば、それなりに食べられるけど、午後の仕事に響くし、胃食道逆流もちなので自重しました。ブログをみれば、去年の9月以来。


まずは、右手にチャーハンの匙、左手にラーメンのレンゲを持つ。中高と続けたバスケで得たものは、食事の両利きと膝痛くらいです。


チャーハン山のなだらかな斜面を崩して、ひと口パクリ。胡椒きつめだけど、卵とチャーシューのみのシンプルさは、味が際立ちます。


いくらか味わったのち、レンゲでスープをゴクリ。味噌汁とは一線を画す、ラードのきいた味は、米のひと粒ずつにヴェールをかける。


「おいしい」の感情だけで思考停止する。口内調味しつつ、もうひと口チャーハンを食べれば、広がる旨み、禁断の塩味がたまらん。


ここで水をひと口飲んで、舌をリセット。いよいよラーメンをすする。サッポロ風の味噌ラーメンは、どこか甘く、冬がよく似合う。


ヒラヒラと波打つ太麺をはじめ、挽き肉、もやし、玉ねぎなど。まるでチャーハンと具沢山のスープを食べているような錯覚に陥る。


チャーハンをたっぷりと、リスのように頬張って、そこにスープをゴクリ。ひたすらに咀嚼すると、シアワセのメーターが振り切れる。


いい歳して安っすいシアワセですが、気にしません。食べてみれば、少し物足りない量だけど、だが、それがいい。お腹パンパンです。


さぶちゃんといえば、紅白で見なくなって久しいな、などと年末らしいことを思いつつ、胃の隙間に水を流し込んで、塩っ気を薄める。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 397)カレーライス

