今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 81)べっこう寿司

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まだ、大島にいます。


お昼を食べ終え、近くの温泉に入ろうと海沿いを歩く。気持ちよい風が吹いていますが、いかんせん潮風なのでべとつきますナ。



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程なく到着した温泉は御神火(ごじんか)とかいう、火山島っぽいお名前。サウナ、ジャグジー、打たせ湯などひと通り楽しむ。昼風呂は最高だ。


まだ日が高く、風呂上がりのビールを我慢して再び港へ歩く。


ゲンキンなもので行きはべとついた潮風も、気持ちよく感じる。オレ、生きてるなぁと実感する開放感。


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何軒か土産ものを物色してから、大島牛乳アイスをいただく。濃厚とサッパリの両立。店のおばちゃんイチオシだけあって、コイツァうまい。


で、帰りの便の出発港へとバス移動して、出航までおやつタイム。


名物のべっこう寿司を注文。これまた名物の明日葉茶を啜りつつ、到着を待つ。


やってきたのは照り照りのしょう油色がまばゆいひと皿。本日の白身は、お昼に食べ損ねた目鯛とのことで、にわかにご機嫌となる。


島唐からしで、ピリ辛に仕上げたしょう油で食がすすむ。シャリも少なめの小ぶりなので、あっという間にペロリ完食。


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いやー、おいしかったナ、大島。


船は思ったより揺れないし、島内は風光明媚だし、離島初心者にはちょうどいい感じでした。機会があったらまた来たいな。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 80)地魚刺し身定食

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なんとなく、伊豆大島にやってきました。


非日常を求めつつ、日帰りしたいアンビバレンツな欲望を満たすのに、ちょうどいいのです、大島。

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ジェット船で都内から 90 分足らず。なんなら名古屋に行くのと同じと思えば、意外と近い。


これから天気予報を見るたびに、あの大島だ、なんて思えるんだから、日帰り強行軍も悪くはない。


さて、旅先という非日常では、たいがいのものはおいしい。旅先の空気感、あるいは交通費と元手をとろうというさもしい先入観か。


ともあれ、一見の店を見極める、普段の食事習慣の総決算のような能力が求められるのだ。


まあ、まずは観光。


あいにくの曇天なので三原山はあきらめ、大島公園へと向かう。名物の椿は季節ではないし、だだっ広い動物園を楽しむ。


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八丈島キョンや、日本最大級の猿山に大挙するワオキツネザルなど、小さいながらも見所は多い。無料だし、足を運んだ価値はあった。


で、お昼どき、お食事処を物色。


と言っても選択肢は多くない。こんなときまで食べログに頼るのも本能が鈍りそうなので、あえて自分を信じる。


どの店も、中が見えない。落ち着け、都心にもこの手の店は多い。何か、ヒントがあるはず。


いや、わからんな、ノーヒント過ぎる。ここは、下手の考え休むに似たりで、いちばん手前に決めた。


で、入ったお店は先客が3組。人がいるだけでホッとするネ。私のすぐあとのお客さんは地元民なのか、すぐに生ビールと玉子丼を注文、潔いな。


こちらは一期一会の覚悟をもって、慎重にメニューを見つめ、壁のオススメを睨め付け、先客のメニューを窺う。


石橋をコツコツと叩いたのち、目鯛定食を頼むも無念の品切れ。外れ1位の地魚の刺し身定食を頼む。むう、逃した魚は大きいかな。


ともあれやってきた地魚の刺し身はどれも新鮮でおいしく、堂上を外して坂本を獲ったジャイアンツのドラフトであったと納得。


付け合わせはどうってことないですが、やはり刺し身は本物、コリコリ、ムニムニ。


考えてみれば、豊洲から運ぶよりも周囲の海が天然の冷蔵庫だもんな。


ペロリと平らげて観光に戻る。帰りの船までは、まだまだ時間があるのだ。


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ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 143)涼彩そば

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その名を聞くだけでも涼しげな、涼彩そば。名づけの勝利というか、それだけで正義。


