今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 66)チャーシュー麺

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チャーシュー麺を食べる。そう決めたとき、男はロンリーワイルドになる。


途端に眼光鋭く、カカトでアスファルトを鳴らし、肩で風を切る。肉と炭水化物、それだけで OK


野菜?  あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのです


などと、日ごろ生活習慣病に怯えるおじさんとは思えぬ断固たる決意。たまにはいいだろう、を隔週くらいで実行するコンニャクの意志。


さて、こちらはチャーシュー麺で有名な新宿の名店。食券機にアルコール類がないあたりに老舗の矜持を感じます。1550 円、桁の数字に恐れおののきつつ、カウンターにて到着を待つ。


なんでだろうか、カラダに良いわけはないのに、ときどき無性に食べたくなるチャーシュー麺


左右を見回せば、男ばかり。カウンターも、厨房も、待ち客も男ばかり。そうか、お前たちもロンリーワイルドなんだな。


などと勘違いしているあいだにやってきましたチャーシュー麺


大きな丼ぶりにナミナミと注がれたスープ、こぼれないようカウンターからそろそろと下ろす。では、悲願成就でいただきます。


こちらのチャーシューは、大ぶりなことで有名ですが、まさに肉塊と呼ぶにふさわしい。


奥にはみ出したのをうかつに動かすとスープがあふれそうなので、まずは手前から麺をつるり、スープをゴクリ。


麺はクセのない中華麺、スープは和食にも通じるようなあっさり味でゴクゴクいけそう。


でも、巨大なチャーシューのために胃をあけておかねばならず、スープはほどほどにする。


しっかし、チャーシューのぶ厚いこと。手前の2枚もサービス満点だけど、奥のは「枚」ではなく「個」と数えねばなるまいて。


チャーシューに喫水線があるのは不可思議ですが、スープの下に潜む船体もとい肉塊は3センチはあろうかという厚み。超弩級と呼ぶのがふさわしい。


いつもならタイミングを悩みつつ食べるチャーシューなのに、今日は麺、肉、麺、肉と食べ進めても全く揺らがない肉のパラダイス。


アゴが疲れるラーメンなんて、しあわせのかたちそのものですね。


激しい戦いを終え、男の腹は満たされた。鉄を食え飢えた狼よ、死んでもブタには食いつくな。なんて尾崎の叫びも届かぬ中年腹。だが、それがいい。私がスリムになったところで、誰も得しない。


ノドが渇いたものの、麺と肉で水の入る余地がない。ここまで腹くちくなると一駅歩こうなんて殊勝な心がけもなくなる。まんぷく問題は時間が解決してくれるだろう、しばし待て、ノドよ。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 33)自家製マグロのあっさり漬け

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スーパーを歩くと、ついつい余計なものを買ってしまう。おトクなのだから買わねばならない、半ば強迫観念のような邂逅。


おっ、キハダマグロが半額か、これは買いだな。ホントに買いかな、とりあえず一周してみよう。


カレーも安いけど、この前ランチで食べたしな。うん、いい陽気だしさっぱりしたものがいいな。


おっ、キハダくん、待っていてくれたんだね〜。ちょっとスジっぽいし、消費期限も今日までだから、漬けにしようかな。


醤油をふた回し、みりん・お酒をひと回し半。目分量でフライパンに入れ、火を入れてフランベっぽくアルコールを飛ばす。


裸火が見えると、料理してる感があがるな。


あとはフライパンに氷を 5個放り込んでおけば適度に冷める。


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熱伝導がいいので、そのままマグロのサクを入れ、ときどき裏返して30 分ほどで漬けこむ。


