今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 922)特製鶏そば

 

 

醤油ラーメンといってもスープのダシや醤油の銘柄により千差万別である。いわゆる夜鳴きラーメンを思い浮かべるのは郷愁にすぎず、これというスタンダードはない。

 

鶏がらスープの、昔ながらの東京醤油ラーメンは刺激の強い創作系に飲み込まれ、むしろ希少価値がある。町そば屋で食べられたけど、そもそも町そば屋が減っている。

 

個人的には澄んだ豚骨醤油スープの喜多方ラーメンが好きで、都内だと坂内で食べられる。こってりした徳島ラーメンもおいしいけど、都内には出す店が少ないし。

 

さて本日は特製鶏そば。大山(だいせん)鶏でダシをとったという澄んだスープの醤油ラーメンです。店のこだわりはさておき、鳥取とニワトリがにわかに結びつかない。

 

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調べてみるといろいろ種類があるようで、細かいことはいいんだよ、と思えてくる。銘柄鶏でおいしく仕立てたラーメン、それでいいじゃない。楽しみに待ちましょう。

 

やってきたのは海苔がフィンファンネルのように屹立した一杯。やるな、特製。そうでなくては。湯気が出ていないのは、脂が溶け出して表面を覆っているのだろう。

 

レンゲでひと口飲めば、あら、おいしい。丁寧な仕事は、ラーメンというより麺料理と呼びたくなる。細めの麺は、どことなく盛岡冷麺にも似たしっかりした歯ごたえ。

 

鶏チャーシューはしっとりと肉厚で、メンマはサクサクと心地よい食感。味のしみた煮玉子、煮えておいしい白髪ネギなど、鳥取の意地をみせつけられるクオリティ。

 

化学調味料を使わないとか、厳選素材をこだわり調理とか、ラーメンってどんどん袋小路にはまっていった印象があるけど、消費者としてはおいしいのが一番だと思う。

 

小難しいことを考えていると、海苔を食べるタイミングを逸し、最後にスープに浸して麺とともにすする。磯の香りが鼻腔を満たし、ついついスープを飲みすぎちゃう。

 

ごちそうさまでした。