店頭のディスプレイをみるに、いろいろのった冷やしそばといった風情。豪華なムジナかな。


ともあれ、冷やしの季節もあとわずか。ここぞとばかりに暖簾をくぐる。


大テーブルの角を陣取り、グラフの水をちびりと飲む。お楽しみは、これからだ。しばし店内を見渡しながら、到着を待つ。


やってきたのはオールスターといった様相の冷やしそば。


最近は冷やし中華に対抗するのか、てんこ盛りな冷やしそばを出すそば屋さんが増えた気がして嬉しい限りです。


さて、つゆを回しかけて、イザいただきます。


わかめクキクキ、

たぬきサクサク、

きつねアマーイ、

なるとモチモチ、

たまごシットリ、

きゅうり清涼感。


なるほど、オールスター級のスタメンでもそれぞれ役割を果たすと、チームとして機能するんですね。まるで明訓高校のようですナ。


時折紅ショウガをつまんで口をサッパリさせつつ、あっという間に完食。ボリュームを感じさせない味の曼荼羅、幸せな時間でした。


蒸し暑いし、まだ残暑も来るんだろうけど、さわやかなひととき。涼彩、ことばのチカラですね。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 79)アジフライ MIX ランチ定食

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目指した店は不定休、お目当てが外れたランチタイム。陽気にやられる前に、エイッと飛び込んだトンカツ屋さん。


トンカツ腹ではなかったものの、いざメニューをみると途端にお腹が鳴ってくる。店にただようラードの香りにフォーリンデブ。


ひとしきりみて、アジフライがいいナと決定。どうせならいろいろ食べたいので、MIX ランチに。


四桁なので逡巡もありましたが、お昼どきだと 300 円もおトクなのが決定打。


まずは豚汁をズルリ。薄めの味付けで、口の油を洗い流すのによさそう。


ではでは、空腹のうちにアジフライにかじりつく。まずは何もつけずにそのまま。おお、ほのかな塩っ気と魚の旨みが確かなお味。思わずもう一口。


お次はタルタルをたっぷりのせてガブリ。濃厚なコクが加わって、幸せが口に広がる。


おっと、ご飯を食べるのを忘れてた。もりもりかきこんで口内調味。とにかくうまし。


欲望のままにアジファーストを決行したので、しばらくはキャベツを食べる。


トンカツ屋さんのソースって、深い味わいですよね。業務用なのかもしれないけど、千切りには最高のドレッシングです。


さて、残るはヒレカツとコロッケ。ご飯、キャベツはおかわり自由らしいけど、中年の胃にそんな余裕はない。口惜しいけど、現有戦力でランチを組み立てていく。


カニクリームコロッケは、ほんと濃厚で、海産物のエキスが詰まってますといったぽってり感。


これは何もつけなくていいかな。ご飯よりも白ワインに合いそうなクオリティ。


そして最後の一口ヒレカツ。ソースをたっぷりまぶしてパクリ。


サクサクとした衣、豚らしいキシキシとした食感、鼻に抜けるカラシ。いいねえ、様式美だナ。


一口と言いつつも、残るご飯のパートナーとするべく、実際は四口カツ。


揚げ物のあまりのおいしさに、ついついご飯を食べ忘れがちだったので、最後はご飯だらけ。


若干、組み立てに失敗を覚えつつも、やはり揚げ物は専門店に限ると再認識。カラッとしているので胃もたれも少ないしね。


思わぬ揚げ物との出会いに、気持ちもアゲアゲ、夏に負けずにいきたいものです。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 142)かき玉うどん

