今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 951)小さな野菜ラーメン塩味 with バター風味 in 8番ラーメン at 金沢

 

金沢のソウルフードといえば、8番ラーメンである。いわゆる郷土料理も多いけど、札幌ならちゃんちゃん焼きではなく味噌ラーメンなように、金沢では8番ラーメンである。

 

寿司はもちろん、ゴリの佃煮、治部煮などの伝統料理、金沢おでん、カレー、ハントンライスなどの新興勢もあるけど、身近な食べ物といえば、8番ラーメンではないか。

 

8番は昭和42年創業で、半世紀続けば立派な老舗である。戦中生まれのうちの両親世代はともかく、高度成長期に生まれた世代は8番とともに成長したわけである。

 

実は、中学のころ、金沢に住んでるときには8番は食べたことがなかった。ユニーに入っていたスガキヤが私の外食ラーメン初体験で、忘れられない初恋の味である。

 

8番はばんばんTV CMをしてたけど、フードコートでないので中学生には敷居は高く、高嶺の花だった。そこで事前に検索してみると、野菜ラーメンがオススメらしい。

 

小腹満たしなので麺は半分、塩味、バター乗せを選ぶ。しばらくすると、配膳ロボが狭い通路を器用に通り抜けてやってきて、結局は店員さんから恭しく丼を受け取る。

 

 

8の字のナルトが美しく、見た目は野菜がたっぷりのタンメン。スープはキレがあって、塩とは思えぬ複雑な味わい。キャベツはシャキシャキだけど絶妙な火加減。

 

なるほど、人気なわけだ。ヒラヒラした麺はちょうどよくスープをからめとり、バターを溶かせばコクが加わって、手のつけようのないおいしさ。たまらんですねえ。

 

単なるタンメンと異なり、めんまが乗っているのが嬉しいな。半麺だとあっという間になくなっちゃうし、無理をしてフル規格を食べればよかったと、後悔先に立たず。

 

メニューに「麺なし野菜ラーメン(野菜スープ)」があるのも頷ける、家庭では再現の難しい野菜のザクザクした歯ごたえ。関東から撤退したのが実に惜しい、悔しい。

 

この味なら、8番が長く愛されるのも納得。スガキヤが石川から撤退したのも、勝負に敗れた結果かもしれない。まあ、両者は関西で依然頑張っているけれどもね。

 

ちなみに8番ラーメンの名は、北陸の大動脈国道8号からきているとか。再び金沢に住むことがあるかはわからないけど、8番は必ずまた食べにくるぞと誓うのでした。

 

ごちそうさまでした。