生醤油をちょこんとつけるのもいいけど、たまに食べたくなるんですよね、漬け。


今日はマグロだけど、サーモンやタイでもおいしい。角がとれたまろやかな味になって、オカズとしても優秀です。


サクを切って、端っこは味見がてらパクリ。うん、いい具合に軽く漬かってる。


ツマに盛り付け、仕上げに残った漬け汁をさじでまわしかけて完成。おお、テリテリで、色味もよくなった気がするな。気のせいかな、自画自賛かな。


ご飯に合い、ビールにも合います。

もし残れば、だし茶漬けにしようと目論んでいましたが、育ちざかりにかかると瞬殺。

売れたのは嬉しいけど、もう 2切れ食べたかったな〜。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 65)たぬきうどん+ミニパンチ

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カカシのマークでおなじみの山田うどん


いや、なじんでないという人も多いのか、多いよね。埼玉県を中心にロードサイド店でおなじみの山田うどん。こう言ったほうがいいんだろうな。


さて、わざわざやってきました、山田うどん


都内某所の最寄り駅を降りた客は私を含めて2人。我ながら奇特なことと思いますが、食後の腹ごなしにお散歩でもしようという心づもりです。


休日の朝早く、店内は客もまばらでカウンターに腰かけてメニューを開く。


まずはシンプルにたぬき、それも店名にあわせてうどんにしよう。それから名物という煮込み、その名もパンチを注文。


小さい頃、西武沿線でよくみかけたなあ、山田うどん。都下とはいえ、歩けば 10 分もなく埼玉だったもんな、あの辺り。

刷り込みでナショナルチェーンだと思っていたけど、そうでもなかったんだな。


などと考えていると、ほどなくやってくるわが朝食。働きもののお婆ちゃんが運んでくれました。


まずはうどん。なんというか、ザ・家庭の味のようなうどん。


袋うどんを家でゆがいて、ダシと醤油とみりんで味つけした、日曜日の昼下がりのような味。個性のなさがどこか懐かしい。


だが、山田うどんはそれでいい。


お楽しみ、名物パンチもいただきます。

もつは臭みも少なく、噛めば噛むほど味が出る。針生姜かと思っていたらメンマですね、こちらも味を主張して、コリコリ食感もいい。それらの味がしみてるコンニャクもいいネ。


これはうどんよりライスが合うな。なんならビールも合うけど、まだモーニングタイムだし… などと悶えるアラフィフの幸せな悩み。


うどんもパンチも七味をかませば、また味のステージが上がりました。交互に食べ進めるうちにあっという間に完食。店内には定食メニューも多く、普段使いの半径にないのが惜しまれます。


店を出たあと、お婆ちゃん店員さんに貰ったサービス券をみれば、クリームコロッケ無料券。期限内に再訪できるかな、魅力的だけど交通費のほうが高くつくな。


ごちそうさまでした。


さて、曇りがちだけど涼しいし、ひと駅くらい歩いてから帰るとしますかね〜と街道沿いを行けば程なく日野市に入る。


すると「日野市は新撰組のふるさと」的な看板が立っている。大河ドラマの頃の看板かな?  面白かったな、新撰組‼︎


この辺はたしかに土方歳三の生まれ故郷ではあるけど、新撰組自体にゆかりがあるのは京都、譲っても市ヶ谷あたりじゃないだろうか。近藤勇は調布だしね。


まあ、言ったもん勝ち、燃えよ剣を読んで以来の土方ファンとしてはオーケーです。


さて、10 数分も行けば平山城址公園入り口の看板が。


城の造りの区分としての平山城ではなく、平山季重の居城だったから平山城。源平騒乱期の人物だとか。不勉強で、よく知らなかった。


案内通り道を行けば、いきなり坂。 iTunes を操作して BGM をドラクエ III にして気分を盛り上げる。


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貧困なボキャブラリーだけど、勇者ヨシヒコで山賊が出てきそうな道、というのが一番しっくりくる。私鉄を下車して5分で山道ってすごいな。


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しばらく行けばいったん住宅街、なんか天空城入口みたいな階段を登ると、ようやく公園に。雰囲気に合わせ BGM をドラクエ Ⅳ に切り替える。