f:id:socius_lover:20211125123619j:plain


「カレーとはなにか?」海原雄山に問い詰められると答えに窮する。インドをはじめ東南アジア、欧風など、幅は広く、底も深い。


個人的にカレーとは給食に出たような、小麦粉でトロミをつけた、ザ・日本のカレーであり、油断すると膜が張るような黄色いヤツ。


牛肉でも豚肉でもいいけど、じゃがいも、玉ねぎ、人参は外せないな。らっきょうはなくとも、福神漬は欲しい。そんな、昭和マインド。


もちろん、印僑のナンカレー、神保町辺りの欧風カレーも好きだけど、あれはよそ行きのカレー料理であって、心の故郷ではない。


しかし、じゃがいもは煮崩れが懸念されるのか、外食ではオプションのことが多い。ふらふら彷徨っては、理想のカレーを求める。


で、そば屋の券売機にカレーライスの文字をみつける。そば屋のカレーに外れはないけど、おそらくじゃがいももない。でも、いいや。


やってきたのは、明るい色合いのひと皿、真紅の福神漬が嬉しいな。予想通り具材は豚コマと玉ねぎだけど、いずれもたっぷりで嬉しい。


まずはひと口、最初はダシの香りがして、次にスパイスの辛みがやってくる。咀嚼するうちに、いま一度ダシ感がくるけど、やはり辛い。


これぞそば屋のカレー。つくり置きしないだろうに、サッと出てきて、しっかりおいしい。家でできそうで、絶対に再現できない味。


小皿の福神漬を移し替え、辛みを相殺しつつ、食べてゆく。カレーソースが足りなくならないよう塩梅するのが、また楽しからずや。


外食で理想のカレーに出会うのは難しそうだけど、これはこれで大満足。ま、ココイチのやさいカレーを食べればいいんだけれどね。


ごちそうさまでした。


定食春秋(その 396)カキフライ定食

f:id:socius_lover:20211124162746j:plain


冬になると、とり憑かれたようにカキを食べる。定食屋さんでカキフライの文字をみかけると、一も二もなく注文してしまうのだ。


鍋はもちろん、麺類でも存在感を示すカキですが、ランチタイムに生食は出てない。日本酒やワインと合わせる、夜の部専門ですね。


さて、今日も今日とてカキフライ。今季何回目だろうか、数えるのも野暮ですね。いつまでもあると思うな、親と金と丈夫な胃腸。


ここは確か4粒なんだよな、ソースと醤油を2つずつかな、などと脳内早弁する間にやってきました。まずは味噌汁で箸を湿らせる。


レモンを絞って、パセリとキャベツを喰みつつ、自分を焦らす。予定通りソースと醤油をタラリとかけて、いざカキフライをガブリ。


洋食らしさを感じさせるソース味、潮の香りが増幅する醤油味、どちらもおいしい。サクサク、ハフハフとかじっては、白米をかきこむ。


カキ半粒に対して、ご飯をひと口半のペース。ご飯泥棒の称号を差し上げたいオカズヂカラ、やはり海のミルクの名は伊達じゃない。


ソース味はビール、醤油味は日本酒に合うだろうなと思う。世界的には生食が好まれるらしいけど、フライのおいしさも広まってほしい。


揚げ物を喜べるのもあと何年だろう。年の瀬になると、そんな懸念が浮かぶ。いらぬ心配はともあれ、今年もおいしくいただけました。


ごちそうさまでした。



麺喰らう(その 663)天ざる

f:id:socius_lover:20211122135615j:plain


そばはいつでもおいしいけど、新そばの季節はやはり格別です。そこに年末の高揚感も加わると、いつもの店もおいしさ倍増です。


今年の総決算で、少し値の張る天ざるにしよう。すると「海老は2本か3本、どちらにしますか」とのこと。そこを委ねられるのか。


値札をみれば差額は 200 円。検討事項はむしろ懐具合ではなく、胃腸のほうかも。一刹那考えて2本で自重する。十分、贅沢だヨ。


先付けの茄子煮、冷奴、お新香をつつきながら待つ。いつものように朗らかな店員さんが、帰るお客に飴を持たせており、微笑ましい。


f:id:socius_lover:20211122135646j:plain


厨房からはチリチリと音が聴こえ、先付けで目覚めた胃が、本格的にウォーミングアップを始めました。マスク越しにも、油の香りが。

さて、天ざるのお目見えです。どこから攻めたものか、やはり大将格のエビ天かな。ひとつ持ち上げガブリ、サクサク、ハフハフ。


衣の香ばしさとエビの風味だけで、しっかりおいしい。ふた口目からは、そばツユに漬けて食べれば、これまた、バッチリおいしい。


エビは背中が丸くなるほど長生きとの縁起物で、おせちの重箱の一角を占めるけど、残念ながら、エビ天は背筋ピンってしてますね。


新そばは繊細で、ハラハラとやわらかく、海苔とともに風味を堪能する。ピーマン天の苦味も嬉しく、年の瀬の気忙しさをしばし忘れる。


ツルツルとたぐれば、あっという間、そば湯までおいしくいただく。会計へ向かうと「アラ早いですねぇ!」と驚かれ、早食いを反省。


ごちそうさまでした。



麺喰らう(その 662)かけうどん

f:id:socius_lover:20211119181450j:plain


仕事中、水分をとって、もうひと頑張りしようというとき何を飲むか?私はもっぱら炭酸水ですが、先日自販機前で違和感を覚える。


見慣れた自販機に「和だし」、キッコーマン監修という小粋な缶をみつけたのです。甘い、苦いだけが缶飲料ではないということか。


言われてみれば、昔からコーンスープがあったわけで。先日も一風堂のスープ缶を飲んだし、塩系需要が広がっているのだろう。


で、今日は朝からすっかりダシ舌になっている。カエシのきいたそばではなく、淡麗なダシをぐびぐび飲みたくて、うどん屋 GO


各種天ぷらもおいしい店ですが、ダシを楽しむためにシンプルなかけうどん。サービスの生姜と天かす、および青ネギのみの精鋭です。


まずはダシをゴクリ。予想通り、いや待望したぶん、予想よりおいしく感じる。讃岐うどんだから、いりこ中心のダシだろうな。


うどんはモチモチと滑るような喉越しで、朝だからか格別に新鮮。まあ、いわば小麦粉のお刺身だもんな。長いうどんをひと息にすする。


天かすは、パウダースノーを持ち上げたときのように、口の中でサラリと溶けさります。おろしたての生姜も、漢方らしさを発揮します。


かけそばは清貧な印象ですが、もりそばだと通の食べ方です。しかし、うどんだとどう食べても「うどん好き」になってしまう不思議。


ともあれ、ツルツルと楽しんだのち、やおら丼ぶりを持ち上げて、ダシをじっくりゴクゴクと堪能する。お腹たぷたぷがシアワセだな。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 395)玉子かけごはん定食 with コロッケ in 松のや

f:id:socius_lover:20211120075014j:plain


慌しい年の瀬、朝ごはんも簡単にすませたい。昼間は混み合う松のやを狙うと、まばらながらも、カウンターにはすでに同好の士が。


松のやの朝は、玉子かけごはん、玉子丼、得朝ソーセージエッグ、得朝ロースかつ、得朝焼鮭など、お得がいっぱいで嬉しい悩み。


胃具合と欲望の落としどころで、玉子かけごはん定食。選べる小鉢をコロッケにして松のや感を醸しだす。これで250円とは恐れ入る。


まるで、気の早い初日の出のような生玉子(笑)。ごはん、味噌汁、海苔、コロッケを従えて、威風堂々とセンターをとっています。


さながら、ゴマキ加入前のモー娘。のなっち、などとオジサン思考を振り払い、粗めに白身を切り、醤油をさしてごはんにかける。


まずは味噌汁をズズッ、松屋と同じやつだね、ホッとする。コロッケは箸で潰してタプタプにソースをかける、こち亀流で行こう。


ここでお隣に到着したのは、ロースカツ&唐揚げ定食。朝から健啖家だな、と若さをまぶしく感じる。ともあれ、玉子かけごはんをパクリ。


トゥルトゥルの白身の合間を縫って、黄身の濃厚な旨みが広がる。醤油の刺すような塩っ気が味の決めて。ああ、生きててよかった。


トンカツソースを従えたコロッケは、芋の甘みがねっとりして、オカズヂカラに満ち満ちている。箸休めに海苔を食べるのも、また一興。


気忙しい年末になると、ユニコーンの「雪が降る町」が脳内再生されます。あと何日かで今年も終わるから♩さて、ひと踏ん張りしよう。


ごちそうさまでした。