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暑いときこそ、熱いものを食べる。

エビデンスがあるのか、精神論なのかはともあれ、古来そう言われてきた、気がする。


胃が疲れ気味のこの頃、わが胃にやさしさを与えたくて、うどんを選択。しかも油物よりもやさしそうな卵、さらにあんかけを選択。もはや胃を甘やかしている様相。


まずはうどんをすうっと1本ずつすくい上げ、フウフウ、ツルツル。甘辛のあんがからんで、おいしいネ。ハフハフとよく噛んでから飲み込む。


フワフワの卵を箸で持ち上げてパクリ。滋養に満ち溢れてる味で、咀嚼もそこそこに飲み込む。汗が噴き出すけど、サウナ気分で悪い気はしない。


シャキシャキの水菜はツユに漬け込んで熱を通しておこうと、沈ませておく。


あとはひたすらにうどんをツルツル。


やがてシャバシャバになっていくあんかけの変化も趣き深い。ツユが冷めていくのと並行していて、どんどん食べやすくなり、うどんツルツルも加速していく。


やがて水菜がこんにちは。

すっかり煮えた水菜をいただき、器を持ち上げてツユをごくり。夏こそ熱いもの消夏法、効くとは思うけど、デオドラント必須の汗だくです。


最後のお楽しみにとっておいたグラスの水をグイッと飲み干し、炎天下に再び舞いもどろう。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 141)冷やし黒胡麻坦々麺

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ふだん、消化管というものを意識して生きていない。何というか、勝手に動いてるし、具体的に指示を与えられるわけでなし。


しかし、哺乳類なんて極端に模式化すれば円筒になるわけで。外側が皮膚なら、内側が消化管。


そう思えば、よきにはからえ〜ではいけないな。彼らもまた「外界と接触」している最前線なわけだしね。


能書きはさておき、涼しくなっても辛いものが食べたいのは、空調で不当に冷やされたカラダが、夏らしさを求めているのではないかと思う。


そんな、何の気なしに頼んだ黒胡麻坦々麺。冷やしだからそんなに汗をかいたりはしないだろうとタカをくくり、箸をのばす。


おや、麺がすでに黒い。この場合、黒要素は胡麻ではないかと思われる。では、ざっくり混ぜて、ズルリと勢いよくすする。


おっ、黒胡麻やナッツの香りが鼻腔をくすぐり、まずはおいしい。しかし、口の中では、ラー油と香椒が張り切ったと思われる、辛さとしびれが暴れ出している。


カイワレ、もやし、キュウリの抵抗むなしく、ひと口ごとに刺激が俺を責める。ココロ、カラダ、よみがえる。そんな、青いイナズマのような刺激たち。黒いけど。


ひき肉はおいしいけど、どうもここにしびれがいるようで、逃げ場なし。

360 度、全方位カラシビ。うれしい、おいしい、カラシビ。


水をチビチビ飲みつつ、食べてゆく。麺が冷え冷えのおかげでデコ汗は出てこないけど、胃が熱い。ホットサマーが腸に来ています。


皿の底にはラーユ海。イタリアあたりの内海にありそうな名前ですが、ここは日本の中華料理店。

残り少ない麺にまぶしつつ食べると、胃腸にトドメを刺した気分。


頭と心はおいしいと言っているのに、内臓はシャレならんぞと抗議してくるような、アンビバレンツなランチでした。


そして、明くる日。胃カメラを飲むと胃に黒い点々が。


なんの重篤な疾患かと覚悟すると、医師はさも退屈そうに「あー、きのう辛いもの食べたでしょう?  これよくあるんですよねー。出血のあとです」とのこと。


しみじみ、たまには胃腸も労わらなきゃと思ったとサ。連続して激辛なんて、頭は満足、心は天国、胃腸は恨み節、なんだね。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 140)本枯れ中華そば

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サイフォンっていうと、髭をつけたマスターがいるような、シャレた喫茶店のイメージ。


理科の実験器具のような風体なのに、何ちゃらの原理を使っておいしいコーヒーを淹れられる。


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で、こちらのラーメン店は、サイフォンでダシをとっている。


カウンター席からオープンキッチンをみていると、ダシの香りが心地よく、見ていて楽しい。でも熱源に近いので、暑い。


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さて、基本のラーメンを頼んだけれども、具材リストからお選びくださいとのこと。どれも魅力的だけど、豚チャーシュー、エリンギメンマ、うずらの卵を選択。


ジャズの流れるなか、ゆっくりと出来を待つ。やがて、具材が別盛りで運ばれてきて、なるほどとことんシャレてるなぁと感心する。


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さて、真打ちのラーメン登場。なにやら謎の泡が浮かんでいるので、慌ててレンゲですくう。