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登ること 15 分、息が軽くはずむ運動量です。景色は最高、ただし古い城の遺構だから、戦国期のような石垣とかそういうのはなし。ただただ平山氏の栄光に思いをはせるのみ。


まあ、地名としてその名を現代にまで刻んでいるわけで、そういう意味では成功者ですよね。


トヨタなんて、早いうちに企業城下町を築いて地名となりましたが、比べるのはヤボ。あちらは世界のトヨタ、こちらは京王沿線。


さて、せっかくなので自然と景色を愛でて、下山しよう。


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いい散歩でした。












麺喰らう(その 64)冷やしコロッケそば

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連休だというのに、悲しい宮仕えのサガで、いつも通り6時前に目がさめる。みれば妻も、洗濯や炊事など、いつも通りに動いている。


ゆっくりとコーヒーを飲み、いつもより 30 分遅れで家を出て、ふだん急ぎ足の通勤路の新緑を楽しむ。何もしないをするみたいな、贅沢な時間。


定期券があるので電車に揺られ、ターミナルまで出てみる。目的もなく空いた電車に乗るというのもまた、贅沢なもんだ。


すると、いつもは混み合う箱根そばがすいているので、ここぞとばかりに入店。ひとしきりメニューを見たあと、冷やしコロッケそばをポチッとな。


コロッケそばというのは1つのアイデアで、天ぷら同様に油分を足すことでそばツユに膨らみが出る。でもトンカツだと麺に対して固すぎるのだ。ちょうどコロッケがそばに合う。


まずは、たっぷりついてきたワサビをとく。器を傾け、ツユに浸しつつ、手際よく。開店間際だからか、ツンとした香りがいいネ。


そばをたぐれば、キンキンにしめられていて、素晴らしい喉ごし。ツユは濃いめのダシ系で、キュウリの青臭さをうまく包んでいる。

薬味としてはベテランのネギは安定のからさをもたらし、そばにまぶしては食べる。


そして、コロッケ。まだあたたかなコロッケ。えっオレ、そばに乗せられてるの?  と動揺を隠せないコロッケ。


おもむろにガブリ、おや、カレーコロッケ。そういえば箱根そばはそうだっけ。意外さにこちらも動揺を隠せないけど、カレー風味がいいアクセントになっておいしい。


ツユを吸ってもしっかりと形を保つコロッケは、ウスターソースよりも淡麗なツユに似合う。麺、コロッケ、麺、キュウリ、と食感を楽しむうちに器は空っぽ。


最後は丼ぶりに口をつけツユをゴクリ。ツーンとワサビがきいている。こいつは飲みきれんな、と慌ててそば湯で薄めて完飲。


いつもと似たような時間、場所でも人が少ないだけで風景として全く異なるな〜などと当たり前の感想を抱いて下り電車に揺られる。ひとりだけの無駄な時間による、ストレスの解消。


ごちそうさまでした。



麺喰らう(その 63)自家製 室蘭カレーラーメン

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お土産でカレーラーメンをいただく。


室蘭名物らしく、パッケージには「第4の味」と謳われている。なるほど醤油、味噌、塩に次ぐ北海道ラーメンということだろうナ。


そもそも、カレとラーメンという二大国民食は、なぜだか相容れることがなかった。カップヌードルカレーというロールモデルが偉大すぎるのか、広がりに欠けた。


高級でない蕎麦屋には大体カレー南蛮があるし、カレーうどんなどは専門店もあるくらいで、汁物とカレーの相性が悪いわけではない。飛び跳ねは怖いけどサ。


ようは個性と個性がぶつかり合うと、悪い結果になりがちということなのだろうか。ON のように両雄並び立つほうが珍しいのかもしれない。


そんなカレーラーメン。パッケージのおすすめ通り、チャーシュー、ネギ、温玉、メンマをのせる。ムムム、わが家の器の色も相まって、カレーうどんにしか見えない。


スープをひと口。カレーうどんとは確かに異なる中華スープのはずだけど、カレーが勝って断言できない。おいしいのはわかるけど、分析力がゼロの己れの舌バカを恥じつつ、麺をすする。


