冷奴を思う。暑い夏の晩酌にて、ようく冷えた豆腐に醤油をひと垂らし。刻みねぎ、しょうあたりを薬味に、チビチビ食べては涼をとる。ステキだけどあまり食べない。
豆腐の淡白さに、味つけが追いついていない気がする。麻婆豆腐、もつ煮、すき焼きなどパンチのきいた味つけの緩衝材として豆腐をとらえているからかもしれない。
とはいえ私もアラフィフとなり、豆腐自体の甘みを感じられるようになったし、減塩だの低脂肪だのを意識しているので、冷奴も悪くないとは思う。で、豆腐そば。
夏になると、箱根そばが豆腐一丁そばのキャンペーンを行う。何度か食べたけど、ボリュームがあり、体が涼しくなるので悪くない、というより、夏に助かる味です。
で、本日は独立系のこちらで、冷やしたぬき豆腐そばを選ぶ。夏メニューなので券売機にはなく、同じ値段の商品を買って、口頭で冷やしたぬき豆腐そばで、と告げる。
程なく登場したのは、丼ぶりの中央に鎮座した半丁ほどの豆腐に、これでもかと揚げ玉が散りばめられたひと品。ワサビがききすぎぬよう、2か所に分けて溶いてゆく。
そばを食べようと思うも、豆腐の重みでうまく持ち上がらない。少し豆腐を端に寄せて、スルスル食べると、よく冷えたそばはかための喉越しで、胃から涼が広がる。
カツオのきいたツユは、温そばより少し濃いめだけど、ぐいぐい飲みたいくらいの味わい。サクサクの揚げ玉、ぬるぬるのワカメ、ショキショキのねぎもいい塩梅です。
さて、冷奴。箸で少し切り取って、つるりと食べれば、大豆の甘味がする。ツユのしみたところもあるけど、基本はたぬき奴を食べているわけで、さっぱりした味わい。
最上級の豆腐ではないだろうけど、そばとの相性を思えば、ちょうどいい。暑さにやられた自律神経をなぐさめてくれます。高蛋白、低脂肪のオジサンの味方なんだな。
ごちそうさまでした。