なんだろう、ダシかな。おいしいのはわかるけど、名称の見当がつかない。


ラーメンを食べつつ、具材の皿に箸をのばすのがよいか、それとも具材を載せてしまうのがよいか。


特に説明もなかったので、すべて盛りつけてしまう。せっかくだからおいしいスープをまとわせなきゃ損だ。


では、ではお待たせしました、オレの胃。いよいよ実食です。ズルズル、おっ、麺は小麦の味がしますね。


全粒粉のパンを食べたときのような、自然に近い感覚でおいしい。錯覚かな。カンスイばりばりの黄色い麺も好きなんだけどね。


スープは目の前でプチイベントを見せつけられただけに、思い入れもあって、格別においしい。


うっすら浮いた油まで華やかで、太宰の母が匙ですうっと音もなく飲んでそうな上品さ。


具材はどれも上品に主張している。チャーシューしっとり、うずらちゃんネットリ。エリンギメンマは味わい深く、とくに印象的でした。


ほどなく食べ終え、スープをどこまで飲んだものか逡巡しながらレンゲを置く。高血圧はダテじゃない。減塩は日々の積み重ね、なのだよ。


ごちそうさまでした。



定食春秋(その 78)自家製 牛タン・ソーセージ盛り合わせ

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自宅で肉を食べるというと、しばし悩む。


鶏なら唐揚げ、豚なら角煮、牛なら焼き肉、かな。いずれも専門店のほうがいいんだけど、たまに家でつくると、それなりにおいしい。


さて、本日は「炊きたてご飯のオカズ」が課題。本音は卵かけご飯で十分だけど、家族の夕餉としては、残念ながら物足りない。


スーパーを回遊しつつ、体調や特売とも相談して選ばれたのが牛タンとソーセージ。いずれもオカズとしての実力は証明された猛者どもだネ。


味覇で簡単卵スープをつくり、大皿にキャベツをしきつめ、トマトをのせる。あとは仕上げをごろうじろ、フライパンに火をつける。


ムム、iPhone さん、ごろうじろが変換できないのか。「ご覧じろ」だぞ、五郎二郎って予測はどこから来た?


閑話休題。調理に戻る。


アメリカ産の牛タンは厚切りなので、ややかたくなるかな〜弱めに火を通そう。塩コショウも忘れずに。生レモンを絞ってさっぱりいただくのさ。


ソーセージは奮発してシャウエッセン


われわれ世代では、あのパキッて音が脳内再生される、シャウエッセン。刷り込み効果で、いざというときはつい買ってしまう。


さて、たっぷりのマヨネーズを添えて、オカズは完成。白ご飯に合うこと、間違いなし。


学生の仕送りあとの贅沢みたいな夕餉ですが、みるみるわが家の若者の胃に吸い込まれていきました。


たまには、いいナ。こういうのも。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 139)辛っとろ麻婆麺

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蒸し暑い日に辛いものを食べて、いっそ汗をかききってしまおうという、確実にどこか間違えた健康法。だが、それがいい