縮れ麺に濃厚なカレースープがよくからみ、鼻に抜ける風味も合わさって間違いのないお味。メンマもチャーシューもカレー色に染まっているけど、自己主張は忘れない。


温泉玉子は、白身、黄身ともにスープにまろやかさを加え、単調になりがちなカレー味に変化をもたらしてくれる。オススメだけある相性のよさ。


スープの辛味は程々なのに、濃厚なコクはノドの渇きを覚えるほど。冷たいお茶を飲みつつ食べ進める。


ラーメン二郎よろしく、もやしを入れておけば野菜がたくさん食べられたなぁ。パッケージの裏に小さく書いてあるんだもん、買い物のあと気づいても、後の祭り。


麺や具材をキレイに食べ終えてもまだ残るカレースープ。ご飯にかけても、まだまだいけそうな濃厚なスープ。さすがに飲み干す胆力はなく、まだ癒えぬ喉の渇きをお茶で潤す。


寒〜い北海道で食べたら、おいしさ倍増だろうな。冬の室蘭にいく機会が、短すぎる人生で得られるのかどうかわかりませんが、その節は試してみたいと思います。


ごちそうさまでした。


定食春秋(その 32)鉄鍋棒餃子

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餃子が食べたい。


カリカリの皮に潜むアツアツの餡と、殺意があるかのような肉汁のシャワー。


これほどオカズになるのに弁当向きでないメニューも珍しいけど、今日のランチは餃子モード。


で、本格中華の店で鉄鍋餃子を注文。水餃子が覇権の、本場中国にあるのかはしらんけど、ここは日本だ、あまり考えないことにする。


しばらく待つと、めちゃめちゃ熱いから〜となぜだか満面の笑みを浮かべた店員さんが運んでくる。

キビキビと取り皿をくれて、ここにタレ入れてね〜と教えてくれる。謝謝。


まずは端から1本取り上げて、そのままパクリ。当然ながらあっつい!!


でも何もつけないと、ハフッ、皮の味がしっかりわかるな、ハフッ。餡にはにんじんも入っていて、肉の味もしっかりするな、ハフハフ。


2本目は、取り皿の上から酢を回しかけ、さっぱりいただく。おいしい。鉄板からは、いまだ油がはね上がり、オレに牙を剥いている。


さすがに3本目にかかる頃、鉄板も落ち着きを取り戻したようす。コイツにはさらに醤油を回しかけて味変更。


ご飯にバウンドさせては、ひと口かじるを繰り返す。うん、醤油の風味で肉汁が華やかになったね。


4本目は、ラー油をタラリと追加。この食事初めての辛味で、いつもの餃子になりました。うん、これもおいしい。ご飯がすすむ味。


さて、オーラスは卓上の鎮江香醋が気になったので、すっかり大人しくなった鉄鍋に直接かけてみる。いかにも中華な香りが鼻をつくけど、おいしい。


なんとか読み取れた原料は米、麦、砂糖ほか。米酢なのかね、風味豊かでおいしいけど、本来なんに使うものなのかね。


かすかに残るご飯をサクサクのザーサイでいただく。なんてことない卵スープが食事の最後を締めくくります。


うん、満足。餃子欲は満たされました。再見、餃子。


ごちそうさまでした。



定食春秋(その 31)串カツ&ハンバーグランチ

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串カツというのは、上からカツ、タマネギ、カツ、が一般的なのだろうか。記憶が定かではないけど、どこで頼んでもそうなってる気がする。


とんかつのさぼてんではタマネギ、カツ、タマネギだけど、あれはわざわざ玉ねぎ串カツを名乗っているから、主流派ではないだろう。


かの東海林さだおは、ビールのアテには串カツこそ最高と言っているが、私もそう思う。少なくとも枝豆ではない。口内の油をすすぐのがビールの醍醐味の1つだと思う。


もちろん串カツはオカズとしても優秀で、そんな串カツを冠にいただいた定食には期待が大きく、胸が高まる。


まずは何はなくともベジファースト。キャベツとグラッセをいただく。ハンバーグのソースをおすそ分けしてもらったキャベツ、あま〜いグラッセ、いずれもおいしい。


そしてハンバーグ。箸で割ると肉汁があふれ出る。パックマンのような形に 60° くらいひと切れ取り上げ、パクリ。肉の旨みとソースの味が渾然一体となる幸せ。


表面はうっすらと焼き色あざやか、なのに中までしっかり火が通っている。家庭ではできないプロの妙技に酔いしれる。


キャベツは早々に食べ終えているので、お口直しはスパゲティのケチャップ和え。こいつは、いろどりだけでなく味もアクセントですねえ。


串カツ、大きさ的にはおそらく二段構えかな。1つはソース、1つは醤油で食べようっと。うーん、ここは素手かな、箸ではないな、正解は。


まずは上から串の順に。おっとカツだね。するとお次はタマネギか。うんうん、アツアツでビールが恋しくなる期待以上のおいしさ。


2つ目はあえて縦に半分ガブリ、カツとタマネギを同時に味わう。醤油味は正解。ツマミではなくオカズ寄りの味に仕上がり、してやったり。


小ぶりな茶碗のご飯はおかわりできるけど、あえてしない。おかずをよ〜く噛んで、ご飯を少しずつ、しっかりと口内調味して、みそ汁とともに嚥下する。


最後はお茶でさっぱり、ひと切れついてきたパイナップルを手でパクリ。ハンカチで手の油をぬぐって満足度の高いランチを終える。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 62)タンタンメン