いつもの人気店も昼下がりは行列がなく、これ幸いとカウンターに滑り込む。さあ、力いっぱい汗かいたるでぇ。


注文すると辛さを確認される。レベル2=辛口がオススメのようなので、胃腸とも相談のうえ無難に従う。


からすぎると、味がわからないうえに、内臓が悲鳴をあげますんでね。


さてやってきたのは、唐辛子と山椒が散りばめられた一杯。茶色のスープが「あ、生半可な気持ちで食べないでくださいね?」と語りかけてきます(幻聴)。


まずはスープひと口。ウヒョッ、熱くてからい。わかっているのに不意打ちのようにからいもんだから、意外な感嘆詞が浮かびますよ、はい。


しばしトロミのついたスープを舌で転がし、からシビを堪能して、麺をとりあげる。


うん、濃厚なスープが太麺によくからんで、予想以上にキテます!  これからの戦いの厳しさを予感させるね。


生玉ねぎは熱々のトロミですぐに半煮えに。シャキシャキ甘みが感じられ、ちょうどいい清涼剤になります。


豆腐はトロミにまみれ、殺意のあるような熱気で私を喜ばせます。


ウヒョッ、のどがかゆい。唐辛子がダイレクトでノドチンコについたかナ。流石にこれはすぐにグラスの水で鎮火。ちょっとイタイ。


お隣さんはライスも注文。チラッと見ればなるほど、トロミがついたままのスープと具材でミニ麻婆丼をつくるのか。それもおいしそうだけど、そんなにお腹にアキはない、無念。


さて、ひき肉たっぷりのこちらのメニューには、やはり穴あきスプーンが欠かせない。頼もしい回収力をもって、具材とスープを選り分けてくれます。


ひき肉をワシワシとかみしめれば、食感は麻婆豆腐そのもの。汗が止まらないので、毒くらわば〜の精神で卓上の山椒を追加してみる。ついでに揚げニンニクもふりかけてみる。


いよいよ完全体に近づいたわがラーメン。


フリーザの完全体がアッサリとした印象であるように、こちらもトロミがなくなってアッサリとしました。いや、からさは相変わらずですけどネ。


グラスの水を甘露がわりに、汗だくの戦いを終える。汗は裏切らない、汗をかいたぶんだけ強くなっているんだ(主に胃が)、きっと。


ごちそうさまでした。


定食春秋(その 77)カツ丼

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小さい頃の夏休みを思い出すと、30℃を超える日なんて数えるほどで、熱帯夜なんて驚くくらいだった。


なのに、今や都内は亜熱帯と言えるような気候で、スコールよろしくゲリラ豪雨が降る。


まあ、外気の具合とは無関係に 12 時になればお昼休みで、お腹がすいていればランチを食べに外を歩かねばならない。


しっかし、暑い。雲が出ているのに暑い。一時期の体温みたいな外気よりはましだけどさ。それでも室外機やアスファルトが、熱心に熱をはきだしてます。


とはいえ今さらエアコンのない生活にも戻れないし、今できることは耐えること。


さて、這々の体でたどり着いた定食屋さん。不定休なので入れただけでもありがたや。


メニューを2周見回して、選んだのはカツ丼。ブタミンでスタミナつけにゃあならん。


店内はエアコンがきいているものの、カウンターは厨房に近く、背中は涼しく、お腹は暑い状態。


ただ、キッチンではオカアサンが火の元を取り扱って調理してくれているのだ、文句などない。


さて、やってきたカツ丼さま。どう見てもお重に入っているけど、カツ丼さま。


うやうやしく箸を割り、まずは熱い味噌汁をひとすすり。人参、タマネギ、ワカメ、野菜沢山がうれしい。


フタをあけ、ひとしきり眺めたのち、卵を攻める。卵、タマネギ、ご飯。卵丼だと思って食べすすめる。甘みが強いダシでとじられており、ひたすらおいしい。


うまいの語源はあまい。そんな話が東村アキコの「ひまわりっ」にのってたっけ。10 年以上前に読んだマンガをふと思い出す。


そして、本丸のカツをひと口。アチチ、しっとりと卵をまとうカツは掛け値無しにおいしい。


小ぶりながら、キシキシとかたく、肉を食べてますって感じられてうれしい。


小鉢の煮物はシラタキかな。常温だけど熱さにやられた口内にはちょうどいい箸休め。


その後もご飯&卵を先行して食べすすめると、残るはカツふた切れと、少々のご飯。


ふふふ、楽しい割合じゃわい。カツでご飯をかき集めては、パクリ。そしてカツもガブリ。


すると、残るはカツがひと切れ。ビールが欲しいな〜なんて思いつつ、ひと口でパクリ。


ゆっくり、ゆっくり噛む。ゆずがゆっくりと坂道をくだるように、ゆっくりと噛む。そんなオレの夏色。


最後に、添えられた粉茶をゴクリ。熱い、暑い、夏色。


ごちそうさまでした。