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◎タンタン(旦旦);神戸王子動物園のパンダ

◎タンメン(湯麺);野菜炒めののった麺料理

◎ワンタンメン(雲呑麺);ワンタンののった麺料理

◎タンタンメン(担々麺);辛味をきかせた麺料理


並べるとゲシュタルト崩壊を起こしそうですが、似て非なるもの。どれもおいしい。いや、タンタンはかわいい。


さてランチにタンタンメン。

本場中国での定義はともあれ、コレといった絶対の定番があるわけでなく、店によってスタイルはさまざま。


大きく共通しているのは、ゴマのきいたスープに山椒や辣油で辛味をきかせたところ。ひき肉がのせられていることも多い。


本場では汁なしが主流とかいうけど、やはりラーメン好きとしてはスープありが好き。汁なしは別ジャンルの、パスタ的な食べ物としておいしいけどさ。


さて、こちらはとろりとしたゴマペーストに、青梗菜がのったタイプ。ひき肉ではなく、チャーシューなんですね。ふふふ、楽しみ。


まずはスープの上澄み、といっても一番ゴマの濃いところをスルリ。おおお〜鼻に抜けるゴマの風味がたまりません。


ピーナッツバターのような、ゴマの甘みが感じられる味。しびれ要素はほぼなく、辛味がほんのりくる味つけ。


麺は博多ラーメンのような細麺ですね、スープがよ〜くからんでおいしい。もう少し辛味が欲しくてラー油をひと回し。濃厚なペーストをレンゲですくっては麺をすする。


ニラや青梗菜も歯ごたえ十分。チャーシューは箸を入れれば崩れるホロホロ加減、底に沈むとサルベージが難しそうなので、慎重に箸をつける。


ライスを頼んでいる人が多いのもナットク。このチャーシューと、スープなら2杯はいけそう。まあ、ランチタイムからそんな無茶できる歳でもありませんが。


麺を食べ終え、表面に残る濃厚部分をフチに追い込むようにすくっては飲む。やめどきが難しい。この味を飴にしてしばらく舐めていたい、そんな磁力のあるスープです。


小さな意志の強さを発動して、レンゲを置き、グラスの水で口を洗い流してお会計。次回にどうぞ、と味付け玉子無料クーポンを貰う。


なんだこれ、次回ご飯3杯食べられちゃうな〜嬉しい悲鳴を声なき声であげる。その日の胃腸が冒険してもいい調子だったらね。


ごちそうさまでした。


麺喰らう(その 61)肉舞茸そば

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財布に万札しかない朝。

しまった、PASMO にチャージして崩しておけばよかった。


お目当てにしていた立ち食いそばは個人店だし、朝イチから大きなお札を出すのがはばかられる。


気を回しすぎの小市民としては、券売機のあるゆで太郎にシフトチェンジ。


考えてみるとゆで太郎では朝セットばかり食べているので、あえてレギュラーメニューから肉舞茸そばを選ぶ。

せっかくなので冒険するお年ごろ。


肉の脂が出たツユをまとうそばがおいしい。選択は正解。クキクキとした舞茸もアクセント。

シャキシャキのネギとともに豚肉を食べると、ご飯のオカズにもなりそうな深〜い味わい。


ポイントは、サービスの天かすを丼ぶりの周囲にぐるりとのせたこと。名づけて環太平洋天かす帯作戦です。


丼ぶりの真ん中から食べれば、ふつうの肉舞茸そば。でも、丼ぶりに直接に口をつければ 360° どこからでも天かすが口に飛び込み、油にまみれられる、二段構えの作戦。小太りならではの着想です。


七味もきいてるし、おいしくてツユもついつい飲みすぎるし、そもそも蒸しっぽい天気に汗がドッと噴き出す。たぶん、デコからはとれとれの油も出てる気がする。


ああ、そろそろデオドラントの季節だな〜なんて思いながら完食。ハンカチで汗をぬぐってグラスの水を飲み干し、どんより雲の出勤コースに戻る。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 30)海鮮丼

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海鮮丼


ちょっと帰りが遅くなって、スーパーに立ち寄る楽しみといえば割り引き惣菜。3割、4割は当たり前のシールが乱舞する。


普段は物怖じする海鮮類も、このときばかりはお値打ち価格、思わず手が出る宵の口。


いい買い物ができた日は、自然と早足になりますね。単純というか、素直というか、スーパーの袋もシャワシャワと素軽い音を立てています。


帰宅してそそくさと着替えを済ませ、苦目のエールビールをプシュッと開けて、いよいよご開帳。


さてさて、いろどり豊かなメンバーが、丼ぶり狭しと居並んでいます。おっ、菜の花は季節感ですな。


サーモン、タコ、マグロ、エビ、光り物、いくら、貝、いか。食感も旨みもそれぞれ個性的。


酢飯と醤油だけで十分おいしく、刺身を残し気味に食べ進める。晩酌優先のクセだな、いかんいかん。酢飯と刺身を同時に食べ終えるのが、理想的だよネ。


それにしても、光り物や貝の名前がわからない自分の浅学さを思います。自分のカラダをつくるものに無頓着というか。


前は、おいしければいいと思っていたけど、知識は荷物にならないんだから、積極的に取り入れていきたいものです。


通勤がてら季節の花の名前を覚えるとか、ちょっと人生が豊かになる気がするよなぁ。そういえば、帰り道に去年覚えたシャガの花が咲いてたっけ。


ま、一気に人生観が改まるわけでないから、少しずつ、少しずつ。今年の夏は、星座でも見つけようかな。


とか言ってるうちに、マグロを残して酢飯を完食。最後はワサビをきかせてマグロをパクリ、ビールをゴクリ。明日は休肝日、もう1本飲もうかな。


ごちそうさまでした。